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River Donkの必要性とExploit

前回の記事を読んでいただいた方、ありがとうございました。

今回はALPTで行った座学会の中から3bet potのRiver DonkとExploitについて取り上げたいと思います。

RiverのDonkを採用していない方は多いかもしれません。
しかしOOP,IP限らずExploitを行うにはDonk戦略の理解は重要です。

筆者:やぶやぶ
編集:sf・ALPTメンバー


例題 A4375

CO vs BTN 3bet pot 

BTNがTurnまでCBを打ち、RiverでStraightとFlushが完成するカードが落ちたという状況です。

ここでCO側にはDonk All-inの頻度がありますが、ValueとBluffそれぞれどのようなハンドで行われているでしょうか。

少し考えてみてください。






………….









COの戦略

ここでCO側は
・Value→Flush,Straight,Set
・Bluff→ATs,A9sのTP
という構成でDonk All-inをしています。

ATsのEQ

一見すると非直感的なプレイに思えるのではないでしょうか。

しかしながらRiver時点においてATsのEQは35%しかなく、またCOのレンジにはTPより弱いハンドがありません。

COのレンジ内訳

そのためTPにも関わらずA hitをBluffに採用しています。

Donk All-niに対するBTNの反応

結果としてATsが負けているBTNのAK,AQを一部降ろすことができます。

別例

TPをBluffに変えてDonk All-inする、というプレイは他にもあります。
別例をご紹介します。

CO vs BTN 3bet pot

この場合もCOはTPであるKJs-K9sをBluffに変えてDonk All-inしています。

KJsのEQ

GTOをよく勉強しレンジの理解が無いとこれらのBluff Donk All-inは中々難しいプレイではないでしょうか。

実戦例

1000NLでの1ハンド

3bet potではありませんが、似たような状況でWakkoがTPをBluffに変えてDonk All-inをしていました。

ローステークスではあまり見られないプレイですが、Top Regにとっては当たり前のプレイなのだと思われます。

参照:The Mechanics of Poker『How To Play STREET Poker』04:15~

ノードロックで検証

OOPがRiverでDonkを一切しない場合の理論的な
・OOP側のデメリット
・IP側のExploit
を考えてみましょう。

一番最初のボードを例に簡単なノードロックを行い検証してみます。

ノードロック前:COはATs-A8sでBluff Donk All-in
COのDonk頻度を無くすと…
BTN側の戦略 左:ノードロック後 右:ノードロック前

ノードロック前はBTN側のTPのAK-AJと2pのA4s,A3sにValue Betの頻度がありましたが、COがDonkをしてこない場合はピュアCheckになりました。

例 AKsが100%Checkに

AKはDonk All-inに対してFoldとCallの混合でしたがCheckすることでEQを実現することが可能です。

結果としてBTNはCOの強いハンドに振り込むことが少なくなり、CO側は大きなpotを取るチャンスが減ってしまいます。

Bluff頻度は42%から16%に

またBluffハンド群のBet頻度も大きく下がっています。

・CO側のレンジが強くなった
・Value Betが減った分、Bluff Betも減った
(適正なValue bluff比率を維持するため)

というのが主な要因です。

COにDonk頻度が無い場合、BTN側は

・Value Betの下限を高くする
・Bluff Betを減らす

というExploitができることが分かりました。

実戦での考え方:OOP側

仮にRiverでDonkを一切しない場合、前述のようにIP側にExploitされ、下図の様にOOPのEV lossは大きくなってしまいます。

左:Donk無し 右:Donk有り COのEVは3.6下がる

RiverでDonkを一切しない場合、相手にRiverでのExploitの余地を与えてしまうだけでなく、

Turnで

・XCするドローハンドのEVが下がる
…RiverでBluff DonkするEVも含まれているため

・XCするナッツ級ハンドのCall EVが低くなる
…RiverでValueが取れないため

といったデメリットも生まれてしまいます。

特にpotが大きい3bet potではDonk戦略は必須のプレイです。

実戦での考え方:IP側

実戦的にはOOPのDonk All-inが過少かつValue過多・Bluff過少であると考えられます。

RiverのDonkレンジが均衡より強くCheckレンジが弱いためIP側はRiverで

1.Donkに対してOverfoldする
2.Valueの下限を低くする
3.Bluffを増やす

といったExploitができます。

先ほどノードロックした結果とは真逆の結論です。

均衡との乖離を考えアジャストしていきましょう。

応用編:TurnでのExploit

OOPがRiverでDonk過少な場合、IP側はTurnのBet頻度を上げることでもExploitできます。

これは、OOPにDonk過少というリークがあるnodeに進むことがIPにとって利益的となるからです。

Riverでは上述の通りCheck Backを増やすことでEQRを高めることもできます。
(ただしOOPがTurnでXRを増やすなどのカウンターをしてこない場合)

例 AQ-ATなどのBet頻度を上げる

このようにマルチストリートでのExploitを考えられればポーカーのレベルが格段に上がります。

最後に

3bet potのOOPのDonk BetとExploitについて紹介してまいりました。

RiverのOOPのレンジにトラッシュは少ないため、TPなどをBluffに変えてDonkするというプレイが見受けられます。

仮にDonkを一切しないとOOP側は、IP側にExploitの余地を与えてしまいます。

IP側はOOPのDonkやBluff過少を積極的にExploitしていきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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