Who Am I | カンマタカヤ(vol.1)
カンマさんとバンライフ
スタートは18歳の時に出会ったセドリックのVANでした。その後数々のVANを乗り継ぎ、東北を旅した際に知らない人にもらった72年製のパネルバンType2を1年かけて直し、それに乗って奥さんと全国を旅し始めました。長女と次女がいるときはT4のえんじ色かな。家族の成長と共に車を乗り換えていました。
宮崎に移住して、TAGIRI HOTELを運営していたのですが、それも終わりに差し掛かってまた旅に出ようかなと思っていた時、3人目が生まれて少し手狭になってきてて。そんなタイミングで運命的にネットオークションで出会ったのがハイマーでした。前の持ち主の方と電話で、僕の夢を1時間以上かけてお話をさせていただいて。その方とは今もまだ縁があります。
ハイマーを手にした時、正直家は要らないなと思いました(笑)。家に備わっている全てがハイマーにはあるんです。家があるとものって溢れるじゃないですか。場所があるから。でも子供達は、ハイマーの中にある引き出し棚2つ分に収まるものを選ぶんです。まるで宝物を探すように。厳選しなければならないからこそ、購入する前に念入りに調べて壊れないものを見つけて、モノに感謝する気持ちを持つ。それこそ人類や地球にとって大切ですよね。そんな姿勢を持つことができたのもバンライフがあったこそだと思っています。
子供たちは限られた環境での生活の楽しみも見つけるのがうまいです。今は毎日じゃんけんをしてハイマーの中で眠る場所を決めたりしています。そういう時間が本当に楽しい。ハイマーを家族全員でマットな白でDIYしたのもいい思い出ですね。DIYすると余計思い入れができるじゃないですか。もう家族の一員でもあったハイマーでしたが、今回のヨーロッパでの展開を夢見て、手放す事を決めました。苦渋の選択でしたが、結局は手放さないと、新しいものは入ってこないんです。
カンマさんとサーフィン、「好き」を突き詰める熱い力
水泳の推薦で高校に入学したものの、そこで出会った友人をきっかけにサーフィンの魅力に取り憑かれてしまいました。そんな僕に、好きなことをやれと背中を押してくれた父。父はかつてカメラマンを目指していましたが、道半ばで諦めた過去がありました。だからこそ息子の僕には好きなことを突き詰めて欲しかったんだと思います。母はずっと心配していましたが(笑)。
やっぱり好きなことをやってみたい、心の底から強くもつ「力」はとても強いと思います。それは決して自分だけじゃなくて、その熱意があると周りも熱くさせるエネルギーがあるんです。ただ自分に熱いハートがあるかないか。
今の社会の中で、若者たちって何をしたらいいのかわからないことって多いと思うんです。学校で勉強して就職する、そんなピラミッドのような社会。でもそれって今の「仕組み」が作り上げた社会なんですよね。お金の稼ぎ方だって今の仕組みだからできていること。肩書き、学校名、企業名でうまく生活できていたとしても、本当に豊かなのか、幸せなのか、それすら判断できていない。そして、そんな仕組みの中でうまくやったとしても、それがいつ壊れるかなんて誰もわからない。それより、自分がどれだけ熱くなれる心を育てることが大事だと思うんです。僕自身はサーフィンに出会って、その「仕組み」に入らない選択をしました。仕組みの中って自分が頑張らないといけない。ただ僕のいる仕組みの「外」の世界では、その僕の選択をこの「宇宙」が全部助けてくれると思っています。
バンライフもそうで、大袈裟じゃなくバンライフって人生の救済だと思うんです。若い人たちに、バンにすべてを詰め込んで、自由というハンドルを持って、どこまでも行ってみなよ、と言ってあげたいですね。
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