「天示す竜剣」メタゲームウォッチングVol.1 [絶対の矛と絶対の盾]
この記事では競技シーンにおける環境を見ながらメタゲームの変遷や流行を考察する。可能な限り毎週更新できたらと思う。
9/28開催JCG
優勝は秘術ウィッチと人形ネメシスの組み合わせ。
決勝における持ち込みは人形ネメシス12、秘術ウィッチ7その他2人以下と圧倒的。明らかにパワーが抜き出ている人形とローテ落ちの影響がなく、前期のトップメタである秘術の独走となった。
一方で宴楽ヴァンパイアは人形に若干不利、人形メタの消滅ビショップが厳しいとメタゲームに恵まれなかったと考えられる。
10/1開催JCG
優勝は回復ビショップとアーティファクトネメシス。
露骨な人形ネメシスメタが横行した結果、メタった側が優勝した、という印象。相変わらず10人が人形ネメシスを持ち込み、それに対するメタとして回復ビショップが6人という上位シェアとなった。秘術ウィッチは3人まで減少している。
コントロールデッキによるメタの結果、アグロが蹂躙する環境に歯止めがかかり、環境は後ろ方向へとシフトしたように見える。
環境デッキ群
・人形ネメシス
本環境の主役。圧倒的なカードパワーによる攻撃力が特徴。確定スロットが多いものの、環境に応じて調整枠で速度感を意識したチューンができるのが魅力。人によってはジェットパックガンナーを採用することも。
・アーティファクトネメシス
難易度こそ高いが、綺麗に回せた時の破壊力は環境随一。フルブラストガンナーの通りがよく、6種類達成後のジェネシスアーティファクトのパワーはこれまででもトップクラスに高くなっている。また、音速の突破による進化権の踏み倒しも現環境では非常に価値が高くなっている。
・回復ビショップ
ビートダウンデッキに焦点を当てて徹底的に防御をすることに特化したガチガチのコントロールデッキ。基本はコンシード狙いだが、ホーリーセイバーによる能動的な制圧もできる。
進化5回もインペリアルセイント、ジャンヌ等があるため特段厳しいわけでもないのが魅力。
・秘術ウィッチ
RGWからの刺客。スタック7消費からの20点近い打点を叩き出せる総火力が魅力的。その反面序盤の弱さ、引きムラなどの課題点が新カードで解決できなかったのが苦しいポイント。
序盤が脆いデッキに対してある程度強く出られるのがポイント。
・宴楽ヴァンパイア
RGW期からの刺客その2。環境随一の速度から繰り出させる継続的な打点は登場から今まで走り抜けてきた地力を感じさせる。
たまに起きる手札事故こそキツいものの、本来不利なはずの回復デッキに対しても貫通する可能性があるのが魅力。
・進化ロイヤル
フィニッシャーがローテ落ちしたことでダメかと思われたが、デッキを重たくすることで重量級のミッドレンジとして復活。1枚1枚のパワーを大事にしたボードデッキのラスボス的立ち位置。ピン刺しのレジェンドソードコマンダーはグダッた展開やゆったりとしたペースのコントロールを破壊するくらいの圧倒的な制圧力だろう。
注目のカード
レジェンドソードコマンダー
究極の防御力を持つロイヤルの大型フォロワー。先日のストラテジーピックでトラウマになった人も多いのではないだろうか。
現環境では比較的ゆっくりとしたゲームになりやすく、そこに飛んでくる7/7無敵は圧倒的制圧力。コントロールキラーになり得る1枚だ。
大いなる意志
対象一つのダメージを0にする。ラブソングシンガーがキャントリップ付きの2コストスペルになって帰ってきた。地味ながら人形ネメシス等の序盤の盤面を狭くして時間を稼いでくれる強力な1枚。ターンを稼ぐことが重要なデッキにとって非常に有力な1枚となっている。相手リーダーも選べるため、比較的無駄になり悔いのが強みだ。
ウーラノス
アルバハへのメタカードとして現れた期待の新星。消滅効果が現環境にかみ合っており、ボーナス効果も優秀。単純なメタカードだけではなく、汎用性の高いレジェンドとして今後もよく見かけることになりそうだ。
アルバハデッキを使う側はウーラノスに対してしっかりと注意しながらゲームを進めるようにしたい。特にライフ9以下での着地は可能な限り避けたいところ。
気になるデッキ!?
・スペルウィッチ
致命傷のローテ落ちを乗り越えて復活したデッキだ。カードキャスター・マリのサーチ能力を最大限生かすためにバリューの高いスペルブーストカードのみ採用し、残りは除去とドローソースで構築する形がテンプレートとなりつつある。
ドローが過剰気味なため、ウーラノスや管弦の魔術師のようなカードも使いやすく、ここの枠をどうするかで派閥が分かれているよう。
筆者はウーラノスと管弦採用型が好みだ。
手札管理が難しく、また手札事故もそれなりにあるため玄人向けのデッキだろう。
・進化ヴァンパイア
渇望ギミックと復讐ギミックを取り入れることで低コストで進化回数を稼ぎ、細かいバーンで削り切るをコンセプトとしたデッキだ。
ブラッディデーモンをミニゴブリンメイジでデッキに返せるワザップやマリシャスブレイダーからカーリーを進化することができるお洒落ギミックなど、関心する要素が沢山あって非常に興味深いデッキだ。
・アルバハドラゴン
RGW期のランクマッチでも見られた、盤面をコントロールしてアルティメットバハムートでコンシードさせるデッキだ。
ドローソースが増え、カードを引く枚数が増えたため、メタカードや序盤引かなくてもOKなカードの枚数が2枚になってあるのが特徴的だ。
新カードのドラゴニュートの怪力と砕石竜は手札を捨ててドローするカードなので使わないカードを捨てることもでき、前シーズンよりも器用になっている。
筆者はこのデッキでMPを盛り切ってグラマスへと昇格したから個人的にオススメのデッキだ。
〆として
ここまでいかがだっただろうか?
この記事が読者の皆様の役に立てばと思う。
次回はプロツアーの結果を見たメタゲームレポートを書ければと思っている。