社会主義アレルギー
日本人のほとんどは、社会主義アレルギーといって良い。社会主義に対する強烈な拒否感を示すのだ。日本では、社会主義と聞けばスターリンによる大粛清や毛沢東による文化大革命などのイメージが先行しがちだ。確かに、それらのイメージだけで見れば明らかに典型的な独裁で、社会主義に対する拒否感をを示すのも分かる。しかし、社会主義とはそれだけではないのだ。
社会民主主義
社会民主主義は、社会主義の中で最も右派的な思想だ。自由民主主義を維持しながら、社会主義を目指す思想であり、自由民主主義を目指す以上あまり過激なことはしない。富裕層から税金を多くとり、貧困層に給付するといった税金を利用した「富の再分配」を行う。
社会民主主義というのは欧米ではかなり一般的で、イギリスの労働党やドイツの社会民主党は度々与党になっている。アメリカの民主党にも社会民主主義者は多い。
派生した思想として民主社会主義があり、こちらは二種類の解釈がある。一つ目は、民主社会主義はマルクス主義への強烈な批判を行い、社会民主主義はマルクス主義への強烈な批判を行わないという解釈だ。二つ目は、民主社会主義は社会民主主義より左派的であるという解釈だ。ヨーロッパでは前者の考えが多いが、アメリカでは後者の考えが多い。
社会自由主義や第三の道も社会民主主義から派生したと言って良いだろう。これらの思想は、福祉への増大や税金を利用した富の再分配を支持する。しかし、経済政策では自由貿易を支持するなど古典的な自由主義の面も大きい。社会主義の最右派ではなく、資本主義の最左派と言えるだろう。
社会主義を批判するのは良いが、関わらないのは危険だ。出来る限り様々な思想に触れることが重要ではないだろうか。