【ラテンアメリカ旅行 #32】🇵🇪 インカの不思議な谷ヴァジェ・サグラド
聖なる谷ヴァジェ・サグラド
ヴァジェ・サグラド(聖なる谷)ってどんなところ?
ペルーのアンデス山脈、インカの首都クスコの北に位置する谷で、インカの聖なる谷、スペイン語ではValle Sagrado(ヴァジェ・サグラド)、またはウルバンバ渓谷と呼ばれる。
谷沿いにアマゾン川の源流でもあるウルバンバ川が流れ、マチュピチュを通り、アマゾンの大河に合流する。
かつてインカ帝国の皇帝は、冬の最も寒い時期にはクスコからウルバンバ渓谷を移動しながら生活していたと言われている。標高が割と低く気候が落ち着いているために、“避寒地”として利用されていたらしい。
この肥沃な谷は、ウルバンバ川によって形成され、昔からここに住む人たちは水路を作って田畑に必要な水を引き、土地をうるおしている。
この地域の肥沃な土壌が農業に適していたため、紀元前 800 年頃から利用され、以降、1420 年にインカ帝国がこの地域を占領し、スペイン人が到着するまでこの地域を支配していた。
チチカカ湖が発祥のインカ文明は、ウルバンバ谷の肥沃な土地をうまく利用し、南米大陸の広大な地域を支配する力を得て行った。
インカ帝国にとっての中心地、“聖なる谷”と言われるのも理解できる。
聖なる谷は、インカ帝国の中心地で最も重要なトウモロコシ生産地域で、谷を通って熱帯地域にアクセスできるため、昔からコカの葉や唐辛子などの製品をクスコに輸出してきた。
静かなインカの村キンサ・コチャ
キンサ・コチャってどんなところ?
他の観光客に聞いてもキンサ・コチャのことはほとんど誰も知らない。
全く観光観光地化されていないインカの静かな村を感じれるいいところ。
4200mほどの高所に位置し、コレクティーボも出ていないので、クスコやピサックからだと車かバイク以外でのアクセスは困難。
今回僕たちは3人でピサックからタクシーできて、運転手に待っててもらった。ピサックから片道約1時間半かかり、3人で時間制限なしで3000円。
キンサ・コチャのトレッキング
ものすごく小さな村で家が数えるくらいポツンと立っているだけ、地元の人が数人農作業しているだけで、歩いてる途中人に会うこともほぼ無い。
トレッキングのルートもほぼ無くて、昔、地元の人が作ったと思われる小さな石積みの家の跡のような場所につながる道があるだけ。
昔のインカの人々とと同じ景色を見てるような気分になった。
なぜか動物用の囲いと動物たちは人の家から少し離れた場所に存在する。
通れる場所を自分たちで探しながら歩き、川幅の狭い場所に石を置いて渡ったりしながら湖の周りをぐるっと一周りする。地元の道の無い森の中を散歩する感覚に近い。
ペルー中の先住民文化が集まる街ピサック
ピサックの街中になどんなものがある?
ピサックは、クスコからコレクティーボというおんぼろ小型バスで約 40分ほど離れたウルバンバ川のほとり位置する。コレクティーボだと街中で人を拾いながら進むので遅いけど150円くらいだった気がする。
ピサックは遺跡とサンデー マーケットで有名。ということで少しマーケットやそこで買える民芸品などについて少し触れる。
インディヘナ(先住民)のマーケット
特に日曜日には、サンデーマーケットとして、多くの人々が集まる民芸品で有名なメルカド。
火曜日と木曜日にも小さなメルカドが開催され、それ以外にも普段からいくつかのお店は開いている。
ピサックではペルー中のいろんな場所からハンドメイドのラグやポンチョ、小物類など色々変わった民芸品が集まってくる。
*魅力的な街なので、ここで買いたくなる気持ちもわかるけど、クスコのメルカドと比べると若干割高なので、どこでも買えそうなものはクスコで買った方がお得。あまり見ることがない不思議なものが売っていたり、民芸品を上手に展示している店などがあり、割高でもつい買ってしまいそうになる。
中心街に集まる個性あふれるお店
ピサックにはメルカド以外にも色々な変わったお店が存在する。
先住民が昔から使用しているメディカルハーブのお店。クスコ編でも紹介したハペやサナンガから漢方的なものもある。
その他にもペルー中のクスコ周辺以外の場所から集まってくる個性あふれる民芸品のお店もたくさんあるし、ストリートではアーティストたちがマクラメなどのハンドメイドアクセサリーを売っている。
僕はペルーとブラジルの間に存在するらしいジネジャミ族という小さな部族出身の女性から不思議な布を譲ってもらった。
アヤワスカを飲んだ時に見るビジョンをモチーフにしているらしい。
飲食店もユニークで、スパイスの効いたカカオドリンク、チャイ、ヴィーガンレストラン、日曜日限定のヴィーガン寿司、こだわりの詰まった窯焼きピザなども食べることができる。クオリティは全体的に高いが値段はローカル向けではない。
*ローカル向けの安いレストランは街の少し外れた場所に点在する。またはメルカド。
街の中心を歩いていると、観光客としてピサックを訪れた人たちがそのまま移住して発展に貢献していることが想像できる。
ひとくくりにはできない国籍などないような不思議な街だと思う。
様々なセレモニー
現在は国際色豊かでありながら、アンデスの先住民族以外にもアマゾンから先住民族が様々なセレモニーを行いに集まってくる。
代表的な儀式がアヤワスカ、サンペドロ、ハペ。ハペはスペイン語だとラペ発音する。
時々店の中に入ると、シャーマンの周りにたくさん人が集まっていてセレモニーが行われている。大体のシャーマンはピサックの外から招待されていると思われる。
街の外れにある宿泊施設の周り
街の外れにエコヴィレッジ的な宿があったので、今回はそこに泊まることにした。ピサックの街から30分近く毎回歩くのは少し面倒だけど、時間も気にせずアンデスの自然を感じながら歩くことを楽しむことにした。
街の外にある隠れた遺跡
ピサックの町を見下ろすように残っている遺跡は、聖なる谷の中でも重要な遺跡の一つとされている。石積みの壁で建てられた農地として有名。
両側に深い谷があり、一つ一つの段がとても高く、隠れたように石積みからはみ出した、宙に浮いているようにも見える階段が不思議。
僕たちはピサック遺跡であることを知らずに街中の民家の裏から入って、ドローンを飛ばして遊んでいた。
最後に一曲
ロス・パチャラコスの『Rio Mantaro(マンタロ川)』という曲。
『Huaynos De Oro』というコンピレーションの中に入っていた一曲だが、アンデスの音楽の中でも一風変わったように聞こえて新鮮だったため紹介。