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光の速さで波長は邂逅し、人がそれを知覚する
今日の買い物の途中で美しい景色を見たときの話です。
空がなぜ青いのか。
それは、太陽から宇宙空間を通って地球までやってきた光のうち、青空の色の光だけが、地球の大気に乱反射してしまうからです。
レイリー散乱といわれる現象です。
青空の色の光の波長は振動が細かいため、大気の水分や塵などにぶつかりやすく、そのため真っすぐ地上に届かずに、天のドームを覆うように乱反射したのち、ようやく様々な方向から地表に到達します。海が青いのは、その青を反射しているからです。空が赤い時、海も赤く、空が暗い時、海も暗いはずなのです。
振動が細かくない光の波長は、大気の水分や塵をかき分けてまっすぐに地上に到達します。この時、地面との間にビルや木があると、地面には影が出来ます。
この影の部分に、乱反射したのち到達した青の光が入ってきているのをみなさん知覚できていますでしょうか?
例えば雪の積もった翌日の快晴日は、雪の白が空の青を反射してとても観察しやすくなっています。そうでなくても、影の中にある道路の白線やガードレールの白も、よく見ると青くなっている事があります。脳がホワイトバランスを自動で調整していると、もしかしたら気が付かないかもしれません。
僕は写真をやるまでこのガードレールの青に気が付きませんでした。
調べてレイリー散乱の理屈を知ったり、脳と違ってホワイトバランスを自動で調整しないカメラが吐き出した写真を見て、この世界の影の中に落ちている青をようやく知覚したのです。
薔薇色を知覚した
今日僕はこんな光景に出会いました。
スマホで撮ったものを記憶の色に現像したのですが、たまに空に表れるピンク色の光です。
建物の壁に当たるオレンジも、普段の夕日より、すこしピンク掛かって見えました。美しい夕日だなと思います。
現像しているのでカメラが素直にとらえた通りの色ではないのですが、僕が感じた空の感じに大体あっていると思います。
なんでこのピンクは生まれるのだろう。
なんでこのピンクの光は美しいのだろう。
僕は買い物袋を提げて散歩しながら、そんなことを考えていました。
(紫陽花でわかるように、ここからは今日の写真ではないです)
宇宙を一緒に旅してきた青とオレンジ(青以外)の太陽光は、地球の大気でいったん別れた後、違う角度から降り注ぎ、地表で再開をします。
そのことを想いました。
夕方になると太陽の位置は低くなり、地表に届くオレンジの強さが弱まります(本当はここで光はオレンジ色に向かいます)。湿気や気温の条件だと思うのですが、ここで光の波長がバランスすると、オレンジの光と空の青光とが絶妙に混ざり合って、建物や雲に当たる光がピンク色に見える事があります。
オレンジに青を加色混合して出来たピンク。
旅の途中、一度別れたオレンジと青とが再会して出来たピンクです。
なんかロマンチックだし人に寄っては「だから美しく感じる」と無理やり心を納得させられる理屈な気もしてきます。
そして僕はまんまとこの考えを気に入りました。
ここで載せている先ほどの3枚以外の写真は、この考え方で現像をしています。美しい、再開の、邂逅の薔薇色です。
ロマンチックな空だなあ。
しかしよく考えてみました。
日中の、まだオレンジの光が強い頃、陽の光の当たっている所では、オレンジの強さに負けてわからないだけで、実は青の光もすでにそこに一緒に当たっているのです。見えないだけでいるのです。
ピンク色の光が現れた時、それは波長が再会した瞬間ではありませんでした。再会は光の速さで、ずっとずっと前から行われていました。
光が弱くなり、二つの光が混ざり合っている様を、ただ単に僕が、僕の目が脳が知覚できるようになっただけだったのです。
つまり美しいと思ったものはずっと前からそこにあり、
ただ、僕がそれを知覚出来た瞬間が美しいと思った瞬間だったのです。
真理は人の外側にあるのか内側にあるのかという仏教の問答の様です。
僕はこの考えがさらに気に入りました。
人が再会の美しさを知覚した瞬間の色だったとは。
しかしそれを写真で表すのは非常に難しいなと感じています。
哲学的な意味を込めなくては片手落ちな気がします。
しかし、考えるべきテーマが出来たので、ちょっとわくわくしています。
何か良いのが出来たら、また発表したいと思いますが、
今回はこの気付き(半分無理な理屈かもしれませんが)を得られたのでとても満足しています。
よい買い物帰りでした。
おわり
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