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【キナリ杯】賞金の使い道を考えていたら40歳にして新しい夢ができた話

初めてのnoteです。

東北の、ずんだと牛タンの街で、2人の男の子を育てています。昨日40歳になりました。

ドキドキしながらnoteを始めることにしたのは、岸田奈美さんのキナリ杯に参加したかったからです。あかべこの話を何かのきっかけで目にして、すっかりファンになりました。
私は勝手に“奈美ちゃん”と呼んでいるのですが、奈美ちゃんご本人もご家族も、温かくて大好き。

キナリ杯のお知らせに奈美ちゃんご本人が読んでくださると書かれていて、それなら私のようなおばちゃんの言葉でも直接届けられるかも…というファン心理から、ドキドキしながら登録しました。

奈美ちゃん、いつも笑わせてくれて、泣かせてくれて、たまにハラハラするけど、ありがとう!


さて、何を書こうかな。

キナリ杯で何を書いたらいいかわからない人は、賞金の使い道を考えてみよう〜とありました。

ひとまわりも年下の奈美ちゃんに賞金をせびるなんて…と思いつつ、宝くじを買っては当たったら何しよう、うひひ、と普段考えている私には、この妄想は至福の時でもあります。
けれど宝くじなら、あれ買って、旅行して…とニヤニヤしながら思いつくのに、今回はなかなか出てきません。

数日あれやこれや考えて、結局ここに辿り着いた私なりの使い道。
これを、初noteの題材にしたいと思います。


我が家の愛しいボーイズのこと。

私は、7歳と4歳の男の子のお母さんです。
お客様の予約がある時は仕事もしますが、基本的には母業です。

うちの子たち、本当にかわいいです。
見た目も声も仕草も匂いも肌のツルツルも。

言うことを聞かなくて大声を出すことも、疲れ果ててキッチンの隅で体育座りすることももちろんあるけれど。
(特にコロナの休日は。今日で88日目。茶摘みか)
それでも子供たちがいる生活が私の日常になってから、私は前より笑うようになった気がします。

かわいくて、おもしろい。 最高。


でも、最高だとばかりは言っていられない。

我が家の長男には、発達障害があります。
2歳半の健診の時に区役所の担当者から指摘され、それ以来、私は“障害児の親”になりました。

薄々、そんな気はしていたんだ。
なんとなく。

言葉も遅い。指差しをしない。
毎月送られてくる某しまじろうの教材が、息子の発達段階に全く合っていない。

それでも、やはり指摘されたのは辛くて、何より“障害”という言葉の響きが衝撃的すぎて、帰りの車の中で声をあげて泣きました。
そんな私を、当の息子はいつものニコニコ顔で見上げていたけれど。

日々いろいろな出来事があって、長男は彼なりに、ゆっくりゆっくり、でも着実に育ちました。

悲しくて悔しくてたまらなかった親の私も時間と共にだんだん冷静になり、覚悟もでき、現実と向き合って子育てするようになりました。
もちろん気持ちは行きつ戻りつで、すごく前向きな時とネガティブにしか考えられない時は交互にきます。今もね。
でも、そんな中で似た子を持つ親同士の子育て仲間もできたし、少し甘えることも覚え、図々しくもなった。
もしかしたら、1人目の子育てだったからこそ、健常児とリアルな比較をせずに済んだのかも…と思ったりもしています。
(次男は何でも器用で早くできるので、生まれ順が逆だったら辛かっただろうな)


そんな長男も小学生に。

障害のある子たちが行く療育園、とても理解があって温かく導いてくれた幼稚園を経て、長男は去年ついに小学生になりました。

市立小学校の、特別支援学級に在籍しています。
わかば学級とか、なかよし学級とか、かわいい名前がついている、あのクラスです。

余談ですが、籍を普通学級にするか支援学級にするか、最終的に決めるのは親だということをご存知ですか?
自治体にもよるのかもしれませんが、教育委員会から一応のオススメ進路は出されるものの、最終決定権は親にあります。だから、ものすごく悩む。

長男は幼稚園は普通にお友達と過ごせていたので、親は最後まで迷い、締め切りギリギリに届を提出しました。普通学級でも大丈夫だろうけれど、学習が追加されると…より少人数がいいのかな…ということで。

なので、小学生ですが毎日送り迎えをしています。付き添いの保護者やオマケの弟にも、挨拶をしてくれる子が多い小学校です。よく会う上級生の子なんて、道でぐずっている長男に声をかけてくれて、一緒に歩いてくれる。優しい子がたくさんいます。そういう学校です。

けれど、そんなある日。
時々見かける人懐こい2年生の男の子に、明るく元気に聞かれました。
「おばちゃん、おはよう!あのさー、わかばってバカなの?」

おお、おぅ。 ずいぶんまっすぐきたな。
少年よ、これはおばちゃん何と説明したらいいのか、キミに悪気がない分、本当はちょっと時間が欲しいよ。

「おはよう、えーとね、あのね、バカではないの。でもちょっと苦手なことが多いんだよ」
「えー?なんで?オレも苦手なことあるけど、別にわかばじゃないよ」

…確かにそうね。
幼稚園ならこれで説明は終わりだったけど、さすが小学生はいろいろ気がつくんだね。

おばちゃんがアタフタしている間に、少年は旋風のように走り去ってしまい…。
遠くから「走るなー」という先生の声が追いかけていく中、どう言えばよかったのかな…という思いが渦を巻き、何ヶ月もそれは消えませんでした。


私、みんなに知って欲しいんだ。

今回、このnoteを書くためにいろんなことを思い返しました。今の私が伝えたいことはなんだろうと自問した時に、やはり頭に浮かぶのは愛する子供たちのこと。

障害のある子供への理解を深めたい…なんて大それたテーマはなくて、ただただ少しでも長男のことを知って欲しいという思いが湧き出てきます。

“普通”って、なんだろう。
自分の感じる“普通”と他の人の“普通”が違うことは、当たり前のことなんだ。

あの少年のような同じ年代の子供たちに、そんなことを感じてもらいたい。どうしたら、おばちゃんの思いは伝わるんだろう。
…と、湯船の中で考えていて、ひとつ思いついた方法があるのです。


私、絵本を作りたい!

自分で言うのもなんですが、絵は下手です。
でも、絵本は子供の頃から大好きです。

もしどこかで、誰かが長男のことを書いた絵本を手にとってくれたら、少しだけ特別支援学級のことを考えるきっかけになるかもしれない。
おうちでもし話題になれば、家族も少し考えてくれるようになるかもしれない。
(ご近所さんが「そんなこともできないならわかばに入れるよ」と子供を叱るのが聞こえ、落ち込んだことがあったので)
絵本なら、小学校に入ったばかりの年齢でも、読んでくれるかもしれない。
少しずつでもわかってもらえるようになれば、次男のような“きょうだい児”もラクなのかな。

うん、これだ。

これまでのことを思い出すと同時に押される涙スイッチが入ったまま、急いで風呂から上がり、iPhoneのメモに浮かんだことを書き込みました。

途中、風呂場のドアの音を聞きつけた次男が脱衣所に来ましたが、無言で出て行きました…
濡れたままタオルを被り、泣きながらiPhoneに何かを唱える母の姿に怯えたのでしょう…



絵本って、どうやったら作れるんだろう。

絵本を作りたいと思ったまではいいのですが、何をしたらいいのか私には見当もつきません。

とりあえず「自費出版 絵本」と検索してみましたが、それはそれは高額で、しかも価格帯に幅がある情報が多いため、どういうものなのかしっかり調べなければなりません。
いずれにしても、私のへそくりでどうにかなる金額ではないので…願いを込めて宝くじ売り場に並ぶか、頑張って仕事をしてコツコツ貯めるか。たぶんオットは、うちの庭から油田を掘り当てることはできないだろうから。…いつになるんだ。

そして、何よりも。 私は絵が描けません。
絵本を作りたいのに。
お話はiPhoneの中にあるけれど、一番大切な絵がないのです。
ということは、またこれも私が絵画教室的なところに通って勉強するしかないのか…いやいや、これこそ何年かかるんだ。

このように考えなければならないことは山積みですが、なんと、40歳にして私には叶えたい夢ができたのです。
キナリ杯、ありがとう。
奈美ちゃん、ありがとう。


時を戻そう。賞金の使い道は?

ここまで読んでいただいてもうおわかりかと思いますが、もしキナリ杯で何かの賞を受賞できて賞金をいただくことになったら、絵本を作る資金に使いたいと思います。

印刷や製本にもお金はかかると思いますが…
何より私は、絵本に魂を吹き込む絵を描いてくださる方に、この善意で生まれたキナリ杯の賞金を差し上げたいのです。

他にかかる費用は…どうしたらいいのか…
クラウドファンディングでしょうか…
これも、いろいろ調べなければなりませんが、きっと何かしら方法はあるはず。

何よりも、こうしてやりたいことが見つけられたことを、とても嬉しく感じています。もう立派な中年ですが、ワクワクできるって最高だ。
読むだけだったnoteも、こんなにたくさん書いてしまったし。

これからも、子供たちのことや絵本を作る夢に向かうこと、いろいろ書いていけたらと思います。
(もちろん、受賞を逃してもできる限り頑張ってみようと思っていますよー!)

長い間お付き合いくださり、ありがとうございました。

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