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Leica Q2 Monochromeを使ってみた

前回のあらすじ。
突然ライカのQ2 Monochromeを貰えることになったよ。

本当にもらえました。
ライカのコンパクトデジカメ、モノクロしか撮れないバージョンです。
開封の儀みたいなものをTwitterのフリートにはあげたのですが、ここではそういうのはいいでしょう。まずは撮った写真をちょいちょい挟みながら、使ってみた所感を書いていきたいと思います。
(写真の時系列はバラバラです)

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(これらはもちろん撮って出しではありません。現像しているし、トリミングもしています。二枚目フリッカー出てますね)

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一番最初にこれを外に持ち出して近所をスナップした時の感想は「え、これ大丈夫かな?」でした。
前の記事に書いた通り、カラーのQ2とこのモノクロ専用のQ2M(モノクローム)を選べた結果、挑むつもりでモノクロ専用機にしたのですが、常にどこかで「カラーも撮れるやつの方がよかったんじゃないのか」とう自分のささやき声が聞こえてきていました。
その上で、Q2Mで撮ってみた写真はどこか平凡というか、トキメキがないというか。タダで貰っておいてこう言うのも罰当たりなのですが、70万円のカメラでこれか~というファーストインプレッションだったので、僕は間違った選択をしてしまったのではないかという後悔に似た何かそういう感情が生まれつつありました。
でも、家に帰ってから食べかけのタコワサとかを撮ってるのもいけなかったのですが(トキメキは生まれない)。

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こうなると、怖いもの見たさで、カラーの方の性能というか、描写というかが気になってきます。これでカラーの方のカメラのモノクロ性能が意外とよかったりしたら……。考えると、超怖いじゃないですか。
そこでこんなページを見つけました。

Q2とQ2モノクロームのモノクロ性能を比較しているページ。
なんで選ぶ前にここに辿り着かなかったのだろう。

これをつらつら~と見ていきます。
比較を見ても、どれも僅差。そのわずかな差は現像である程度は埋められるし、なんならカラーの方があとからデジタルのカラーフィルターでコントラストを自在に変えられるという最強の強みがあり、その大きなアドバンテージをひっくり返せるほど、モノクロ機の性能に大きなポイントがなさそうです。

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と、手に汗を搔きながら読み進めていた時、
一番最後のある比較が強く僕の目を惹きました。
ISO25000に上げた時のノイズの出方 の比較です

絞り優先で撮影したので、露出値に違いが出てしまいました。
それを差し引いても、ノイズ量の違いは目に付きます。
特に左側のアウトフォーカス部は顕著であり、Q2はボケのディテールが崩れてしまいました。

この記事ではこう書いていますが、僕が注目したのはフォーカスが合っていない場所のディティールが崩れているとかそこではありません。
ノイズがものすごく綺麗なのです。
というよりも、僕にはノイズではなく、粒状と捉えられるレベルのもののように見えました。綺麗というのは「ノイズがない」ではなく「あって全然良いノイズだ」という事です。
画像を拡大して比較しても、ISO25000ではQ2Mのノイズの方が程よくフィルムっぽい。程よく画像をふわふわさせている。

カラー機にしなかった事を後悔させないためのバイアスが自分にかかった可能性がないとは言い切れませんが、それでも、
むしろQ2MのISO25000いいじゃん
と思いました。

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僕はモノクロ写真にわざわざノイズ(良く言えば粒状・フィルムグレインもどき)を乗せる事で写真が美しくなるなあと思っているたちで、キッチリカッチリな描写よりも曖昧でふわふわしている方が好きなのです。
そんな人間に、ISO25000のノイズ、ふわふわ感、悪くないどころか、最高に思えました。

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Q2やQ2Mは画素数が4800万画素ある、いわゆる「高画素機」と呼ばれる部類のカメラです。このカメラのシリーズはその画素数を生かして、通常だと28mmの画角を、35mm.50mm.75mmの画角へクロップ(切り取り)しても使える機能があります。
ISO25000で75mmまでクロップすると、画素数的には800万画素くらいまで落ちるのですが、この位まで拡大すると、ふわふわのノイズが良い感じに見て取れるようになることに気が付きました。
例えばこんな具合になります↓↓(ちょっと現像でいじっていますが、ノイズは足していません)

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僕の好きな写真家がモノクロフィルムで撮り続けている人で、僕はその方の初期の写真にある粒子と、その粒子の合間に浮かぶ像の表現の美しさに憧れているところがあります。その中に宿る詩情が大好きなのです。
ここまでクロップするとセンサーに写る部分の半分以上の領域を捨てている事になるとはいえ、このノイズがRAWデータの時点から乗っているなら、僕は満足です。
最高です。
ここを足掛かりに現像でもっと画像をふわふわさせていけるということは、僕にとっては良いデータを得られたという事になるなと思いました。
いろいろといじってみる意欲がわいてきます。

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先ほどの比較サイトを見ている限り、カラーの方のカメラを感度25000まで上げたときのノイズは、こうはいきません。
少なくともこの使い方が出来るのはQ2Mだからでしょう。

というわけで、
冒頭からここまでにUPした写真はすべてQ2MのISO25000の設定で撮影したものでした
明るさやコントラストを調整して、少しトーンをセピアに寄せていますが、ノイズは足していません。
荒い写真ばかりで「あれ?」と思われた方もいたかもしれません。​
なんだこのカメラと思われた方もいたかもしれませんが、僕の好みでこうなりました。
こういうのが割と好きなんです……。

ISO25000の話はここまで。
結果として、カラー機の方が良かったのではないかという疑念を抜きにしても、このカメラ、これはこれでいいぞ。と自分にとってスペシャルな部分を見つけることが出来ました。
使っていった他の部分でもっと出てくるのではないかと予感しています。

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基本感度のISO200ではちゃんとシャープな写真も撮れます。

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これらはすべてISO200で撮影。
撮影時、カメラの背面液晶に映った絵を見てテンションが上がった写真たちです。撮ってる時は楽しかったなあ。
ただ、家に帰ってRAWデータを開いてみたら、データはやはり平坦な絵でがっかりしてしまいました。
なので、背面液晶の絵と同じ感じになるようにライトルームでプリセットを作って、RAWの平坦な写真達にあてはめました。(UPした写真は背面の液晶の見た目と限りなく近いはず)

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先ほどふわふわな写真が好きと書きましたが、こうカッチリ写っていると単純に人としてテンションが上がってしまいます。ハイライト側の光の溶け方がよいなあとも思います。
この日は小雨だったのですが、濡れた木の幹の立体感が出るのは、暗部の階調が潰れないのと、高画素ゆえの細かな描写のお陰なのだと思いました。

「思います」というのは、僕にはカメラやセンサーの描写の事はよくわからないからです。不思議な機械だなあと思っています。実際には何がその要因なのかわかりません。

今回の撮影では僕の好きな ”木の幹が踊っている様に絡まっている様” を見た印象通りに描写してくれたので「これまで使ってきたカメラ&レンズとは何かが違うな?」という事は理解しました。

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作業をしていて思ったのですが、
RAWが平坦でつまらない絵なのであれば、はじめからJpegでテンション上がる描写で書き出して……しかも最終的にそのJpegのデータだけあれば十分なのではないかという気がしてきます。
今回の公園での撮影に関して言えばですが。

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平坦に写るRAWをフィルムに見立てて、後から焼きこんだり、部分的に明るくしたりする、という使い方も出来そう。しかしこれにはやはり元がカラーのデータだとやりやすい部分です。(硬く仕上げすぎてしまいました)

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いそ200

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(スナップで鞄から取り出す時も、大仰なカメラではないので街中でのためらいが少ないです。)

実は今回の記事に載せようと思って、ライカのM9とQ2Mで同じ設定で撮ってモノクロ具合を比較しようとしているデータがあります。
でも、ここまでを書くのが大変だったので(写真ばかり載せて重くなってしまっていますし)そちらはまた今度UPしたいと思います。

あ、そうそう、撮った写真たちはモノクロ用のフィルター(オレンジとか緑とか)を装着して撮りました(公平を期すために一応書いておきます)。部分的には1/4ブラックミストも装着しているかも。

ではまた仕事が落ち着いたころに……。

(追記↓比較記事を書きました)

以前の記事です。↓

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