メモ:金利と為替と物価
1.為替と金利と物価
基本的に金利と物価と為替は以下の関係にある。
①物価↑⇒金利↑(物価上がる→消費・生産上がる→金利上がる)
②金利↑⇒通貨↑(ドルを円に変えて日本に投資したい→円高(ドル安)になる)
③通貨↑⇔物価↓(円高→輸入品が安く買える→物価下がる、物価が下がる⇔今まで100円でハンバーガー1つ買えてたのが2つ買える、米では変わらず1個買えるなら100円/$が50円/$、すなわち円高になるということ)
つまり
物価↑⇒金利↑⇒通貨↑⇔物価↓⇒金利↓⇒通貨↓・・・
となる
①:物価が上がる要因としては、1.原材料や輸入品高によるコストプッシュと2.景気がよくなることによるデマンドプルがある。なおフィッシャー方程式(名目金利=インフレ期待+実質金利)により表される。
2.物価の現状
AD-AS分析によると、インフレにはコストプッシュ型とデマンドプル型があり、原材料価格上昇によりもたらされる前者が「悪いインフレ」、好景気による後者が「良いインフレ」とされており、基本的にゆるいデマンドプルインフレが望ましいとされている。現状はどうなっているか。TradingEconomicsでコアインフレ率(YoY)を見てみる。
・米国はコロナショックで一時的に低下したがその後インフレ率安定。今後バイデン政権の財政政策によりインフレを招くのでは?という懸念により現在米国金利が上昇し株価市場が混乱している(後述)
・日本は直近デフレ傾向が強い。ロイターによるとコロナが一段落し巣ごもり消費熱の弱まり・所得の低迷が原因で、ユニクロ値下げはそれを象徴していると。ただ将来どうなるかはわからない
・中国は直近デフレだが、いつもは大騒ぎの春節で自粛を余儀なくされたためだそう。
3.金利の現状
楽天証券のチャートで、10年国債金利の変動を見てみる。
日米欧ともに直近金利が上昇傾向にある。
金利と物価の関係を表す式としてフィッシャー方程式
名目金利=インフレ期待+実質金利
がある。現状はまだ物価上昇トレンドにあるとは言い難いものの、コロナ後の世界を見据えて、またバイデン政権の大規模財政政策を踏まえた将来的なインフレ期待に、債権投資家が過度に反応したために、名目金利が上昇していると考えられているが、長期チャートを見る限りメチャクチャ高いというわけでもない。
<長期・短期>
4.為替の現状
3月半ばのコロナショックにより、株式はおろか国債・金すら一時的に売られ全て安定資産に変換されたが、その後の金融緩和により株式やビットコインに資産が流れていった。各通貨の相対的な指数はどのように推移したのか。
マタフで主要通貨の相対的な強さを週足、日足で見ると以下の通り。
◯コロナショックで一旦上がったもの…¥、$、€、RMB
その後円と$は低下傾向。直近ドル円が上がってるが、円が下がっているためであり、ドルがメチャクチャ上がっているというわけではない
ドル円が上がっているのは、日本の金利が低く、直近米金利が上昇したことから日米金利差が上昇し、ドル円がつられて上がっていったため
◯コロナショックで一旦下がったもの…£、CAD、AUD、NZD
その後AUD,NZDは上昇トレンド、£,CADはしばらく横から直近上昇
<長期→短期>
5.まとめ
・物価と金利と為替には連関性がある
・物価はアフターコロナ・経済政策を勘案すると上がる…のでは?と思われるがわからない
・直近の米国の金利上昇は、実質金利上昇よりもインフレ期待上昇のため。しかしバイデン政策によりインフレが本当に起こるのか?で言えばまだ不明。しかし債権市場は反応し株式市場は一時的な混乱発生。
・為替は米国の金利上昇を受けドル円が上昇、しかしドル高というよりは円安によるもので、ドルよりAUDやNZDのが高い