雨の雫 雲の恋
明け方降った雨がまだ
葉っぱの上で休んでる
あー長い旅だった
空から街を見下ろして
雲は恋をした
太陽を反射して輝くビルディング
静脈と動脈のように走る列車の群れ
なによりもそこに忙しく行き交う
人間たち
豆つぶほどの
その身の中に
どれほどのよろこびと
かなしみをはらんで
逃げまどい 走り出し
倒れ伏し 立ち上がる
どれほどに懸命に
くそまじめに
生きては死に
また生まれる
どこまでも愚かで
果てしなく愛おしい
そのいとなみと
ひとつになりたい
そう願って
雲は雷鳴を轟かせ
稲妻にからだを砕かせて
雨のひとしずくとなって
街に降り立った
あー長い 長い旅だった
あれほど狂おしく恋した
世界がここにある
その透明の中に
ビルも列車も人びとも
すべてを包んで
雨のひとしずくは
葉っぱの上で憩う
やがて日が高く登れば
わたしは
空に溶けて消えるだろう
だけど
わたしがみた夢は
宙に溶けて永遠になる
その瞬間まで
ここにいよう
その瞬間まで
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LOVE & HUG!! 愛より愛こめ。