オリバーストーン JFK
コロナの影響か、家で映画を見ることが少し増えている。昨日はケネディ大統領暗殺事件の真相に迫るクレイ・ショー裁判を扱った、JFKを見た。上映時間3時間半以上に渡る大作だ。
この映画の公開は30年前の1992年で、高校2年の終わりだか高校3年の始まりだかに、映画館に見に行った。映画は人並み以下程度しか見なかったが、私は「映画は人気が下火になってから、可能な限り空いている映画館で見る」と言う主義だった。しかしこの映画に関しては、友達からまだかなりヒットしている時に行こうと言われ、混雑しまくりで最前列の一番右側と言う、極めて見難い席しか空いておらず、首を痛くして見たのだけを覚えている。高校生の私には難解で、基礎知識が無い上に話について行けず、内容自体殆ど憶えていない。面白いとも思わなかった。
大人になった今、Amazonプライムで追加料金無しで見られることに気付き、じゃあ見てみようかと思って、30年振りに見た。
ほぼ初めて見るような感じを改めて得たのは、とにかく本作のどのシーンも殆ど憶えていないからだった。本当に当時理解してなかったんだな、と思いながら見ていたが、大人になってから見るとさすがに色々分かり、中々面白かったと言うか、ケネディ暗殺事件によって色んなことを考えながら見ることが出来た、ように思う。
本作は軍縮や冷戦終結を望むケネディが、それを望まない勢力により暗殺されたという話であるが、そんな簡単なことも高校生だった私は理解出来ていなかったようで、とにかく「そうだったのか」と思うことばかりだった。キューバ危機を知ったのは中学校の社会の授業であったが、「ソ連とアメリカが全面核戦争になるかも知れない、そんなヤバい瞬間があったのか」と驚いた。当時、まだソ連は存在していた。ただ、高校時代は無気力で、こう言うのを知ろうとする感じも殆ど得なかった。そもそも高校の授業そのものを思い出しても、印象に残っているものがあまりない。
後半、ケビンコスナー演ずるジム・ギャリソンが、ケネディ暗殺の公式記録に対し、次々に反証をしていくが、肝心のクレイ・ショーがケネディ暗殺に絡んでいることは論証出来ていない。
「これじゃクレイ・ショーが有罪にならんだろ」
と思っていたが、やっぱり無罪で、そりゃそうか、と言うオチとなった。が、当然これも高校生の時に見たことを覚えていない。
ケネディ暗殺の黒幕が、死の商人たる当時の米国政府中枢部だったと言うのは、まあそうだったなろうなあ、と思えるところはあり、ジム・ギャリソンが途中で「X」から色々言われたときに言った、The size of this is beyond meが、結局この物語の真実の一つだったように思う。一地方検事が暴くには、デカすぎる事案であり、大作であるが後半が若干尻すぼみになったのは、ここなのかな、と思ったり。
最後に、この映画の英語レベルはメチャクチャ高い。ほぼ字幕に頼った。日本語の字幕を見続けても、内容自体の難度も高いと思う。これまでの人生で一番頭が鈍かった時代が高校生の頃で、その時の私では、理解出来なくて当然か、とも思った。
来年、ケネディ暗殺から50周年である。真実が結局分からんままなら、まだまだJFK絡みで作品は作れるとは思うけど。