アルテマイスターの代表的な厨子 『安壽』
アルテマイスターの厨子『安壽』のお話。
厨子『安壽』は、なめらかな曲線が美しいフォルムと、艶やかな洗朱が特徴的なアルテマイスターの代表的な厨子です。
2001年にグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会/商品デザイン部門)を受賞し長年愛されてきました。
「見る人を元気にしたい」
当時、女性ひとりでも抱えて持つことのできるサイズの厨子として発表しました。サイズ感が好評を得て厨子の小型化が進み、今ではこのサイズでも大きく感じられます。
洗朱という色も珍しく、神社仏閣でも使用される日本を代表する色には「祈ることで元気になってもらいたい」と、願いが込められています。
安壽の特徴的な屋根の形や、ふたつの丸い装飾の脚にはモチーフがあります。それは七福神の一人でもある「大黒様」です。その姿は、頭巾に袴姿で右手には小槌、左手には七宝が入っているとされる袋を背負い、足元には2つの大きな米俵。日本では五穀豊穣や開運・出世・財運向上などの神様として知られています。
そんな大黒様を思わせるような屋根に、俵を模した脚でデザインされています。
発表から20年。国産漆で『安壽の洗朱』を再現しました。
2022年12月、自社栽培の国産漆を使用し『安寿の洗朱』を再現。東京銀座にて、数量限定で発表しました。
お客様からは「朱の色が素敵ね」といったご感想や、国産漆の取り組みに関心を持っていただきました。また今回展示したことをきっかけに「この屋根の形やデザインいいわね」と改めて安壽のデザインにも目を向けてもらうことができました。
漆塗装開発に奮闘し、工芸の神髄に触れる2人の職人の物語は、こちらからご覧いただけます。
【PRTIMES STORY】
手間をかけ、素材と向き合う精神こそ”工芸”の神髄。記念モデルに込められた国産漆の塗装開発秘話。
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今回「安壽 国産漆」を展示したギャラリー厨子屋のスタッフにもお話を伺いました。厨子を扱うスタッフだからこそ「安壽」の色味の違いに感動され、それを伝えたいと来場者にお話されていたそうです。ものづくりの想いが様々な方の力で伝わっていること、とても嬉しく思います。