ヘアロスって何?なぜ啓発イベント??私達の想い
▶ヘアロスって何?
脱毛症(だつもうしょう)、抜毛症(ばつもうしょう)、乏毛症(ぼうもうしょう)、薬の副作用による脱毛などヘアロスとは、様々な要因で髪の毛が無い状態や変形している状態のことを言います。
ヘアロスの症状がある多くは通院をしておらず、また症状もウィッグ等で隠せるために、実際にどれくらいの当事者がいるかの統計は取れておりません。
しかし、脱毛症は500人にひとり、抜毛症は100人にひとり、そして乏毛症は国内に約1万人の患者がいると言われています。私達が想像するよりもはるかに沢山の当事者がいて、もしかするとあなたの周りにも一人で悩んでいる人がいるかもしれません。
▶なぜ啓発イベント??(葉月)
(出展:weblio辞典 https://www.weblio.jp/content/%E5%95%93%E7%99%BA)
...なんだか、偉そうな言葉ですね(笑)。
この企画のベースは、実行委員長の葉月がある晴れた日に気持ちよく散歩をしていた時に思い浮かんだものです。でも、その時に『ヘアロスを啓発しよう!』そんな大層な考えがあった訳では、もちろんありません。
ただ、私の中の大きな課題として、
「まだ一人でヘアロスを悩んでいる人が沢山いる。その人達に、仲間と繋がるキッカケや色々な商品、サービスなどの情報を共有し、毎日気持ちよくドアを開けてウキウキした気分で家を出れるようになってもらいたい。」
という想いはここ数年ずっと持っていました。
私自身の事を簡単にお話しします。
17年前に脱毛症を発症し数カ月で全身の髪が抜けてから、ほぼ一人でヘアロスと向き合ってきました。けれども、数年前にちょっとしたキッカケで、SNSの中で同じ症状の方と繋がり、それまで存在を知らなかったオシャレで安価なウィッグの存在を知りました。
それまでは、ウィッグは髪が無いことをカモフラージュする為の道具だけでしかなく、本当にしたいヘアスタイルは出来ないものとしてずっと我慢していたのですが、オシャレで安価なウィッグの存在を知ったことで、それまで我慢していた様々なヘアスタイルに挑戦できるようになりました。それが、周りの人に病気のことをカミングアウトする事にもつながり、またカミングアウトしたことで誰にも気兼ねなく毎日様々なヘアスタイルで生活するように。
今では、ウィッグは私にとってファッションの一部となり、自分を表現するツールとなりました。
隠したいものをカモフラージュする道具から、自分を表現する道具へ。
ウィッグの存在理由が180度変わりました。
そして、情報の有る無しで、こんなにも自己肯定感やQOL(生活の質)が変わるのかと、実感した経験でもあり、その情報格差を少しでも無くしたいと思うようになったのです。
未だヘアロスに関する情報はとても少なく、すべての人が簡単にアクセスできない状況です。
私の願いは、治療法やウィッグやケア帽子、アートメイク、そして当事者が交流できるグループ、そういった情報が簡単にヘアロス当事者に届くようにして、それぞれが自分が納得できる選択が出来る世の中にすることです。
効率的に多くの当事者に情報を届けるには?
それが、『毎年9月をヘアロス啓発月間にする』ことで叶えられるのではと思ったのが始まりでした。
そして、どうしたら実現できるか?という事を考えて直ぐにASPJの代表である土屋に連絡を取ったのです。
▶私たちの想い(NPO法人ASPJ 土屋光子)
日常を過ごす中で「何かを変えたい」と思ったご経験はないでしょうか。駐輪場の並べ方のちょっとた改善や工夫から、国の方向性を決める政治への関心も、すべて誰かの「こうなったらもっとみんなが幸せになれるのではないか」という想いから始まるのではないかと思うのです。
当事者である私達が率先して、ヘアロスの事をもっと世の中に広めるための啓発イベントがしたいと葉月から連絡がきた時に、即決で一緒にやりましょうとスタートしたのは、ASPJという活動をしながらも、どうしても認知が進まずに間違った知識が広まっていたり、偏見による差別を受けている方が少なくないことに対して、もっと早く解決できる方法はないのかと、日々のジレンマを抱えていたからです。
■小さな一歩が、次へと繋がっていく
困難や難しい社会課題というのは、認識していない(見えていない)だけでそこかしこにあります。多くは『当事者』でないとわからない事ばかりです。『自分事にする』という言葉だけで理解するだなんて、到底できないような深いものがあります。私達が発信している『ヘアロス』も同じです。隠せてしまえるし、命に直結していないし…しかし、そのように痛みを『比べること』に意味はあるのでしょうか。
■だた「知る」だけで変えられることがある
初めて見るもの、知るものに出会ったときに「驚く」ことがあります。髪のない私を初めて見た人は、目をそらしたり見えないふりをする人もいます。
傷つけてはいけないといった配慮だという事も感じます。しかし、やっぱり胸がキュッとするんですよね。「かわいそう」って思われているとも感じます。それを突き詰めて考えていくと、相手の人が「知らなかった」だけなのではないかと。だから私たちは「知るということをデザインしたい」そして、決して難しいことでも遠い話でもないことを感じてほしい。
コロナという世界的なものに、誰しもが翻弄されたように、いつ、だれがどんなことに出くわすかはわからないのです。
でも少しでも、知っている、聞いたことがある、見たことがある、そういったものが少しずつでも重なっていけば、その先にある未来は必ず、今よりももっと優しい世界になっているはず。
■楽しいのパワーでムーブメントを起こす
わくわく、楽しい、面白そう、ウキウキ、おしゃれ、かわいい、気持ちが明るくなるような内容を体験していただけるように、イベントも盛りだくさんです。その体験の先に「髪のない人たちがいるんだな」という認知につないでいきたい。Alopecia STAND UP!2022は、当事者の私達と社会をつなげ、関わる方々と一緒に作り上げていきたい。3年後、5年後、、10年後、髪がないことがハンデにならない社会へ。人との違いに互いに学びあい、育み合える社会へ。
Alopecia STAND UP! このイベントが年を重ねるごとにどんどん大きいものとなり、私達の描く未来がはやく現実のものとなりますように。
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