ああ、今日も泣きそうだ#07:冬の雨に想う
昨日は一日中、雨だった。
雨は冷たくて、一気に季節を変えてしまう。
少し厚めのキルティッドジャケットを出して着てみた。
もう冬なんだなぁ、と改めて思う。
事務所では今もほぼ半袖で過ごしている。50歳を超えてから体温調節がうまくいかない。多少の寒さには耐性ができたか、更年期障害か。おそらく後者だろう。季節が僕を置き去りにしたような気がして「この前まで紅葉だったじゃないか」と思ってみる。長い目で見ると老化である。
ただ、季節が引導するこういった変化は大事だと思う。変化がないと停滞する。何もしない変化がない日常は長く感じる。
小田急線に乗りながら、ふと思う。
顧客はなぜマーケットに帰って来ないのか。それは、みんながまだ本来の場所に戻ってこれないということなのだろう。あるはずのものがないと絶望する。絶望は胃によくない。
冷たい雨は季節を変えて、日常に変化をもたらしてくれるのかもしれない。
下北沢に着くころに、竹内まりあの「駅」の歌詞を思い出す。一つ隣の車両に、元彼が見覚えのあるレインコートを着て、うつむきながら乗っている。隣の車両から人の横顔が見える電車なんか井の頭線しかない。
昔、渋谷の旅行会社に勤めていて、その時は永福に住んでいたので毎日乗ってた。季節は初冬でレインコートを着ていることから、冬の雨だったんだろう。ラッシュの人波にもまれる元彼の後ろ姿は寂しそうだったとのことだったので、何か嫌なことがあったに違いない。
冬の雨は少し寂しい気分になるが、停滞感から変化を起こすきっかけになるかもしれないと小田急線に乗り、南側の景色を見ながら思うのだ。
イベントは日常の先にある。イベントにベクトルを向け目標にすることで日常に変化が出てくる。停滞する毎日を変えるために、すこし無理をしでもイベントはさせなくてはいかんのだ。と、自分に言いきかせる。
メリーモナークは来年、現場で観ることが出来ないが、カレフラ、ハイフラを開催する8月には現地からクムフラも来日して、来年はきっと満席のはずだ。それを乗り越えた先の景色はきっと素晴らしいと思っている。
レインコートというと刑事コロンボのピーターフォークを思い出す。アメリカのドラマを見るだけでドキドキした、いい時代だ。
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ああ、今日も泣きそうだ
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