【アルトイデア】オリジナルシステムを作りたい #2【戦闘について その1】
■はじめに
第二回を書くことが出来ました、あるたーです。今回は具体的な戦闘様式について、旧作『鉄界のインピーダンス』から現段階のものまで振り返りながら記事を書いていきます。戦闘システムの「面白さ」を模索しながら、自身の中のブラッシュアップの意も込めていざ、執筆。
■カード×ダイス(旧テーマ)
第一回で「カードとダイス」を用いた遊び方をコンセプトにしたものを作りたいと書きました。抽象的に説明すると、カードを使ってキャラクターの攻撃や支援を行って、ダイスを使って判定を行ったり数値を出したりするといった使い分けを行っていました。
①オリジナルカードの運用
はじめはカードそのものに戦闘の技(以降「アクト」と表記)を書いていましたが、いくつかの問題点が浮上してきました。
それは、単純にカードのデザインを用意することが大変であることです。ただでさえ、カード一枚を作るために時間を労するのにアクトの種類は多いため、システム作成どころの問題ではないという結論に至りました。また、オンライン上(開発環境として、ココフォリアでの運用を想定)で扱う際、カードイラストをプレイヤーのデッキに合わせて用意しなければいけないという導き手(KP、GM)の負担が非常に大きいものになってしまうことも問題点であると判断しました。
②トランプの運用
①の改善案として、アクトに番号を振り分け、カードの番号と対応させるということを考えました。
例えば、「1」のカードにはデータ上で「通常攻撃」が割り振られ、「2」のカードにはデータ上で「強攻撃」が割り振られるといったことです。
この方法であれば、オリジナルカードを用意するのではなく、トランプのような番号が存在する市販で手に入るカードで代用することができるというメリットも得られることが可能になりました。しかし、オンラインで行う場合ではどうしてもカードを扱うことに慣れていないところもありますが、スムーズに行かない部分もあったため、そこを改善するために次のような案を出しました。
③オンライン向けのダイススタイル
従来のカードを使ったやり方を「カードスタイル」とし、新しいオンライン向けの遊び方として「ダイススタイル」というものを考案しました。考案と言っても簡易的なもので、基本的な部分は変わりません。上記のように番号にアクトを当てはめたところは変わらず、カードの番号と対応していたところをダイスの面と対応させたものがダイススタイルになります。
元々、戦闘においては「6つのアクト」を使用できるという内容でした。つまり、1~6のカードを三枚ずつの18枚がキャラクターの戦闘行動になります。同条件を維持しつつ、ダイススタイルとして確立するために、6面ダイスを用いてそれぞれのアクトの使用可能回数を三回までにするための仕組みを作りました。「デッキからカードを手札に加える」という工程を「新しくダイスを振り、その出目を保持しておく」という工程としました。
■カードスタイルの廃止
現在のアルトイデアでは、カードスタイルを採用していません。オンライン向けに作ったダイススタイルを改変したものを、現段階 の仕組みとして採用しています。
カードとダイスの二種類のツールを使うという試みは面白いものであると思いますが、本システムについては管理するものが多く、プレイヤーの快適さを損ねてしまう要因になりかねないという判断に至りました。
「耐久力をはじめとしたステータス」
「戦闘マップ上の駒の移動」
「戦闘のルール把握」
「他の駒の状況」など
上記のようなものに加えて、カードを用いて番号を管理しダイスを用いて判定を行うような形でした。もちろん、カードスタイルが完全に無理というわけではないですが「二つのスタイルがあることを説明する」ところにリソースを割くのではなく、他の仕組みをパワーアップさせるべきであるという結論になったわけです。
奥深いゲームシステムを構築することを目指してはいますが、分かりづらいゲームシステムを作りたいわけではありません。そのため、簡素にするべきところは簡素にするべきという方針で作成しています。
▶カードを使うというアイデア
案を削除したカードスタイルですが、「カードを使う」というアイデアを探索システムに採用することにしました。本システムでは「探索」と「戦闘」をできる限り分離させることをコンセプトにし、それぞれに対してステータスを用意するというなかなか見ないような仕組みで採用しています。その関係上、戦闘システムの形はできたとしても探索システムの形はできていないという状況になりました。もちろんそれぞれのシステムに集中して各キャラクターデータを作れるという他にない強みがあるのですが、探索システムをどのように作るべきかというところに、現在進行形で大きく悩んでいます。これに関する話題は今後の記事で触れて行こうと思います。
■戦闘システム(Ver.1)
旧題である「鉄界のインピーダンス」はそのまま『アルトイデア』の一つの世界録として出す予定です。旧題でありながら、アルトイデアの中の一つにもあるというややこしい状況にあります。であるため、今後の記事では以下の表記で行きます。
『鉄界のインピーダンス』→「Ver.1」
『アルトイデア(旧式)』→「Ver.2」
『銘記録RPG アルトイデア』→「Ver.3」
▶キャラクター作成要素
プレイヤーは「ステータス」「種族」「武器種」「アクト」「スキル」「武器」「アイテム」の7項目を初期キャラ作で構築するといった内容としていました。基本的には変わっていませんが、内部のデータが変わっております。それぞれの関係性について説明します。
「ステータス」は、25ポイントを自由に振り分けて決定します。ポイントを振り分けられるものは以下の5つです。
「基礎攻撃力」「基礎防御力」「命中力」「瞬発力」「行動力」。
初期値を1として振り分けられる最大値を10までとしていました。ダイスでステータスを決めるものも多くありますが、戦闘を十分に行うシステムであればこちらの方がやりやすい方が多そうだと判断しました。「基礎」と表記しているのは、後ほど登場する「武器」の場面で加算するために分けています。また、これらのステータス以外に、ポイントを振ることが出来ない「耐久力30点」が存在しています。耐久力が0になったらデータロスト、死亡を意味しています。
重要なのは、防御力を導入していることです。ダメージを軽減するための防御力ですが、扱いに非常に苦戦しています。初期の案では、2D(防御力)点分ダメージを減少することが出来るという仕様にしていました。しかし、ダイスの目が非常に変わることはオンライン上ではやりやすいですが、オフラインでは非常にやりにくいです。10種類以上のダイスを用意できるかどうかと言われれば、正直難しいのが現状だと思います。可能な人は居ると思いますが、万人に対するハードルが跳ね上がってしまいます。
■防御力について
Ver.1では「2D(防御力)」という計算式を採用していました。回避というシステムも存在していたこともあって、ダメージを受けにくく、戦闘の流れがとても悪くなってしまいました。
Ver.2では「yD20」[出目の最大値は(防御力)と等しい]という計算式となりました。yは抵抗値を表し、相手のアクトの威力が3以下であれば2点、4以上であれば3点といったように変更されます。20面ダイスに統一されたことで、ダメージのばらつきもありながら最大値が防御力となるためダメージを軽減しすぎることもなくなったと思います。
ただ、これら被ダメージ計算は戦闘を停滞させる原因でもありました。
「命中判定」
「回避判定」
「ダメージ算出」(攻撃力)
「軽減ダメージ算出」(防御力)
上記の四つの工程によって、戦闘が成り立ちます。ですが、それを毎回行いすべてダイスを振る必要があったため非常に長くなってしまうというのが課題として挙げられました。
ここまで「固定値」を扱わなかったのには少し理由があります。戦闘における演出において振るまで分からないという状況、どっちに転ぶかどうかわからないというものを重要視していました。ある程度どのくらいのダメージが通るのかわかっていた方が、理詰めできるため戦闘を行う上でより戦略が重要になると思います。ただ、運要素が存在しダイスを振る楽しさを優先したという経緯がそこにあります。
Ver.3では、ダイスを振るという工程を被ダメージだけでも簡略化したいという事で新たに「装甲耐久力」を追加しました。「装甲耐久力」とは防御力×4点獲得します。ダメージを受けた時、耐久力よりも先に装甲耐久力を減らします。装甲耐久力が0点になった場合、超過分は耐久力から減らすという形式です。そしてサイクル(ラウンドのようなもの)開始のタイミングで半分ほど装甲耐久力を回復するという仕組みを採用しました。簡単に表現すれば、追加HPゲージのような仕組みにしたというわけです。
ダメージを軽減するという行為自体は問題ありませんが、防御力があることでこのように複雑化します。要素が足されたということは、調整する項目も増えることを意味しており、頭を抱えてしまいそうです。防御力がないゲームも存在しているため、なくても成立はします。ですが、防御力に特化した構築が作れた方が個人的には嬉しいですね。
■おわりに
正直、記事の書き始めと終わりに時間の間隔が空きすぎてしまい何を書けばいいのか迷走気味になってしまったため、一度ここらへんで記事を終えます。現在Ver.3『銘記録RPG アルトイデア』を基に一度書き直して別の形でシステムを書き直しました。次回はその新しい形式のシステム(Ver.4)について、世界観と共に解説していけたらと思っております。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。