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US REIT ETFの中には何が入っている?

1.金利上昇→REITも調整?

直近米国債金利上昇で株のみならずリートまで一時的に調整局面か?と思われたがその後直近回復基調にあるようだ。
代表的な日本のREIT ETFのNF J-REIT(1343)の直近チャートは以下の通り。

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不動産の価格は、純収益をキャップレート(投資家からみた不動産に対して想定している期待利回り)を割り戻して算出されるが、そのキャップレートは

リスクフリーレート
(ノーリスク資産の金利で、実務的には国債利回り) 
+ 
リスクプレミアム
(投資家が見積もるアセットのリスク。例えば丸の内オフィスが最も低く、地方に行けば行くほど、ホテル等アセットのオペレーショナル色が強くなればなるほど、高くなる)

で算出されるため、国債利回りが上がることはキャップレートの上昇要因、すなわち不動産価格の低下を意味するため、基本的に金利と不動産価格は逆の動きをする。

2.日本REITの中身は?

さて、筆者も指数連動型のREIT ETFに投資をしており、日本の場合は東証REIT指数に連動するETFとなる。

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これが東証リート指数の構成銘柄で、NBF(8921)、JRE(8952)が大きな割合を占める。
いずれもオフィスリートであり、今後オフィスは調整局面になると見込まれていることから、日本プロロジス(3283)、GLP(3281)といったロジスティクスリートがすでにコロナ前水準を超えていても、東証リート指数がコロナ前水準を回復していないのは、オフィスリートの構成割合が大きいことが一因であると思われる。

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※ARES 不動産証券化ジャーナルVol.59より抜粋

3.米国REITの状況

最近は筆者にグローバル不動産への関心もあり、たまに米国REITへの投資もしているが…米国REIT ETFの構成銘柄について特に何も考えずに投資してしまっていたので、ここで「米国REIT ETFの中には何が入っている?」をまとめて見ようと思う。

まず米国のREIT指数はいくつかあるが、ここではそのうち代表的な指数「FTSE NAREIT Equity REITs」を見てみる。以下はNA REIT指数への連動ETF「iシェアーズ・コア米国REIT ETF(USRT)」のチャートだ。

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なお以下は米国REIT指数のセクター別の推移である。


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※ARES 不動産証券化ジャーナルVol.59より抜粋

日本が未だに2019年末を100とした場合、現在80程度までしか回復していないのに対し、米国はほぼ2019末の水準となっており、日本よりも回復速度が早い。ワクチン接種速度も考えられるが、その要因はアセットのポートフォリオ割合にあるかもしれない。

4.米国REITに何が入っている?

以下は「FTSE NAREIT Equity REITs」に連動するETF、iシェアーズ・コア米国REIT ETF(USRT)の主要構成銘柄とその割合である。

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一番多い構成銘柄がプロロジスなんだ…ってちょっと驚いた(んなことも知らずに投資してたのかという話だが笑)。

なおS&P500のツリーマップのREAL ESTATEセクター(右下)を見ると、REITのうちSpecialty(特殊用途)がS&Pのポートフォリオ割合としては一番多い。
レジやオフィスより、インダス(ロジとか)や特殊用途(データセンターとかインフラ)が多いというのは、「メジャーアセット=オフィス」が刷り込まれたジャパンドメスティック不動産脳としてはちょっと驚いた。

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さて主なものを見ていく。
プロロジス(PLD)
GLP、Mapletree等に並び有名なグローバル物流ファンド。日本法人もあり、物流J-REIT「日本プロロジスリート」は、日本で最も大きいロジスティクスREITである。
エクイニクス(EQIX)
有名なグローバルに展開するデータセンター企業で、アマゾンやグーグルもインフラとして使っているデータセンターだ。日本にもエクイニクスのデータセンターがいくつかある。
デジタルリアルティ(DLR)
EQIXに並び有名なデータセンター企業。日本でも、三菱商事との合弁企業「MCデジタル・リアルティ株式会社」が、日本のデータセンター銀座こと印西に土地を買うニュースがあった。
サイモンプロパティーズ(SPG)
(Bloomberg抜粋)サイモン・プロパティー・グループ(Simon Property Group, Inc.)は自社管理型不動産投資信託(REIT)リテール物件のほか、地方のショッピングセンター、アウトレットセンター、コミュニティーセンター、国際的不動産物件などを所有、開発、管理する。米国インディアナ州で事業を展開。
パブリックストレージ(PSA)
(Bloomberg抜粋)パブリック・ストレージ(Public Storage)は不動産投資信託会社。主な事業は、米国でのセルフサービス倉庫施設の買収、開発、所有、運営。欧州でもセルフサービス倉庫施設への出資、運営を手掛ける。

5.まとめ

思った以上に米国のリートはインダス・データセンターがメジャーであるということを知り驚いた。米国REITがJ-REITよりも回復速度が早いのは、ロジ・インフラ割合が多いことが影響しているのかもしれない。

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