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40秒小説『盲点』
最低一人はスタッフをリストラするよう、本店から指示があった。店長の私は抵抗した。だが上層部の考えは揺らがなかった。
私は悩んだ。スタッフは皆優秀でしかも情熱に溢れている。
「君は、今日でクビだ」「明日から来なくていいよ」「君はうちの店に必要ない」なんて台詞、絶対に言いたくない。彼らはこの店にとって、一人として欠けてはならない存在なのだ。
私は、スタッフの優秀さを証明しようと考えた。彼らの能力の高さが伝わる資料を提出するのだ。動画がいい。防犯カメラに記録されている映像を編集して、資料を作成した。敢えて私の休暇の日の映像を選んだ。
皆、私の指示が無くても自分で考えて動き、完璧な店舗運営をしている。
リストラなんてとんでもない。逆にスタッフをもっと厚遇してほしい。この映像を見せたうえで私は上層部に問い質したい。どうですか?今の店舗に、不要な人材なんて居ますか?!
後日
私のもとに、解雇通告書が届いた。