東京事変へのスキを語りたい ~歌うベース・亀田の師匠編~
私の大好きなバンド・東京事変への愛を語りたい―。
というだけのシリーズものです。
前回は、「事変のこんなところがスキ!」というお話をしました。
今回からは、メンバー一人ひとりに焦点を当てて、その魅力(私がスキ!を感じるポイント)を語ります。
その第1弾は、ベース担当・「師匠」こと亀田誠治さんです。
プロフィールとか肩書は検索すればたくさん出てきますので、ここでは割愛します。
日本のベーシスト界、いや音楽業界において彼を知らない人はいないであろう、というような御方ですが、
お人柄はとても優しくておちゃめです。(会ったことないけどきっとそう)
ベースは樹の幹である
バンドというものは、「樹の絵」のようだと思います。
(突然なんの話だよって感じですが、ちょっと持論にお付き合いくださいね)
「樹の絵」というのは、たとえばこんなの。(あるとぅん拙作)
バンドを構成する各パートが、「樹の絵」における以下のものに対応していると思ってください。
ベースって「地味」とか「目立たない」と言われることが多いですが、樹において幹の部分が占める割合(面積?体積?)って意外に多くて、樹を樹とたらしめる要素としてけっこう重要だと思うのです。
たしかに、色鮮やかな葉や花・果実が目立ちやすいですが、幹がないと「樹っぽさ」に圧倒的に欠けると思いませんか?
見方を替えれば、花や果実を取って、葉・幹・輪郭だけでも樹の絵としては成立します。
なんなら輪郭をなくしても、まぁ成立します(ちょっと力強さに欠ける感じはしますが)。
でも幹だけはなくせない。それがベースだと思うのです。
(持論は終わりです。ご清聴どうも笑)
歌うベースライン
亀田師匠(以下、師匠)のベースは「歌うようなベース」と表現されることがあります。
ロー・ポジションとハイ・ポジションを大きく動きながら、メロディーライン並みのキャッチーなフレーズを弾くのです。
「群青日和」の冒頭のフレーズとかが好例でしょうか。
林檎さんのギターとボーカルだけで曲がスタートし、0:10ごろ「青く冷えてゆく東京」の裏で鳴っているベースのフレーズ。
「さぁ、始まりますよ~!」と言うかのように聞き手の注意を引いて、その後のサビのアンサンブルにつなげています。
さらにこのあと、0:19あたりで出てくるフレーズも師匠っぽさあふれるエモい動きです。(ホント、語彙力がほしい…)
まぁ師匠がご自身のウェブサイトでちょうどこれらのフレーズの解説をしているので、そちらを見てもらったほうが早いですね!
ベースの知識がない方でも、聞いているだけでグッとくるはず…!(ちなみに私はベースが好きですが、知識はほぼありません)
東京事変や椎名林檎以外にも、様々なアーティストと共演している師匠。
他のアーティストの楽曲でも「歌うベースライン」は炸裂しています。
例はいろいろあるのですが、印象に残っているのは、JUJUの「やさしさで溢れるように」。
そもそもこの曲自体がステキなのですが、師匠のベースラインが、この曲の切ない感じと少しずつこみ上げてくるかのような優しい強さを演出しています。Bメロの部分です(0:39~)。
こちらのフレーズについても師匠が解説しているので、じっくり聴きたい方は見てみてください。
こんな具合にメロディアスなフレーズを弾く亀田師匠ですが、
何がすごいって、ベース本来の伴奏的なポジションから飛び出してこれだけ”歌いにきてる”のに、歌メロを邪魔することなくちゃんと調和していることです。
ボーカルの立場からすれば、ベースラインがあまりに大きく動くと「歌いにくっ…!」と感じるはずです(デコボコ道を歩かされるような感じ?)。
なので師匠のやってることはかなり「攻めたプレー」なわけですが、そこをうまくやってるのですね。
(まぁ、関ジャムにて林檎さんが「すごく歌入れがしづらいベース」「ボーカリストがキープする音域でベースが歌い上げる」と不満をこぼしていましたが笑)
余談ですが、私も趣味程度に友人とバンドを組んでいます。あまりエレキエレキしていない、落ち着いた感じ?のバンドです。(私はドラムス担当)
ベーシストがいないので、私が打ち込みでベースラインをつくることがあったのですが、師匠のベースを日ごろから聴いているせいか、ついつい「攻めた」フレーズを入れてしまい、メンバーから「ちょっとベース、派手じゃない…?」とダメ出しを喰らったことがあります。
やはり師匠のベースラインは師匠だからこそ成せる絶妙な業であり、そこにちゃんとアジャストできるメンバーがいるからこそ、その良さが成立するのですね。
お茶目な強キャラ
東京事変における師匠は、どんな存在なのでしょうか。
私は「お茶目な強キャラ」だと思っています。
「ふだんは優しくておっちょこちょいな感じだけど、戦いの場に立てば絶対的な安心感!」みたいな。(アニメキャラに喩えようとしたけど、しっくり来るのが思いつかなかった…)
そんな師匠の安心感を改めて感じさせてくれたのが、きっと愛好家のみなさんも同意してくれるであろう、ウルトラCの「絶体絶命」。
曲が始まり15秒ほど経ったところで、ステージ中央にいた師匠が突如ステージ裏へ…。他のメンバーたちも「あれ、師匠どうした…?」といった表情です。
イヤモニ越しで指示があったのか分かりませんが、イントロがいつもより長くなってるし、それに合わせてとしちゃん(Drms.)もフィルインを変えている…。
明らかに何かが起こっている雰囲気のなか、歌も入り始めます。
浮ちゃん(Gt.)もベースのフレーズを弾いてるし、このまま師匠不在で行くのか…(まさに絶体絶命!)
と思ったそのとき、
ニコッと微笑みながら師匠帰還。(^_-)-☆
メンバーたちも安堵の表情を浮かべているように見えます。
そして、スライド(ぎゅーんって弾くやつ)とともに演奏開始。ベースラインが聞こえた瞬間、メンバーも観客も「やっぱり師匠もあっての事変だ…!泣」と感じたはず!
ほら、「樹の幹」重要でしょう?笑(唐突な伏線回収)
動画のコメント欄の書き込みによると、師匠は機材トラブルで退場したそうです。それをとっさの判断でカバーするメンバーたちのチームワークと、師匠のベースのありがたみを同時に感じさせてくれる象徴的な出来事でした。
まとめ
以上、「師匠」ことベース担当・亀田誠治さんへのスキを語りました。
プレイングからお人柄まで、本当に魅力たっぷりです。
まだまだ語りたいことがたくさんあって、とても一記事には収められませんね。
最後に余談ですが、ニュースフラッシュのときに全員で「絶体絶命」のイントロを弾いているのを見て、先のウルトラCでのことを思い出し、「今度はみんなで弾けたね…!よかった…泣」と感慨深くなりました。
それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ぜひまた読んでくださいね!
~Merci!~
おまけ(2021/12追記)
でいこんさんという方が、「東京事変のベースラインクイズ」という動画をあげています。
その名の通り、ベースラインだけを聞いて何の楽曲かを当てるというものです。(結構難易度高いです)
愛好家のあなたなら、きっと分かりますよね…?
ちなみに私は全問正解でしたよ(ドヤ顔)
曲名が出てこなくて「アレだよ!あの曲だって…!あの…」ばっかり言ってましたが笑(えっ、それじゃあ不正解ですか…⁈💦)