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2 美しい世界の記憶の持ち主

マウイ生まれ、マウイ育ちのレインボーチルドレン。 

美しい海を眺めながら、「この美しい場所に生まれてきて幸せね。」と彼女に聞くと。

「ママ、本当に幸せ。」と。

「この美しい場所にどうやって来たの?」と聞くと、「ママ、私はイルカと一緒にやって来たのよ。」と

予定日から11日遅れの特別な日に彼女は誕生した。

夜から始まった陣痛は翌日の午後を迎え、私はすっかり疲れ果てていた。

自宅出産でのお産だった私たちは、これ以上時間が長引くと病院へ搬送しなくてはいけなくなる。

助産婦さんが、私にこう声をかけた。

「太陽が沈む前に生みましょう。」と。

私の深いどこかにその言葉が響いた。

「太陽が沈む前にこの子を誕生させなくては。」と。

夕方5:00を半分過ぎた頃、太陽が沈む前に彼女は誕生した。

主人と、助産婦さん二人、私の友人二人が一緒だった。

彼女の誕生と共に私たちは再会したのだ。



彼女は小さな頃からずーっと歌っていた。

プリスクールでも、キンダーガーデンでも彼女の先生達が今でも懐かしそうに言う。

「まだ、昔のように歌っている? あの子はずっと歌っていたわ。」

「決まった時間になると、歌い出すの。そして、みんなで聞くのよ。」

そう、彼女はいつも歌っていた。

彼女はどこか遠くを見ながらいつも歌っていた。くるくる舞ながら。


この物語は2020年5月の新月から描き始めました。9月までには終わることになります。もしかすると、もっと早く書き上げるかもしれません。もし、この物語の途中でこの物語に出会ったら、そこから読み続けてくれることもいいかもしれません。もしかすると、1、から読んでもらうのも良いかもしれません。

「貴方に平和の国からのメッセージが届くことを祈って。」わこ


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