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前へ!
1年近く進学指導してきた学生から大学合格の知らせ。
日本の難関大学、そして大学院を出なければ明るい将来は約束されない、と親からの期待を背負って日本にやってくる学生たち。
受験勉強と語学習得と並行してしなければならない過酷な1年半。
よく頑張った!
その学生は途中で自分の実力では志望校は難しいことを悟り、絶望し、泣きながら、自分を納得させながら、ほかの学校を探した。
彼らの国では国公立と超難関大学以外は大学ではないのだ。
「この学校、日本では有名なんですか?」
初めはそれしか言わなかった学生に、少しずつ意識改革。
「5年後はどこで何をしていたいか?」
「一番したくないことは何か?」
「大学で勉強することとはあなたにとって何なのか」
何度も話しながら、少しずつ彼女の中で何かが変わり、
ある日
「先生、私やっと大学に行きたい!って思えるようになりました!」と言った。
入試前に面接の猛特訓。
塾で教わった丸暗記の問答は全部やめさせ、
ただ自分の夢と熱意を語らせた。
意地悪な質問にも自信を持って答えられる準備をさせた。
最後に緊張を恐れない魔法をかけた。
ここまでの長い道のり。
何度も挫けそうになりながらも歩いてきた彼女の姿を思い出すと、
合格の報告は非常に感慨深かった。
留学生の、特に中国人の日本での受験勉強は過酷だ。
本国では更に…というが、
親元を離れた異国で言語を学びながら合格を目指すというのが
どれほど心細く険しいことか。
改めて、自分がいる現場はすごい人たちを相手にしているんだと実感した。