フェロモン顔
先月みうらじゅんFESで、(アラン・レネ風 )
『フェロモン顔』の展示の前でしばらく静かに笑っていた。
見事にジャパンで昭和なレコードジャケットたち。
全ての曲を数日に分けて聴いてみた。
どのオネエサンも色香を湛え、なかなかのフェロモン歌謡。
個人的には夏木マリ『裏切り』が一番良かった。
かなり色香がたちのぼるウィスパーボイス。
例えば、「乾いた身体を誘惑されたの」の部分は、「カ・ワ・イ・タァァ ...カ・ラ・ダ・ヲォォ...
ユ・ウ・ワァ・クゥ.....サ・レ・タ・ノォ....」
という感じ。
この曲は、Howard Williams監修のコンピレーション『Lovin’ mighty fire-Nippon funk soul disco 1973-1983』に入っているだけあり、なかなかファンクでかっこよかった。
渥美マリのお色気にも悩殺されそうになったが、
もし私が男なら、あまりタイプではない。
タイプといえば、MJJ(みうらじゅん事務所)の秘書の絵梨花さんはフェロモン美人でかなり可愛い。
今回の「みうらじゅんFES 京都」ではお会いできなくて残念だった。
まぁ、でも、、、人形だしなぁ....
人間だったら、私が思うフェロモン顔な人は
ジプシー・ローズ
昔、アート系の雑誌の写真特集で存在を知り、そのページを切り抜いてずっと置いていた。
「文豪たちが愛したストリッパー」と紹介されていたので、バイアスがかかり、女神化して見てしまった部分もある。誰に愛されたかでも、オンナ度は上がるような気がするからだ。
このページを切り抜いたのは30年以上前。
時代が進み、Google検索のおかげで、ジプシーについてじわじわと分かってきた。
永井荷風、村松梢風、舟橋聖一、林房雄、長部日出雄、土門拳、市川左団次、棟方志功、東郷青児らを虜にしていたこと。
棟方志功はジプシーを「女神のような肉体」と讃え、その肉体を板に彫りつけようと楽屋に通い詰めたこと。また、「アメノウズメノミコト」は彼女をモデルとして描かれたということ。
ますます興味が深まり、『楽屋ばなし いとしのジプシー・ローズと踊り子たち』 も読んでみた。
何と田中小実昌著だ。バスの旅のコミさん。
たしか、村上春樹が田中小実昌翻訳のミステリー本(ハヤカワ)が好きだとBRUTUSの記事で読んだことがある。
本の中は、ジプシーの魅力に満ち溢れていた。
中身に何も入れずに、ハンドバッグだけ持ち歩いていたエピソードもイノセントな感じで可愛い。
残念だったのは、私が持っている切り抜き以外は、どの写真もあまりいいと思わなかったことだ。
他で見るジプシーは、どれも身体の線が太めだった。でも、その線が文化人たちを虜にしたのかもしれない。
谷崎潤一郎はハーフのようなところが好みでなかったようで、「予の趣味に合わず」と書かれたみたいだけど。。。
もし私が切り抜いた細いジプシーの写真を見ていなかったら、谷崎潤一郎バイアスがかかり、そんなに綺麗だとは思わなかったかもしれない。
次はおフランスへ。
ジェーン・バーキン
文豪もそうだが、美少女が得意な漫画家にも
バイアスをかけられがちだ。
昨年夏、ジェーン・バーキンが亡くなったとき、
江口寿史のXを見て、ジェーンの女神度が更に上がったのも事実だ。
この言葉と写真を目にすると、ミューズ度をじわじわ感じずにはいられない。
籐のかごの無造作な持ち方も素敵だ。
私はこの写真↓ も好き。理想的すぎる。
セルジュ・ゲンズプールに愛されたというミューズ度の高さは格別だけど。
最後に人間ではないけれど、この人だけは外せない美女がいる。
ベラドンナ
虫プロダクションが制作したアニメーション映画『哀しみのベラドンナ』の主人公。
この映画のストーリーがかなり苦手で、予告編だけでもやや嘔吐に近いものを感じてしまうので
なかなか映画に手が出せないでいる。
サイケな映像とベラドンナの美しさは素晴らしいけれど。
深井国イラストの線の中に、クリムトやビアズリーやシーレや耽美やサイケデリックがゆらゆら潜んでいる。
ジプシー・ローズ、ジェーン・バーキン、ベラドンナ...こうして並べてみると、自分の好みがよく分かる。
まだまだ思い浮かぶヒトがいるので、また記事にして頭の中から出してみようっと。