レポート|会津産漆で金継ぎ体験Vol.1
現在、当社が運営するギャラリーショップ「スペース・アルテマイスター(会津若松市本町)」では、漆掻き職人兼、漆作家の村上修一さんの作品展を開催中です。期間中の2日間『会津産漆で金継ぎ体験』も開催されました。
漆作家 村上修一さんを講師にお迎えした当ワークショップに、広報チームのすずきも参加してきましたので、体験レポートをお伝えします。
壊れた器を美しく直す『金継ぎ』が再注目
割れたりした器を漆で接着し、継ぎ目を金属粉で装飾する伝統的な修復方法である金継ぎは、コロナ禍で増加したおうち時間とSDGsによる意識の高まりから女性を中心に人気が出ているそう。
割れたけれどなかなか捨てられなかった器をそれぞれ持参してスタート。
漆掻き職人でもある村上修一さんには、当社で約50年前に植えた漆の木の漆掻きもお願いしています。今回はその漆を使って金継ぎしていきます。
01.下準備をはじめます
漆がしっかりと着くように割れた部分を消毒していきます。この日の参加者が持参した器は、木製の物から焼き物、漆器など様々。漆器の場合は表面の漆もしっかり削ってからスタートしていました。
その後、作業するときに手で触れる部分をマスキングテープで漆が付かないようマスキングテープで保護していきます。
02.漆固め
欠けている部分に生漆を塗っていきます。その後、箱に入れて乾かします。
★漆が乾くには湿度が必要。湿度が低い場合には霧吹きで箱を濡らしたり濡らした布を置いて湿度を補います。
03.接合の準備
接着剤になる「麦漆」を作ります。強力粉に漆を混ぜてしっかり練ります。これでつくのが不思議です。
欠けたところにつけていきます。
04.破片の接合
「どの程度くっつくのかな?」とパーツを乗せてみると、想像していた以上にしっかりとパーツがくっつきました。
小さな欠けや隙間は砥粉で作る錆漆をパテの要領で埋めていきます。
05.この日の作業はここまで
最後にマスキングテープで留めて、接着した部分を十分に乾かします。
次回は約2か月後の作業、ということで、この日の作業はここまでで終了です。約2時間あっと言う間のワークショップでした。
村上さん曰く、「自然のものだから接着する時間も自然のままに時間がかかる。この待つという時間も漆の作業のひとつ。」とのこと。こういった「待つ」時間自体が、贅沢なものとして現代の人たち映っているのかもしれません。
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展示会に興味を持たれた方、または遠いけれど展示の様子を見てみたいといった方はぜひ、アルテマイスターのECサイト『こめら』でもレポートしています。こちらもあわせてご覧ください。https://komera.shop/?mode=f22