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仏壇製造一筋の職人たちが手探りで生み出した厨子を『雲煙』としてリバイバル。

「特別な厨子をつくろう」と取り組んだ厨子『雲煙(うんえん)』の話。

厨子『雲煙』は、アルテマイスターが運営する直営店「ギャラリー厨子屋(銀座1丁目)」が開廊20周年を迎えたことを記念して、「特別な厨子をつくろう」と企画開発部のメンバーが発案したことがきっかけで生まれました。

[工房厨子 雲煙 漆色 大(H36.0×W27.0×D21.5cm)/小(H26.0×W20.0×D18.5cm)]

モチーフにしたのは仏壇製造一筋の職人たちが手探りで生み出した厨子
過去、卸販売製品として、<仏壇職人がつくる現代の創作厨子>のフレーズを掲げて作られた厨子がありました。当時の資料をみつけた現在の開発担当者が、「厨子屋開廊当初に職人たちが奮闘して作ったこの厨子を、再構築して記念モデルとして発表したい」と企画が進められることになりました。

◇当時のパンフレットと資料
写真:仏壇職人がつくる現代の創作厨子『和 角切厨子』


2022年12月お披露目。厨子屋開廊20周年記念限定モデル

「和  角切厨子」を作った先代からの想いを引き継ぎつつ、現代の生活に適うよう見直しました。完成した厨子は新たに『雲煙(うんえん)』と名付けられ、2022年12月に銀座のギャラリー厨子屋にて初お披露目することとなりました。
▷プレスリリース:【厨子屋開廊20周年記念企画】第3回「アルテマイスターの厨子」展 12月10日(土)より銀座にて開催

会場風景:2022年12月開催 厨子屋開廊20周年記念企画
第3回「アルテマイスターの厨子」展(東京・銀座)撮影/大泉省吾

きらびやかな装飾を落ち着いたデザインに変え、サイズも一回り程コンパクトにしました。

【厨子屋限定モデル】雲煙 欅玉杢漆仕上げ / 左から大・小
【厨子屋限定モデル】雲煙 シャム柿 / 左から大・小

家族の繁栄を願う更紗模様や吉祥紋様、子孫繁栄を意味する木瓜型の屋根などオリジナルの意匠は角切厨子から継承しています。


2023年、素材を欅に変え新たに『雲煙』を仕上げました。

木目の美しさを最大限引き出す落ち着いた意匠の雲煙。使用する木材で表情が変わります。今回は、まっすぐで力強い木目が特徴の欅で新たに仕上げました。

◇永くお使いいただけるオーソドックスな意匠
◇無垢の欅を用いた美しい木目


”欅”のこぼれ話・・・陽のあたる場所を好み、成長が早く、寿命が長いのが特徴

アルテマイスターの厨子や仏壇に用いることが多い欅。街路樹としても目にされる機会は多いのではないでしょうか。
陽のあたる場所を好み、成長が早く、寿命が長い欅は、当社の所在地・福島県の県木でもあります。会津若松市には天然記念物『高瀬の大欅』もあり、当社とはとても縁のある木です。

◇磐越自動車道会津若松ICから車で10分程のところに位置する『高瀬の大欅』

雲煙をご覧になる機会がありましたら、福島県にも想いを馳せていただけたら嬉しいです。

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欅を使った仏壇、厨子について書いたnoteはこちら◎
時代型仏壇|平安・鎌倉・桃山・江戸
軽やかさと荘厳さを併せ持つ厨子『文欟木型』
一番大事な「ひとつ」を納める。美しい佇まいの厨子 経筒写し


文 / すずき