【ラテンアメリカ旅行 #07】🇦🇷南米のスイスと呼ばれるパタゴニア北部
パタゴニア北部で久々の良い天気
Esquelに到着
今回からパタゴニア北部。
フランスのパン職人の友人、Jorisにおすすめいただいた国立公園、Parque Nacional Los Alercesに向かうため、Esquelという街に到着。
エル・カラファテからの移動時間は約20時間、南部と異なり気候がかなり穏やかで南部のような自然の厳しさを感じない。
特別なことがあるわけでもない小さな街。オールド・パタゴニア鉄道という鉄道が走っていてその始発となる街らしい。冬はコンスタントに雪があり、スキーのため観光客が集まるようだ。
移動すればそこに出会いあり
早速宿泊先に到着するとオーナーが出迎えてくれて、部屋に案内してくれた。部屋の説明を聞いたついでにLos Alercesの情報を聞くと、観光案内所の向かいからコレクティーボ(小さな乗合バス)に乗って公園の中の駐車場まで行けるということがわかった。あとは地図を見ればどうにかなると思い、一旦その会話は終了する。
すると、別の部屋のドアが空き、女性が出てきて話し始めた。ブエノスアイレス出身の建築家で、最近パタゴニア南部でお客さんが増えているためエスケルに引っ越してきたという。
近年エスケルにもヨーロッパからの移住者が増えていて、その人たちが物件を買うので、リノベーションの仕事も増えているという。
また、彼女は別のプロジェクトとしてパタゴニア中を周りながらドローンを使った映像制作を行い、南米諸国に向けて発信している。ここにもやりたいことを形にしながら自由な生き方の人がいる。
言語だけではないコミュニケーション
日が暮れてきたのでメルカドで買ってきた肉と野菜をオーブンで焼いていると、オーナー、アルゼンチンの女性に加え、最近物件を探すためエスケルに来たというフランス人女性、オーナーの地元の仲間夫婦が合流し、それぞれ持っている食べ物やワインをシェアしてディナーパーティーになっていた。
途中でフランス人女性が僕がスペイン語をあまり理解できないことを知り、「あなたスペイン語あまりわかってないみたいだけど、よくここでみんなと話せるね」と英語で話しかけてきたので、「みんな言語の壁をあまり気にしないし、彼らが僕を仲間として見てくれるからだよ」と伝えると、みんなから温かいハグをもらった。
Los Alercesを歩いてみる
翌朝夜明け前に起きて、オーナーの言うコレクティーボの乗車場所に向かうと一人少年が立っていたので、Los Alercesに行くコレクティーボを待つ場所はここで合っているのか尋ねると、「そうだよ、あと10分くらいでくると思うよ。」と教えてくれた。しばらくするとバスが来てLos Alerces国立公園の中まで無事辿り着いた。降りてすぐ地図を確認し、複数ビューポイントがあったので、まずは最初のビューポイントの方向に向かって歩く。
最初のビューポイントから戻り、二つ目のビューポイントの方に向かって歩く。少し登っていくと湖の湖畔にはビーチが広がっていて、後ろには山が見える。この時間には気温も上がり、とても温かく、湿度もない。これぞ避暑地というイメージに重なっていた。トレッキングというより少しアップダウンのある湖畔を散歩しているような感じ。
南米のスイス、バリローテェ
南部最大都市バリローチェへ向かう
Los Alercesには他にもトレイルがいくつかあるようだが、この日の午後にはパタゴニア南部最大都市のバリローチェに向かうため、午後4時、帰りのバスに乗ってエスケルの街に戻り、荷造りを済ませて急いでバリローチェ行きのバスに乗った。
途中El Bolsonという街があり、数日寄り道していきたかったのだが、パタゴニア南部の大自然が好きすぎて時間を使いすぎてしまい、4月中旬のブラジルで友人との待ち合わせに間に合わなくなってしまうので、今回は指を咥えながら通り過ぎていった。
バリローチェに着いたのは夜遅い時間で人はほとんど歩いていない。どこも宿泊費が割高に感じたのでホステルを予約し迷いながらも到着。次第即座に就寝しようとしたが、ルームメイトたちがフェルネットのコーラ割りを回し飲みしていて、誘ってくれたのでありがたくいただき、ベッドに横になってしゃべっていたら疲れすぎてそのまま寝落ちしていた。
バリローチェの街について
正式名称はサン・カルロス・デ・バリローチェ(San Carlos de Bariloche)。パタゴニア北部のアンデス山脈の麓に位置する。20世紀初頭からヨーロッパ系移民の入植により都市が出来上がる。ナルエル・ウアピという湖、山、森など様々な自然に囲まれ美しいと言われるリゾート地で、南米のスイスとも呼ばれている。物価は高め。
パタゴニア南部のような荒れた手付かずの自然とはまた異なり、柔らかい雰囲気に感じた。僕はもう少し荒廃した雰囲気が好きなので、友人のLisaと一回会ってからバリローチェを出ることにした。
自然の中をサイクリング
2日目は夜からLisaが合流することになったので、昼間は30kmくらいのサイクリングに向かう。
ローカルバスに乗ること30分、降りてすぐレンタルバイクの店があったのですぐにレンタルしてサイクリング開始。開始早々アップダウンの連続だったが、僕はピストバイク(シングルギア)で鎌倉、葉山、横須賀あたりの海岸沿いのアップダウンがある道をよく走っていたのでギア付きの自転車は天国だった。快晴で風が最高に気持ちいい。
走り始めて10分もすると、湖や周りの山々が見え、さすが南米のスイスと呼ばれる絶景に出会う。
さらに行くと小道があり、自転車を止めて下に降りていくとビーチあり。
とにかくビーチが多い。快晴で山、森、綺麗な水は日本の逆さ富士のような反則の組み合わせ。水辺が見えれば都度ペダルを止めて眺め、お昼ご飯を食べ、ちょっとしたトレイルが見えれば上まで歩く。30kmにも満たないサイクリングだったが、寄り道しすぎて気づけば15時を回っていたので少し急ぎ目で自転車屋さんに向かった。
自転車の返却を済ませ、帰りのバスを待っていると、人が次から次へと押し寄せてバスを待つ。バスが着くと車内はすぐに溢れかえる。日帰りであれば朝早く出て早めに帰るか、車、または自転車をバリローチェの町で借りて自分のペースで行くべきだった。
再び仲間との再会
夕方、Lisaから「湖のビーチでゆっくりしてるから来なよ」とメッセージがあったので、ビーチで合流してビールを飲みながらサンセットを眺めた。Lisaの友人も合流し、日が沈んでからもゆっくり飲みながら話し、しばらくして寒くなって解散した。僕はアルゼンチン北部(フフイ地方)に移動し、Lisaはコロンビアに向かうため、ここでお別れになる。何度もパタゴニアで共に行動したいい仲間。またどこかで会う日まで共に最高の人生になることを願いつつ、このご縁に感謝し、思い切りの笑顔でお別れ。
今回はここまで。次はパタゴニアを出てブエノスアイレス経由でアルゼンチン北部の山岳地帯へ移動
最後に一曲紹介
今回もまた友人に紹介してもらった曲。The Beach BoysのBrian Wilsonと当時彼のソングライティング・パートナーをつとめていたVan Dyke Parksによる『Orange Crate Art』
寒くて、時に厳しい自然、延々と続く荒野のイメージのパタゴニア南部からカラッと晴れた青空が広がる秋のパタゴニア北部に移動し、太陽を眺めて一息つくような気分のときにピッタリの一曲。
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