アロンソ禄 2023 Rd14 オランダGP
久々のアロンソ禄更新。毎戦更新はできていませんが、自分のペースでアロンソ視点でGPを振り返っていきたいと思います。
サマーブレイクを終え、後半戦の戦力図が占われる後半戦第1戦。
フェルスタッペン母国3連勝がかかるレースとなった。
Rd14:オランダGP
予選:5位
決勝:2位
ランキング:3位
予選
Q1、Q2は天候変化により順位が変わる見ごたえがある予選に。
Q3のファーストランではサージェントのクラッシュにて、セカンドランではルクレールのクラッシュによりタイムが出せず運に見放される展開。ラストランは、路面コンディションが改善したためタイム更新合戦。アロンソは瞬間3位まで上げるも最終5位に終わる。サバイバル要素があった予選のため、アロンソは5位で満足している様子でしたが、予選結果よりアップデートが機能したことに安堵していたことと思います。
決勝
LAP1 vs RUS、ALB 5位→3位
Magic LAP!スタートでやや出遅れターン2までブロックラインを走るもターン3で2台抜き。全ドライバーがOUTラインを走る中、アロンソだけがINラインを走行。オーバーテイクが自然のため、2台抜きであることが実況に触れられない美しいオーバーテイクでした。
アロンソファンであれば、オランダGP初開催の2021年にターン3の最適ラインを最初に見つけたことは有名な話であるが、このターン3の最適ラインが周知されたことを逆手にとったライン取りであり、他ドライバーからすると初見殺しのオーバーテイクといえよう。
更に驚いたことに、アロンソはFP1、FP2に雨条件でターン3のINラインがグリップがあることを確認しており、このオーバーテイクが計画的であったことである。グリップの確認のみならず、雨条件ではグリップが分からないこと、アウトラインのペイントが滑りやすいことから、ターン3を慎重に入るドライバーが多いと心理的要因も考慮していたようでした。この一連の流れと決勝でのオーバーテイクは『 圧巻 』の一言である。本人も2023年最高のオーバーテイクになると、心高まる思いがあるようです。
世界最高峰のレースであるF1において、事前に計画したことを実行することは簡単ではないが、アロンソはそれを実行する。アロンソの魅力は、純粋な速さというより、このF1 IQの高さと実行力にあると言えるであろう。
LAP2 vs NOR 3位→2位
LAP1後半から雨条件となり、ターン10の立ち上がりでふらついたノリスをオーバーテイク。フェルスタッペンを追う体制となった。
LAP2 PIT IN Soft→Inter 2位→実質6位
LAP2でピットイン。インターメディエイトにタイヤ交換するも、LAP1でピットインしたペレス、周、ガスリー、ルクレールにアンダーカットされる劣勢の展開に。LAP1の魔法のオーバーテイクが無になったと感じる瞬間でした。
LAP6 vsLEC 6位→5位
ターン10をクロスラインで立ち上がりでオーバーテイク。ルクレールは手負いだったようですが、彼の不運は必然のため彼を抜いたことに驚きはない。
LAP11 PIT IN vsZHO 5位→4位
一過性の雨があがり路面が改善しソフトタイヤに交換。直前にソフトに変更したドライバーのタイムを確認した直後のタイミングであったため理想的なタイミングであったと言える。
同時PIT INでアロンソの前で戻った周を、LAP1同様ターン3のINラインでオーバーテイク。周のタイヤがミディアムで暖まりが悪かったこともあるが、濡れているINラインを使って暖まっていないソフトでオーバーテイクをするアロンソは見事としか言いようがない。
LAP12 4位→3位
ガスリーがアロンソの1周遅れでピットイン。アンダーカットにより順位を上げる。
LAP16 Safety Car
サージェントのクラッシュによりセーフティー導入。ランキング争いをしているメルセデス(HAM15位、RUS18位)に有利な展開となった。
LAP22-27
LAP22レース再開。タイムを上げ2位ペレスに対して1秒以内に迫るも、ペレスも反応。その後タイム差は広がり、後続のガスリーが1.5秒差のため3位維持を目標に切り替えることとなる。
LAP49 PIT IN 3位→5位→4位
ガスリーのアンダーカット防止のため3度目のピットイン。左フロントタイヤが外れず8.3秒とロス。ガスリーに対しては5秒ペナルティがあったため順位を守るも、タイヤ交換前の角田、サインツに順位を譲ることとなる。角田はLAP50にオーバーテイク。
LAP52 vs SAI 4位→3位
ターン1でINからオーバーテイク。王道と言えるこのオーバーテイクがアロンソには珍しいと感じる。以降、終盤の雨予報のため後続を引き離すべくアタックラップを行い、ファストテストラップを記録。LAP60までに後続と9.5秒のタイム差を広げた。
LAP62 PIT IN Soft→Inter
予報されていた大雨が訪れる。4位ガスリーに対して1周遅れでピットインとなるが、築いたタイム差によりアンダーカットを阻止。5.8秒前方で3位を維持。
LAP63 3位→2位 vs PER
ペレスがターン1でコースアウトし順位を上げる。残り9周で順位を守れるか勝負と思う一方で、大雨の中でフェルスタッペンに何かあればと、優勝がチラついたアロンソファンは私だけではないと思います。
LAP65 Red Flug
ターン1のコースアウトで損傷したペレスのマシンに修復の時間を与えることとなるも、クラッシュのリスクを回避、リスタートでフェルスタッペンに勝負可能など、アロンソには利もある中断。
LAP67-74 vs VER
レース再開。リスタート時のタイヤの暖まりはよく、優勝に向け1位のフェルスタッペンに圧力をかけるもリードを許す。3位ペレスに5秒ペナルティが確定、車を安全に持ち帰り2位でフィニッシュ。ドライコンディションで記録したファステストラップが活き、ポイントを重ねることができた。
レース後、「マックスに仕掛けたかったが、何かあれば(オランダから)帰れないと思った」とアロンソらしいユニークあるコメントを残していた。
予選、決勝と大荒れの展開であったが、フェルスタッペンとアロンソは、共にやや不利な展開であったにも関わらず、一貫性して速かったことが印象的だったと思います。荒れたため評価は難しいですが、7月の失速を考えるとアストンが復調傾向ではあるとは思います。
アロンソ視点での後半戦の見どころは下記の通りであろう。
①フェルスタッペンにトラブル発生時に優勝することができるか
②メルセデス・ハミルトンとのランキング争い
③アストンの開発力