仏壇製造一筋の職人たちが手探りで生み出した厨子を『雲煙』としてリバイバル。
「特別な厨子をつくろう」と取り組んだ厨子『雲煙(うんえん)』の話。
厨子『雲煙』は、アルテマイスターが運営する直営店「ギャラリー厨子屋(銀座1丁目)」が開廊20周年を迎えたことを記念して、「特別な厨子をつくろう」と企画開発部のメンバーが発案したことがきっかけで生まれました。
モチーフにしたのは仏壇製造一筋の職人たちが手探りで生み出した厨子
過去、卸販売製品として、<仏壇職人がつくる現代の創作厨子>のフレーズを掲げて作られた厨子がありました。当時の資料をみつけた現在の開発担当者が、「厨子屋開廊当初に職人たちが奮闘して作ったこの厨子を、再構築して記念モデルとして発表したい」と企画が進められることになりました。
2022年12月お披露目。厨子屋開廊20周年記念限定モデル
「和 角切厨子」を作った先代からの想いを引き継ぎつつ、現代の生活に適うよう見直しました。完成した厨子は新たに『雲煙(うんえん)』と名付けられ、2022年12月に銀座のギャラリー厨子屋にて初お披露目することとなりました。
▷プレスリリース:【厨子屋開廊20周年記念企画】第3回「アルテマイスターの厨子」展 12月10日(土)より銀座にて開催
きらびやかな装飾を落ち着いたデザインに変え、サイズも一回り程コンパクトにしました。
家族の繁栄を願う更紗模様や吉祥紋様、子孫繁栄を意味する木瓜型の屋根などオリジナルの意匠は角切厨子から継承しています。
2023年、素材を欅に変え新たに『雲煙』を仕上げました。
木目の美しさを最大限引き出す落ち着いた意匠の雲煙。使用する木材で表情が変わります。今回は、まっすぐで力強い木目が特徴の欅で新たに仕上げました。
”欅”のこぼれ話・・・陽のあたる場所を好み、成長が早く、寿命が長いのが特徴
アルテマイスターの厨子や仏壇に用いることが多い欅。街路樹としても目にされる機会は多いのではないでしょうか。
陽のあたる場所を好み、成長が早く、寿命が長い欅は、当社の所在地・福島県の県木でもあります。会津若松市には天然記念物『高瀬の大欅』もあり、当社とはとても縁のある木です。
雲煙をご覧になる機会がありましたら、福島県にも想いを馳せていただけたら嬉しいです。
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