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誰にも奏でられない音楽を、君は奏でている

☆こんにちは、ノースポールさん。

*こんにちは:)

☆夏に亡くなってから、お母さんの夢よく見るよ。最初は夢の中でも病気だったり、哀しかったけど、最近は少し元気になって、ニコニコしてる。

*そうなんだ。すてきだね。

☆「お母さんだ! もっと話したい、触りたい!!」って思うけど、すぐ目が覚めて、哀しくなる。夢って、何なの?

*夢はね、“橋”だよ。こっち世界と、あっちの世界をつないでる。本当は、“こっち”も“あっち”もないんだけど、きみたちの世界では、まだ橋が必要みたいだから。

☆本当は、って、この世もあの世もないってこと? 

*“ひとつの世界”しかないんだよ。でも、そういう風に捉えられないようにできているのが、今の地球だから。だからきみのように、たましいを信じていても、まだ肉体の中で生きていて、お母さんに会いたい、と思っているから、お母さんが肉体の姿を借りて、“橋”の上まで会いにきてくれたんだよ。

☆そうなの? “橋”はどこにあるの。眠ってないといけないの? 

*眠っていたり、瞑想したり、何かに夢中になったり、“からっぽ”になったときにだけ、行ける。肉体の世界でも、たましいの世界でもない、とても繊細な場所だから、そこで出逢うものが、強く感じられるときもあるし、すぐに崩れてしまうこともある。

☆お母さんが夢の中でも苦しそうだったり、病気だったりするのはなんでだろう。

*きみの中の怖れや不安のかけらが、夢の粒子にまぎれ込むと、そういう像を映すこともある。過去のことも未来のことも、本当はそうやって作られるんだ。“今”放ち続けている粒子が集まって、像を結ぶ。それをこの世界では“現実”と呼ぶけれど、そのしくみは“あっちの世界”でも“夢の橋の上”でも同じなんだよ。ただ“粒子たちの動き方”が違うから、映し出されるまでのスピードや、その“固さ”や、描かれる像が変わってくる。

☆ちょっとむずかしいな。。。でも大事なのは、お母さんが橋の真ん中まで会いにきてくれるってこと。

*そう。きみも知っているように、お母さんはいつもそばにいるんだよ。でもきみが淋しいと言うから、そうやって違うかたちで会いに来てくれてる。

☆そうなんだね。もっと強くしっかり、夢の中でお母さんに会うにはどうしたらいいの?

*橋の上は、“どちらでもない”世界だから、そこにこだわりすぎない方がいいよ。ただ“あっちの世界からのギフト”だと思って、楽しんで。ぼくらの姿を、いい気分で眺めるみたいに。

☆じゃあ、怖い夢もギフトなの? 怖い夢の方が多い気がするよ。

*怖い夢もギフトだよ。何がその絵を、ストーリーをつくったのか、ちゃんと見つめてあげて。一見ガラクタのようでも、“あっちの世界”から届けられたものには、ちゃんと意味がある。

☆おはなも夢を見てるの?

*おはなはね、存在自体が夢みたいなもの。“あっちの世界”の香りや、色を、届けるために、ここに降りてきてるんだ。

☆そうなんだ。

*ぼくたち自身が夢を見ていると同時に、夢そのものでもあるんだ:)

☆だとしたら、とってもキレイな夢だね。

*ありがとう:)ぼくたちは、恐怖とか、憎しみとか、そういった種類の粒子を持ってないんだ。だから、“本当の姿”のままで、ここにいられる。“あっちの世界”も“こっちの世界”も自由に行き来できるんだよ

☆じゃあ人間も、怖れや不安がなくなれば、“橋”がなくても、“あっちの世界”とつながれるってこと?

*うん、そんな風に生きてるひともたくさんいるよ。赤ちゃんや、ある年齢のこどもたちも、そう。おはなと同じくらい、“そのまま”でいられたら、“ただひとつの世界”になる。この世とあの世の区別がなくなるんだ。

☆ふうん…。お花が“あっちの世界”からそのままやってきたんだとしたら、母はいまそうとうステキな場所にいるんだね。

*そしてそこは、きみのふるさとでもあるんだよ。みんなここから地球に降り立って、そして還ってくる。

☆うん、わたしは、もう少しここで生きることを楽しもうと思う。

*そう、それがきみたちの役目。お母さんも立派にその役目を果たして帰ってきた。“ギャップ”を体験して、自分の“ほんとうの姿”を知ることが、地球を選んだたましいたちの目的だから。

☆“ギャップ”って、愛と、そうじゃないもののこと?

*苦しみも、哀しみも、叫びだしたいことも、悦びも、愛おしさも、光も、そのぜんぶが、宇宙を震わせてる。誰にも奏でられない音楽を、地球の人たちは奏でている。“あっちの世界”では体験できない。肉体があるからこそ、味わえることなんだ。

☆そうなんだ。

*いろんなことが起こっているように“見える”けど、飲み込まれないで。花を見て、赤ちゃんの笑顔を見て、キレイな涙を見て。美しいものは消えない。消えないものが真実なんだよ。きみたちがこの星に産み落とされてからずっと続いてきたもの。それが今、ぼくらときみとをつないで、そしてまたきみが、誰かに伝えていく。どんなかたちでもいい。伝えていくことが大切なんだよ。

☆伝えていくこと。言葉や、音楽や、写真や、踊りや、表現するということ?

*ただ生きるというだけで、それは表現なんだよ。それが、愛をつないでいくということ。どこにいても、どんなギャップがあっても、そのことだけはやめないで。

☆うん。お母さんが伝えてくれたみたいに、わたしも伝えていく。

*お母さんはね、ほんとうに、きみの中にいるよ:)物質的にも、たましい的な意味でも。きみの見るもの、感じるものを、一緒に体験してる。だから、きみも、お母さんを感じてあげて。それが、夢の中よりも強く、一緒にいる方法。

☆うん。そうだね。時々苦しいし、さみしいけど。

*肉体の寿命は、それぞれのたましいが決める。それは誰にも変えられない。だから、“離れて”しまうことは、この世界では苦しいかもしれない。でも、そのことによってのみ、“離れてなんかいない”ことを知るんだよ。

☆うん。ほんとうに、そう思う。

*いい夢を見てね。この世界でも、あの世界でも。

☆ありがとう:)

*こちらこそ、ありがとう:)



※このおはなしはウェブマガジン「Cradle Our Spirit!」2014年10月号に掲載されたものです。

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ふなと愛|ギブネスを生きるひと・言靈吟遊詩人
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