ヘンプリ感想雑書き① 総評編(実質グランドルート編)
太田部筆頭ルートアペンドまだですか?
初めまして、こんにちは。この記事ではアダルトPCゲームブランド『Qruppo』様より発売しているアダルトPCゲーム『ヘンタイ・プリズン』のプレイ感想を書き連ねております。
note初使用の上、取り止めもない感想を書き殴ったものですので、お目汚しになるかと存じますが、どうかご容赦のほどをよろしくお願いします。
よろしくお願い『致します』に直しなさい(水城所長並の感想)
さて、Qruppo様は同人サークルはとのす式製作所が発展する形で設立されたゲーム企業であり、処女作の「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」通称「ぬきたし」、及び続編の「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?2」を代表作としております。今回紹介する「ヘンタイ・プリズン」通称「ヘンプリ」はQruppo様の記念すべき三作品目となるアダルトPCゲームであり、異常性癖を持つ性犯罪者を収容するチューリッププリズンを舞台に、露出狂の少年性犯罪者を主人公とした濃密なドラマが繰り広げられる露出狂のプリズン脱獄ADVです。
今の解説でツッコミどころを3つ以上発見したあなたは脳みそが正常です。
エロゲー、というものをあまりプレイしない著者ですが、唯一Qruppo様のゲーム製品は全て購入させていただいており、その全てにおいて高いクオリティと深い満足度を得ています。ぬきたし1&2、そしてこのヘンプリの『面白さ』は、エロゲーというものに親しみがない私ですら夢中にさせてくれました。
トートロジーみてえな感想だな?
本題に入ります。最初、このゲームに抱いた感情は「暗い」でした。「ぬきたし」は南の島を舞台とし、背景にはいっぱいの青空、トロピカルで開放的な空間がいっぱい。各ヒロインの髪色もピンク、黄色、青、白というふうに(目に悪いくらい)色彩豊かでした。ですがこのヘンプリは、舞台は無彩色ばっかの監獄島、空は常に曇天、殺風景な場所ばっかりです。ヒロインの髪色も黒、赤、深緑といった具合で、ぬきたしとは対照的でした。当時ぬきたし2をプレイし終え、ぬきたしシリーズのようなバカギャグを挟みまくった笑えるエロゲー(この言葉だけで総評できるわけではありませんが…)を期待していた私は、この暗くて彩色が抑えられたヘンプリのビジュアルに一抹の不安を覚えていました。視覚というのは人間が認識する情報の中で最も重要と言っても過言ではありません。言うまでもなく顔がいい方が世の中はモテます。世の中の就職面接のアドバイスで口酸っぱく言われている『第一印象』とは、すなわち『ぱっと見』とイコールであります。そのくらい目に写る情報は重要なのです。ではヘンプリは当時の私の懸念通りの『暗い』で片付けられる作品だったのでしょうか?
答えは『否』です。
露出というアイデンティティに半生を秘める主人公、鬱屈とした物を秘めたキャラクター達。彼らが織りなす個性豊かなギャグコメディ。陰謀暗躍のシナリオと交互で現れる淫棒アン♡イくの下ネタギャグ。ぬきたしで評価されたシナリオ構成とアツい展開は、ビジュアルから想起させる暗さを吹っ飛ばして有り余るのです。あまりの面白さに、作中の舞台の刑務所に入りたい、とさえ思ってしまうほどでした。
しかも、しかもです。暗さは暗さでしっかりと活かされており、各キャラの胸抉るような壮絶な人生やそれを存分に描写されるドラマは、ただただ必見としか言いようがありません。特に、絶望や閉塞感、その中から抜け出したいという渇望に溢れる主人公の姿は、刑務所という舞台を最大限に活かしたものでありましょう。作風として、明るさと暗さがしっかり両立しており、暗い方が多め。日本人(主に私)が大好きな味付けです。
醤油と砂糖みたいな?
さて、出来うる限りネタバレを避けて書き並べましたが、これ以上の内容を話すにはどうしてもネタバレが不可避であります。未プレイ、もしくは全ルートを踏破していない方はこれ以上この文を見ることをお勧めできかねます。
こっから先はネタバレですよ?
いいですか?
いいですね?
判決、ヘンプリロスという名の懲役刑です。
やかましいわ。
いやっ、ほんとマジで…っよかった。もうどのルートにも好きな場面が数えきれんほどあってね、脳みそが順位付けを拒否しています。でもやっぱグランドの威力がハンパないよぉおおおおおお〜〜〜〜〜
水城所長の掌返しと脱獄ルートバレの絶望感とかさあ、柊一郎が自己犠牲の果てに更生不能房最下層に落とされた際の独白とかさあ、樋口先生に抱きしめられた時の…そうそう樋口先生の過去もやべえんだよ!いやこの作品に出てくるキャラほぼ全員背景が悲しいんだよ!そりゃ、刑務所の関係者なんだから光ある場所だけ通ってた人生なわけないけどさァ!!この辛い人生のオンパレードは!!!ヤバいって!!!!ヤバいって!!!!!!
どこまで話したっけ?
そうそう処刑前の柊一郎が己の中の本当の欲望、渇望に気付くシーンとかさあ。泣いた。ええ泣きましたよ。胸がいっぱいになって。今気付いたんだけどね?人の迷惑顧みないで露出していたガキが、新しく見つけた人生をかけて作りたいブツを仲間に託して、自らを苦しんで死ぬ結末に放り込むって。プリズンの中で色々な人に出会ってその人たちを掛け替えのないものと認識できるように成長したととれるし、アマツくんのために露出していたという他者を愛する気持ちという本質が昇華された結果ともとれるし、どこまでもエゴイスティックに自己完結しちゃう愚かさともとれるし。でもプレイした時には感情移入が半端なくて、泣くしか…
えーと、脱線したな?
んで?絞首刑を粛々と受けるんだよ。地下で徹底的に追い詰められたボロボロの姿で。差し出されたお菓子も食わねえし遺書遺言ろくすっぽ出さねえし。これは諦めじゃないんだ、仲間に託してやり遂げたから、地下で自分と向き合いきったから、もう思い残すことは何にもないんだ。暗闇の中に一筋の希望を灯し、未来を切り開いたあと、その希望と未来のために殉じるという覚悟なんだ。
だけど、だけど!小沢ァ!お前ぇえええええええ…やっぱりヒロインじゃないのか?小沢だけじゃない、プリズンのみんなが柊一郎の脱獄に手を貸してくれる。花丸凛も、あのクソ森ですらも!!!!!!!!!!!!夕顔刑務官が手引きをし、個性豊かな囚人たちが!彼らを取り締まるはずの看守たちが!腕っ節に身を任せて太田部筆頭率いる特別警備隊が!警棒ぶん回してソフりんが!洗脳ぶん回してシスタージュリアが(素直に喜べない)!
伊栖未の残した発破トロッコが!
妙花が伝授した華山心眼流の特訓が!
ノアお得意のドローンが!
外へ、自由へ、脱獄へ、柊一郎を押してくれる…
この時の私は溢れる喜びと嬉しみと柊一郎に生きて欲しいという思いで「いけっ…いけぇっ…」と掠れる声で応援し続けていました。(サキュバス系催眠音声か?)
そして天高く聳えるボタ山を悴む手で登る中、ついに最後の助っ人がマンを辞して現れるのです。アマツくん。自分の中のもう一人の自分、他者を求めた柊一郎の中に現れた最初の友人。孤独であるが故に他者を求めた柊一郎の深層心理から生まれた存在であるアマツくんは、たくさんの他人に支えられ孤独でなくなった柊一郎の精神から、消えゆく運命にありました。彼の最期の温もりが活力を与え、ついにボタ山を上りきり、プリズンの外へ到達する柊一郎。生まれたままの姿で叫ぶのは、脱獄を果たした歓喜の勝鬨か?友を失った悲しみの慟哭か?
プリズンの外から彼を連れ出すために現れた船は…ああ!!ああああああああああああああ!!!ああああああっ!!!ああああああああ!!!!あああああああああああああああああああああああッッッ!!!!?!?!??!AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
淳之介!アサちゃん!ヒナミ!奈々瀬!美岬!ふっ…
文乃ォぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!
前作からの助っ人が、青藍島からの使者が、ヘンタイ達の理想郷、柊一郎が作中何度も恋焦がれた青藍島へ誘い…そして愛する三人の仲間たちが!
彼らがゲーム制作中に作ったチーム名、「LALE」の名を与えられた会社ビルで、彼を、出迎えたのでした…自由を、仲間を、愛を、友を、刑務所という地獄の中で培い育み、そして手に入れ…グランドルートが幕を閉じるのです。
これ書いてる途中でまた泣いちゃった…!(ワァ…!)
グランドルートのアフターはアホみたいな乱交シーンの連発でたまげました。ハーレム性癖とか、他人を求める欲求を自覚した結果の拗らせか柊一郎?いやまああんな目にあったから許すが…。
あまりに倫理を無視したプレイの数々に、まさかラーレ社屋で甲斐甲斐しくまかない料理を提供してくれる小沢にまでちんぽをぶち込むのかと戦々恐々としてたわ。
あとヒロイン三人とやりまくってんのに4PシーンのHシーンがないのはどういうことだッ!業界をナメているんじゃないのかッ(エロデューサー並感)みたいな感じで気を抜いて(ちんぽは抜いてません。エロゲーでは抜かないタイプなんです)たら、突然釘谷さんの過去回想が始まったんすよ。
釘谷さんが黒幕の副官ポジションっていうのはグランドルートの終盤で意識的に描写されてたから、あんなに頼りになった男が敵になった恐怖と、そんな人でも人間的な弱さを持っていた…さらに言えば水城所長のかつての生徒という柊一郎のIF、さらにはそれらの過去を振り切って柊一郎の脱獄を助けてくれる姿を見せつけられて、感情がわやになっちゃったねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!ってところで、さらに過去回想でほりうちけんy松濤エルサさんのバツギュンな演技から繰り出される、それこそ離れたくないとすら思った生活から急に放り出された混乱と、変わり果てた世の中に対する隔絶感に直面した老いた男の姿がやばいんすよ。
さらに、プレイヤー及び柊一郎が釘谷さんへ向けていたような憧れや熱意を含めた尊敬の念を、釘谷さんからも向けられていたことがわかるんです。
尊敬している相手から尊敬されていたことを知った時の脳内麻薬分泌度は異常。我妻元看守長の実家は直ちに研究すべき。
そこからの故郷への帰還、我らが全裸マンとの再会、懐かしきプリズン流挨拶のくだり、そして屈託のない釘谷さんの笑顔での〆!真ヒロインか?そしてこんな胸にくる終わり方をされたら、こちらとしてはたまったものじゃない。すっかり脳みそが破壊されてしまいましたよ。ロスが…ロスが…ッ。はやく続きをくれ…新作…新作をくれ…供給を…。
この依存性はドラッグみたいじゃないか。このままじゃ九州ヤクザの総締めが危険薬物製造の疑いでムショ送りになっちまうよ。
これがグランドルート最終盤の感想ってマジ?濃密すぎるだろ…。
そんなこんなで書ききれねえっす。まじで!いくつかに感想を分けないとアカンことになります。見ての通り一つのエピソードから順々に語ると他のルートやエピソードの話に脱線していくので、話が全く纏まりません。ヘンプリはそのくらい濃く、面白いゲームでした。10000どころか100000、いや19190721円分の体験をさせてくれたかも。最近スパイダーマンノーウェイホームを見た私ですが、胸を張って「同格だ」と言えます。無論「両方素晴らしかった」という意味です。
コロナ再流行だとかウクライナ問題だとか、いつも通り非常に鬱屈とした世の中ですが、こんな風に心を揺さぶるサブカルチャーがあるからやめられません。生きててよかった。
そう思わせてくれるゲームでした。ありがとうヘンタイ・プリズン。ありがとうQruppo。
さて、あといくつか…各ルートの感想やキャラの好きポイントの記事も投稿していきたいなと思います。もし機会があったら、読んでいただけたら幸いです。そして、ヘンプリの好きなところを共有できたらもっと幸いです。
というわけで、ここまで読了してくださり、ありがとうございました。あなたに良い娑婆ライフがありますように。