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ああ、今日も泣きそうだ #15:めぐる季節に想いを寄せて

季節は巡る。
立ち止まっていても、周りは動く。
学校に通っている間の季節は特別だ。
校舎にかかる桜の陰、意味もなく大きくなるヘチマ、見たことないコスモス、突然咲く梅。

次の季節は春のはずだ。ただその次の季節を思い出せない。
何ができるのかを思い出せないのです。ため息がでる。そして次のため息を出す。

ため息は自律神経にとって大切だそうで、それによって人はバランスを保つらしい。ただ、それは気苦労や失望感からバランスを取り戻すための作業であるのは変わりはない。

それをなくすためには、何かに向かって動くことが必要だ。生きることは、出かけて行って誰かに会い、何かをすること。

ただ、今は「動くな!」と言われている。以前よりも緩和されているとはいえ、学級閉鎖、学校閉鎖が相次いでいる。
そのニュースを聞くたびに、自分の事ではないが、再び戻ってこない時間があるのだと、すこし悲しく思う。

 

ハイスクールフラのソロ優勝者のKららさんの先生のブログを拝見した。感染対策を徹底した限られた時間内で、色々と動いて、その中ですっとこどっこいな事も起きて、とても楽しい毎日を過ごされている。

他人とのタイムラインの速さの違いに、あきらめや希望を見出して、それを通して人生の機微に触れて、微笑ましい。フラを通じてこんな時間を楽しまれているとは、制作している立場の者としても心強く思う。

 

写真の中の彼女は泣いてもいるが、笑ってもいる。
恐らく見えないところで、僕たちも知りえないことがありながら、大変な思いをしながらやり遂げたんだろう。彼女はタイトルを手にして対価を獲得したと思う。

他の人たちはどうだろう。何も得なかったかもしれないし、それ以上のものを得たかもしれない。

どうか、この時間を自分にとっていい時間にしてください。
それが生きるセンス。

順位とは何だろう、やり遂げた時間に対する番号くらいの事といっておこうか。ここで泣き笑いできる人は間違いなく、親はもちろん色んな人に愛されていると思う。
それがわかる物凄い時間なのだ。


ああ、今日も泣きそうだ。

アロハラボラトリー代表の篠原が毎週メールマガジンに寄稿しているエッセイ「ああ、今日も泣きそうだ」のアーカイブです。


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