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今日、どこかの教室で #4
新型コロナウイルスで休校になった学校を舞台にした創作ストーリーを会話形式で綴っています。2000文字ほどですぐ読めます。
※完全一話完結です。この記事だけでも是非読んでください。
#3はコチラ !!
↓↓↓
休校とか、ライブ中止とか、在宅勤務とか、ついつい身の回りのことばかり考えてしまいますが、もしウイルス感染者が身近に現れたら・・・。
3月5日 XYZ小学校・保健室
生徒・羽村才太郎(12)&羽村賢二郎(10)と保健の先生・円藤真智子(34)の場合
真智子「うわっ!39度6分もあるじゃない!」
賢二郎「ゴホッゴホッ」
真智子「咳も出てるじゃない!あーどうしよう、どうしたらいいんだろう」
才太郎「病院行ったんだけど閉まってた」
真智子「あぁ、一応行ったのね。エラいエラい。でも病院は他の人に移しちゃうかもしれないからだめなの。結果オーライね」
才太郎「中島先生に電話したら、学校来たら円藤先生に面倒みてもらえるからって」
真智子「無責任な・・・」
才太郎「先生、賢二郎大丈夫かな?」
真智子「大丈夫、大丈夫、熱があっても大体の場合は風邪かインフルエンザだから、まぁインフルでもやばいけど」
才太郎「このあとどうすればいいの?先生」
真智子「そうね、病院は閉まってるからとりあえず様子見で、風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日程度続く場合 ・ 強いだるさや息苦しさがある場合は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせて」
才太郎「なんか読んでる?真智子先生」
真智子「詳しくは厚生労働省のホームページを見て、休校措置における保護者の休暇取得支援についても・・・」
才太郎「先生、もう情報がいっぱいで何がなんだか・・・」
真智子「落ち着いて、とりあえず今日は弟君預かってあげるから、お家帰って手洗いうがいして」
才太郎「帰ってもお母さん仕事行っちゃったから・・・」
真智子「そっか・・・」
才太郎「先生・・・そばにいてもらってもいい?」
真智子「・・・かわいい・・・」
才太郎「だめ・・・?」
真智子「わかったわ」
才太郎「ありがとう」
真智子「とりあえず手洗いうがいしよっか、そこの水道使っていいから」
才太郎「はぁい」
真智子「あたしは中島先生探してくるから、ちょっとの間弟君よろしくね」
才太郎「待って!」
真智子「え?」
才太郎「そばにいてくれるんじゃなかったの?」
真智子「うーん、わかったわ、また落ち着いたらね」
才太郎「やった」
賢二郎「うー」
才太郎「大丈夫?賢二郎?」
賢二郎「うん」
真智子「とりあえず眠ったら楽になるわよ」
才太郎「先生、僕怖いよ・・・」
真智子「そうね・・・」
才太郎「学校なくなってみんなに会えなくなっちゃって、お母さんも仕事休めないって怒ってて、残された賢二郎もこんなになっちゃうし・・・」
真智子「・・・」
才太郎「ぼくさみしいよ・・・」
真智子「才太郎くん・・・」
才太郎「先生」
真智子「どうした?」
才太郎「おっぱい触らせてよ」
真智子「はぁ⁉」
才太郎「さみしいよ・・・触らせてくれたら・・・落ち着く気がする」
真智子「いや、でもちょっとそれは・・・」
才太郎「触らせてくれたら、安心して帰れる」
真智子「だからって・・・」
才太郎「おねがい・・・」
真智子「ダメ、大人になって」
才太郎「え?」
真智子「自分一人でさみしさに勝つこと、それが大人になること」
才太郎「触らせてくれたら、一人で勝てる。触ったら、大人になれる」
真智子「触らないで勝つのが、大人」
才太郎「じゃあおっぱい触らないのが大人なの?」
真智子「うーん」
才太郎「大人はおっぱい触らないの?」
真智子「それはむしろ、逆かも・・・」
才太郎「じゃあいいでしょ?」
真智子「いやでも・・・」
賢二郎「お兄ちゃん、頑張って」
才太郎「シッ!」
真智子「え?」
賢二郎「カイロ・・・熱い・・・」
真智子「カイロ?もしかして」
才太郎「なんでもないです。ちょっと賢二郎の熱が」
ベリッ
真智子「これ何?」
才太郎「なんだろう・・・?」
真智子「脇にカイロ貼って、熱ごまかしてたの?」
才太郎「いや、そういうわけじゃ」
真智子「心配して損した!ダメでしょ!こんなこと」
才太郎「ごめんなさい」
真智子「あのね、苦しんでる人の真似はダメ、いつか自分に返ってくるよ!」
賢二郎「ごめんなさい」
真智子「人の親切心につけこんだいたずらはもうしない!約束して!」
才太郎「ごめんなさい」
賢二郎「ごめんなさい」
真智子「わかったらいいのよ。とりあえず健康みたいでよかった・・・」
才太郎「先生も謝ってよ」
真智子「え?私?」
才太郎「違う」
真智子「じゃあどういうこと?」
才太郎「中島先生、隠れて見てないで出てきてください」
真智子「うわっ!」
中島「あはは・・・まさかこんなことになるとは・・・」
真智子「何してるんですか⁉」
中島「いい作戦思いついたと思ったんだけど、子供がやった方がうまくいくかなと思って・・・」
真智子「いい大人が何考えてるんですか?」
中島「こんなにいい感じに進むとは思わなかったんです・・・円藤先生が察してくれてお情けで触らせてあげると思ってたんで・・・」
真智子「あたしをどんな女だと思ってるんですか⁉」
中島「すいません・・・才太郎と賢二郎も、ごめんな」
真智子「中島先生、あとでちゃんとお話ししましょう」
中島「え、それって・・・もしかして」
才太郎・賢二郎「「ズルい!」」
真智子「違います!!!!」
ー了ー
生徒たちは登校できませんが、僕は毎日投稿していくつもりです。