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犬育ても子育ても…②
犬の躾もメリハリが必要で、悪い事をしたり粗相した時などキャーキャーこちらが騒いでしまったら、それは遊んでもらっていると勘違いするようです。
特に女性の声は高いので大騒ぎすると叱られていると思われません。その代わり褒める時は思い切り高いトーンで間髪入れずに褒めます。
叱る時も現行犯。 これも子どもと一緒ですね。
よく後で父親にじっくり叱ってもらうなんて人がいましたが、小さい頃の悪さはその場ですぐ叱らなければ意味がありませんし、何で叱られているかもわかりません。
ただ人前で怒鳴り散らしたり手を上げたりするのは逆効果だと思います。
基本動物も人も躾は一緒。
愛情を持って接すれば自然と身に付いていくような気がします。ただ犬はオオカミの縦社会の名残でその家族で順位をつけるようですから、大抵その家の一番小さな子を自分より下に位置付けます。
つまり家なら「父 母 長男 犬 次男」という具合に。
そんなことのないように、犬が一番下と思わせる為に外へ出る順番も長男 次男 犬の順に門を出て散歩に行きました。
些細なことですが何かにつけてお兄ちゃん2人が先、そうすると犬は三男になります。次男の言うこともよく聞きました。不思議なものでした。
もちろん犬より後に生まれた赤ちゃんを犬が弟のように可愛がるというのはあるかもしれませんね。
家は次男の喘息のため外犬だったのでその時点で犬という自覚が早くからありました。
家の中で飼う犬は飼主も犬もあまり動物だという意識がなかったりするように見えます。
小型犬は危害を加えることも少ないと思いますが、大型犬はよりきちんと躾けないと外で暴れたら大変です。
嬉しくて飛びかかって子どもを倒したりしたら大変ですから。
いざ外に出ると大型犬より小型犬の方が唸り声をあげて怖かったりする時もありましたが、きっとそれは大型犬が大きくて怖く見えるからなのでしょうね。
大型犬で大変なのは老犬になった時の介護の時でした。
ほとんど動けない状態になった時、私の力ではとても抱き上げることもできず床ずれが出来たりオムツ交換の時に持ち上げるのがやっとでした。
それ以前も散歩の途中で動けなくなってしまうと上半身だけを抱え込むようにしてほぼ引きずり状態で運んだ時もありました。カートも手作りしましたがなかなか上手く固定できませんでした。
最後は私の手からしかエサを食べなかったので人に頼むこともできずつきっきりになりました。
側を離れようとすると
〈もう行っちゃうの?〉とばかり
首だけを持ち上げて振り返りました。
動けなくなってから動物病院の先生を車で迎えに行って何度も点滴や注射をしてもらいました。
犬は認知症になると遠吠えのような声で泣き叫んだりします。狭いところに入ると後ずさりできず、そのまま動けなくなったりもしました。
夜中に泣かれるとさすがに気を遣いました。
幸い近所は犬を飼っていた方ばかりで介護も経験済みだったので、「大変ね、気にしなくて良いから見てあげてね」と言ってくれました。
ひどくなってからは3ヶ月くらいは本当に迷惑をかけたと思いますがその言葉は有難かったです。
人間も犬もそうですが、日々良くなっていかない介護は本当に辛いものです。
でももうすぐ14歳だった彼は大型犬なので人間年齢だと93歳。大往生かなと思いました。
彼が亡くなったその日不思議なことがありました。
動物葬儀場から帰ると、近所のノラ猫ちゃん達が一斉に集まってきて家の前の塀に整列していたのです。彼らは時々エサのおこぼれを食べていて家の犬を恐がっておらず、すぐ近くにいても追い払われることがなかったのです。
たぶん目も鼻も悪くなっていたので気がつかなかっただけかもしれませんが。
ただ6匹も集まってきたのは初めてでびっくりしました。しかもちょこんと座って私が後片付けをしているのをじっと見ていました。
お弔いに来てくれたのですね。
そう言えば父が亡くなった時も父が可愛がっていた近所のノラ猫親子が見送ってくれました。
その時もきちんと座って並んで車を見送っていました。
猫ってそういうのわかるのですね。
葬儀場で飼われている猫ちゃん達も狭い道で迷っていたらナント案内してくれたのです。ついて来いとばかりに先を歩いてくれました。
今は動物を飼っていませんが、相変わらずノラ猫ちゃん達はたまに訪ねてきて、犬小屋のあったデッキで昼寝をしています。
餌もあげていないのでどこでどうして暮らしているのかわかりませんが、赤ちゃんが産まれると見せに来てくれます。
網戸ごしに