2024J1第18節京都vs札幌の感想
3分の間にミス誘発コミで2点取られて、特段怖くもない攻撃に終始し、最下位直接対決を淡々と負けた。
これが札幌の偽らざる現在地。
本当に、心底弱いチームだなぁと思いました。辛い。
攻撃においてはこれまでの試合よりも「鈴木武蔵の存在感」を活かそうという腹が見えた感じで、それは良かったと思います。実際にボールを集められた(というか、行先に雑に蹴られた)鈴木武蔵選手個人も無茶気味なボール保持と進出から無理やりコーナーを獲得したり、いつも相手DFを2人ひきつけていたりと、十分自軍に優位を齎すプレーが出来ていたように見えました。
また、中村桐耶や岡村と言った面々から対角(近藤とか田中ヒロ)にロングを蹴り、浮いたサイドから仕掛けさせる。という狙いも良く出来ていたように思います。その辺はようやっとる。こればっかりやってればいい。
しかし、十分相手が嫌がってくれてたそれらの「鈴木武蔵に裏を狙わせて紛れを起こさせる」「DFから逆サイドに蹴ってサイド1on1をしかけてクロスを入れる」と言った手法を継続する事は何故かせず、チャンスぽいボール保持で「何故か後ろ向き(しかも深く)ボールを落とす小林」というブレーキも幾度となくあり、徐々に開始時のテンションが失われていきます。大変に良くない。
と思ってたら、どうでもいい自軍右サイドからのボールロスト (繋ぐ際のパスミスで相手に渡した)から相手にボールを持たれ、何故か「次はそこにボールが出るだろ」というサイドの選手(戦前から「最近の京都戦、こいつにやられてばっかりだな」でおなじみの札幌ユース出身福田心之助)のマークを左サイドの選手が抜いてしまい、当然そっちにパスが出て、マークも間に合わずクロスを上げられ、GKとDFの間を抜けたボールに対角から突っ込んで来た京都マンが合わせて当然の失点。
それまで攻撃においては前に蹴る、空いたサイドを使う、という比較的オープンでシュアな戦い方を選択していたように見えたのですが、失点前あたりから何故か急に窮屈な中でつなごうとするなど試合を通じた「今日はこれでいくぞ!」みたいな意識の統一がありません。全部アドリブなんですかね?
失点後の後ろ回しでは菅野、岡村、馬場に対して京都が3トップ気味に人をつけてきて、菅野から馬場に渡ろうというところで「馬場に渡った後の選択を潰す」走り込み方をしてきた松田天馬の思惑にドンピシャで引っかかってしまった馬場がトラップ及びボール処理をミス(これは正直あの間隔まで相手が来ているのに馬場にパスした菅野の責任も半分ぐらいあるとは思う)。これによりペナ内のどうしようもない場所でボールを失い、当然の結果としてスパコンと決められ3分間で2失点。ほぼほぼゲームが決まってしまいました。
その後、後半は西野に替えて長谷川、小林に替えて田中克、田中宏に替えて原、荒野に替えて家泉と、最終的には岡村大作戦まで繰り出す札幌なりのヤケクソ気味な執念采配を繰り出しますが、あとは引いて守るだけになった京都の壁を崩す事も出来ず、キッチリと敗戦。
VARによる取り消しで0‐3が0‐2になるなどラッキーな面もあった試合ではありましたが(※札幌のCKは何回もGK判定されたりはしましたが、CKの得点期待値がそもそも低いので、そんなもんは大勢に影響がなかったのでは?という自虐)、終わってみれば
「特段惜しくも何ともなく、リーグ戦で一番順位が近い相手にナチュラルに完敗する」
を繰り出してしまったのでした。順位は実力の帰着である。という奴。
ようやっとる人や攻撃手法が全く無いわけでもなかったのですが、札幌というチームの総体として有効な攻撃手法を繰り返す事はせず(再現性のある攻撃の不徹底)、別にリスクを冒してまでやるべきでない自陣深い場所での繋ぎ(リスク判断が全員狂っていて修正されない)に拘泥し、相手としては「仮に札幌に攻められたとしても、しばらく我慢してれば勝手に嫌な攻撃をやめてくれるし、あとは札幌が勝手に壊れるのを期待してプレッシャーをかけ続ければいいだけで、実際それで勝手に壊れた」ので余裕を持って勝利した。という感じの試合だったんじゃないでしょうか。つれぇ。
「ドラマチックでも何でもない、平常運行の負け試合」という意味では、4バックで入ってうだうだして自分で試合を壊した東京V戦よりも、絶望感としては凄い(なんていうか、ただ単に弱い。というのが浮き彫りになった)なぁという印象でした。怪我人がでなかったのが唯一良かった事かなって書こうとしたけど、試合前の発表で天皇杯でゴニが、タイ代表でスパチョークがハムストリングの肉離れを発症したのが明らかになり、彼らもまた8月9月の合流になります。(肉離れを最初にしてる浅野、青木あたりが合流してくるのは7月半ばだと思いますので地獄はまだまだ深く強く続くんじゃ)
何をやっても何を言っても、今の現場では「選手もコーチも監督も変わらないし変えない」のが社長GM(なんだそれ)により保証されており、この体制が続く事は確定しているので、であれば何も良くならないものと思われますし、これを現場が望んでいて、社長GMはその意を酌んだって事ですんで、この状況は現場としては別にこれでいいや。という事だと見做すしかありませんね。いや、凄いなコレ。ファンの苦しみは「まぁわかりますけど、チームがね、これを望んでるので我慢してくれ」って事だもんな……w
(こうなる要因である戦力の無条件放出方針が都度社長GMにより決裁されている事を思えば、「全ての責任は決裁者にある」というのは自明です:むろんそこを挿げ替えて、競技としてのサッカーの強度が即座に良くなる事は無い。というのもまた地獄の深みを増している)
こうなると(どうなってんだよ)頼みの綱は僕らのヒロキマン(※宮澤裕樹選手:紛う事無き聖人。君はヒロキマンの右サイドを見たか……:確か昔1試合ぐらいやらされてなかったっけ?)なんですが、ヒロキマンはヒロキマンで札幌の風土病(?)肉離れをやはりヒラメ筋に発症しており、この「関わる誰もの精神を侵している地獄」は前述の通り(とっくに窒息して久しいんだけども)進行していくんだろうなぁと思う次第です。誰か助けて……
(昔の施政者であれば大仏でも建立するんだろうなと思うので、みんな真駒内霊園の頭大仏にでも祈っていこう!)
あと、書き忘れてたんですが、「単につまらない試合」でした。
ホントに面白くなかったんですよね。惜しくもなければ面白くもない。
結果がアレなので、試合後の絶望感は必然的に出てますけど、なんか、絶望する程やってたかって言われたら、そうでもなく……
やってる選手には申し訳ないけど、最近の西武(地獄ぞ?)とタメ張るぐらいには試合がつまらなかった。単純に蹴ってるからつまらないとかそういう事でなく、なんか急に「有効な攻めをやめて面白くもなんともないどうでもいい回しを始める感じ」とか、それは何の意味があってやってるんだ?とか、人も動かないので全ッ然見ててワクワクしない感じとか、なんていうか、つまらなかった……です。ごめん。
あの、せめて面白い試合してくださいってのは望んだらダメですか?
面白いの鈴木武蔵の特攻と近藤田中ヒロのクロスだけでしたよ……
試合終盤に長谷川がドリブルキープしてる時、他の9人が全く動かず見物してたの何かのギャグかって思いましたが、面白くなるように頑張って欲しいなぁと思う次第です。ちゃんとやれ~!って言ってもちゃんとやるのをやめちゃうのが今の札幌なので、ちったぁ面白い事しろ~!を主張したい。
いや、辛い試合でした。
選手短評だ!
菅野:失点は2つともGKとしてはノーチャンス。2失点目の起点になってしまったのが大変惜しかったです。それ以外にも「普段の相手よりもより近接の距離を保つチョウキジェ感溢れる京都FW達」に手を焼き、変な判断(ボールを捨てず危ない感じなる)をしてピンチになっていました。そういう意味では相手に負かされた試合でした。
西野:特段目立つプレーはなく、と言って滅茶苦茶やられてた訳でもないと思うので、こういう展開でさえなければ90分見れたのかしらとは思いました。無念。
岡村:試合においては普通にやれてたし、やられたところはクロスで自分ではどうにもならんところを通されてたし、2失点目は例の繋ぎミスからなので無関係。最後は大作戦な使い方をされていましたがそれでどうにかなる時間は残されていませんでした。無念。
中村:左で持って、少し上がって相手が警戒下がり&少し左よりしたところで右のワイドの近藤に通す。をずっとやってりゃもっと紛れは起こったと思いますが、なんかそれをやらなくなる辺りが今のチームのダメなところなのかなぁと思います(サッカーは相手が嫌がるプレーをし続けて音を上げさせる競技…)中村選手個人はよくやってたと思います。
近藤:右のワイドから何回も抉って、鈴木武蔵選手と並んで相手をビビらせてた存在。信じて抉り続けさせるのが一番いいと思います。
馬場:松田天馬のいやらしいアプローチ&菅野からの無理筋パスに思わずトラップとコントロールをミス。可哀想な感じでした。
荒野:普通に試合をこなしていました。どっかでイエロー出たように見えたけどアレは近藤だったか。田中カツが入ると俄然どっちがどっちか分からない事が改めて浮き彫りになる。
田中ヒロ:左から切り返し必須とは言えよくいやらしいクロスを上げていました。とてもよかったです。右で抜くのも見たいけど、切り返しが必須とはいえクロスの質は高い(相手が嫌がりそうな弾道)ので、右の近藤の良さを考えれば左での運用がメインになるとは思います。左でもあげられたらいいですね。
小林:この日は攻撃のブレーキ役をやってしまっていたという印象。邪推すると、同じことばっかやってると相手だって慣れてくるから一旦目先を変えようみたいなところだと思うのですが、周りの選手はそこそこ当惑してやり直す羽目になっていたように思います。ちょっとこの辺の感覚があってないし、シチュエーションに負けない心は強いのですが、欲しい結果に繋がらないのが辛い所。
駒井:目立たなくなって久しく、実は駒井のワンツーやドリブルでの相手ライン切り裂きが有効だと思ってる僕にとっては少し寂しい。
鈴木:今シーズン一番良かったと思います。現状、鈴木に蹴る、何とかキープ或いは無理やり進出する、周りも上がる、サイドに展開してクロス上げて…が最善手だと思いますのでチーム全体が統一出来るといいんですけどねぇ感。動きとかはホントに良かったと思います。でもチームが急に武蔵に蹴るのをやめて自滅したのでそういう意味では犠牲者。
児玉:出番なし
家泉:大作戦に出た岡村のお留守番
髙尾:出番なし
長谷川:あわやレッドの小競り合い(京都宮本に首元掴まれて離さない事に怒って叩き気味に振りほどいた)も喧嘩両成敗イエロー。危なかった。
原:なかなかボールを貰えず目立たず終了
田中カツ:ある程度の時間は貰っていたが、特にここからいい攻撃が出るでもなく、ちょっと不完全燃焼感。荒野に寄っている姿勢にますます磨きがかかり、画面上ではキャプテンマークの有無しか区別がつかない。頼むから髪色かスパイクの色を分けてくれw
出間:出番なし。正直余すぐらいなら試合に出してカオスを起こす要因として欲しかったがベンチ判断的にはそうではなかったようです。
次節以降
今節の負けにより、余程の天変地異的試合結果にならない限りは前半戦折り返しは最下位である事が確定しました。(19位と勝ち点3、得失点‐6)今日の試合結果にはよりますが、最悪残留圏までの勝ち点差も6、実質7になります。まぁあの、負けた以上これに関しては何も言えません。
試合後のコメント見てても、マイボールの時間を長くすればよかったって駒井選手は言ってるんですが、そのマイボールの時間を作ろうとした自軍内でのプレッシャー無視の繋ぎミスから2失点してるのはどうとらえているんでしょうか……(この辺がチーム全体マジで狂ってしまってると思うのですが、どうにもならない)
誰もリスクを度外視して繋げなんて言ってないと思うんですけども、それを曲解、先鋭化して明らかに成功時のベネフィットがリスク対策費を下回る判断をやっちゃってるのが特に2失点目なのかなと思います。あんな深いところで、仮に京都の3FWを交わせたとして、それが何か優位に働きますか……?
辛い状況は続きますが次は赤黒フェスタ横浜Fマリノス戦。あちらはあちらで札幌とは比べ物にならないぐらいのデカい喪失をやって失意の中にはあると思いますが、こちとらJ2降格筆頭候補ぞ?どっちの絶望が強いか、やるかい?といった感じで楽しんでいければなと思います。
どうせ地獄なんだから地獄を楽しもう!
嫌がっても地獄、楽しんでも地獄。だったら楽しまなきゃ損じゃねーか!
(地獄見物記は自分で決めた事なので、辞めたくならない限りは継続していく所存です)
~ENDE~
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