注文住宅の住宅ローン選び
前回の記事↓から時間が空いてしまいました…世の中色々ありますね。諸行無常。
住宅ローン選びもとても困ったので、それについて書こうと思います。
これから住宅ローンを組もうとしている人の参考になれば幸いです。
(長いので一番最後の項目にどのローン組んだかをまとめておきます)
住宅ローンって?
住宅購入専用のローンで、注文住宅の場合でも土地と合算した形でローンが組めます。
原則として契約者本人が住むためのローンなので、投資用の賃貸物件や別荘などには使用出来ませんが、新築のみではなく中古物件にも使用出来ます。
収入合算とペアローン
我が家は共働きのため、収入合算するかペアローンにするかで悩みました。
住宅ローンを夫婦で1つにするのか、それぞれで組む(2つにする)のかの違いです。以下図で概要が確認できます。
シンプルに考えるとペアローンは2つ組むので諸費用が2倍かかるのですが、どちらか金銭的に得かは夫婦それぞれの収入であったりローン内容によって、住宅ローン減税の控除額が変わってくるので、そこを確認する必要がありました。
住宅ローン減税の説明は時期的に複雑なので以下サイト等でお調べください。
また、どちらかが死亡した場合に団体信用生命保険がどう適用されるかも考慮が必要です。合算の場合に主債務者以外が死亡した場合、もう片方の収入状況によってはローンの支払いが困難になる可能性もあります。
我が家はペアローンにしました。
返済方法
毎月の返済額の算出方式を決める必要があり、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2パターンとなります。
元利均等返済
毎月の返済額が変わらない返済方法。月々の返済額が一定のため、返済計画を立てやすくなるのがメリットだが、元金の返済ペースが遅いため利息の負担が大きくなるというデメリットがある
元金均等返済
毎月、一定の元金を返済する方法。元本の返済が早く進むことから支払総額を抑えられるメリットがあるが、返済当初の返済額が多くなるというデメリットがある
一般的には変動金利の5年ルールなどを適用したいため、元利均等返済を選択するケースが多いかと思います。我が家も元利均等返済を選択してます。
引き落とし先
意外と盲点だと思うのですが、会社によっては引き落とし先が現在メインで使用してる口座を指定できなかったりします。金利が少しでも安いところを選びたいところですが、毎月のメイン銀行からローン支払い口座に振り替えする作業コストや手数料をよく考えた方が良さそうです。
繰り上げ返済
元本の繰り上げ返済はどの会社でも可能だと思いますが、手数料や方法が異なるので注意です。
変動金利と固定金利どっちを選ぶ?
元本に対してどのように金利がかかるかの方式です。
最終の支払額に大きく関わるところなので、どちらを選べば良いかは非常に悩みました。
変動金利
固定金利期間選択型
全期間固定金利型
フラット35に代表される、全期間の金利が返済終了まで変動しないもの
以上3パターンが主なものと思います。
これを書いている現在は変動金利の最低水準は0.3%台で概ね0.5%辺りには収まる形で非常に低金利です。
固定金利については全期間が1~1.5%台という感じでしょうか
基本的に金利は元本に対して年でどれぐらいかかるかの年利で表示されますが、
5000万円の35年ローンで考えると総支払い額の違いは以下になります
変動(0.5%):54,512,928
固定(1.5%):59,279,996
金利の変動が入ってなかったり諸費用考慮してない単純計算になりますが、5000万円の場合は、1%変わると差額が500万弱出るのでなかなかな差になります。
逆に考えると変動金利の金利が一気に上がった場合はそれだけリスク要因になるということです。
つまり、変動金利の金利が上がるリスクが焦点になります。
変動金利は一般的に短期プライムレートに連動し、固定金利は新発10年国債の利回り(長期金利)に連動します。
連動するというのは、それらを基準金利として、銀行が引き下げ金利を設定し、借り入れに使用される年利が決まるという仕組みです。
基準金利(店頭金利) − 引下げ金利(優遇金利) = 借入金利(適用金利)
となると基準金利がどう変動するかを考える必要があります。
実は変動金利の基準金利となる短期プライムレートは2009年に1.475%をつけてから執筆時点まで10年以上変更されていません。
この期間も各社の変動金利は下がり続けたわけですが、これはネット銀行の台頭などで価格競争をして下がった形になります。
すでに原価割れとも言われる水準なので、変動金利がこれからも下がり続けるというのは考えづらいかと思います。
では短期プライムレートが今度どうなるかですが、「短期プライムレートには、1989年以降、都市銀行が短期プライムレートとして自主的に決定した金利のうち、最も多くの数の銀行が採用した金利」との事なので、各社が一斉に金利を上げ続けるとどんどん上がる性質のものかと思います。
しかし、前述の通り価格競争をしているなかで各社が足並みを揃えて金利を上げるとは思えません。
となると他の影響要因である日銀の政策などがポイントになりそうです。
固定金利に影響する長期金利は日銀の金利政策で0%付近で留まるようコントロールされています
この政策は物価目標2%を達成するまでは継続するものだと思いますが、これまでの数年は達成するような見込みは薄く推移していたと思います。
しかし、コロナや戦争により日本でも悪い形での物価上昇が起きているので、この流れで(当初想定したポジティブな形では無いですが)2%を達成してしまうのではという話もあります。
もし日銀の緩和政策が終了すると金利上昇は間違い無いと思われるので、仕組みだけで考えると固定金利を選択するのがリスク管理的には安全に見えてきます。
とはいえ、金利が変わらんかったら多くの場合で総支払額が数百万は変わる事になるんです。
変動金利の金利上昇は怖いけど、では本当に現状の固定金利を超える金利に即座になるのかを考えました。
たとえ日銀が緩和を終了したとしても極端な金利上昇が起こりそうになれば、また別の政策が行われると思います。ハイパーインフレ等の事故が起こらない限りはできる限り緩やかな上昇を目指すはずです。
緩やかな上昇と考えた場合、変動金利が1%を超えるまで上昇するには長期間かかるのではと。
以上を踏まえると、現在歴史的な最低水準である変動金利で様子を見るのが良いと考えました。
万が一ハイパーインフレが起こったとしても、返済額見直しは5年毎で、もとの返済額の1.25倍を超えないように調整されるので、返済がいきなり破綻するということはなく、必要であれば売却なども考慮し行動できるのかなという考えです。
ということで正解は無いと思いますが、我が家は変動金利を選択しました。
特約・保証
住宅ローンは基本的に死亡時には返済義務がなくなる団体信用生命保険への加入が必須ですが、それとは別にがん等の特定疾患と診断されたらその時点の残額を返済しなくて良くなったり、割引が行われたりする特約があったりします。
特約は追加すると年利にプラス〇〇%というような形で追加されます。
住宅ローンを組んだ瞬間にがんと診断されると大当たり。みたいな感じなのですが、例えば30年後に診断されたとしても5年分がなくなるだけなんですよね。
私の価値観でしかないのですが、自分が何か特定疾患になることを祈るような状況になるのは嫌なので、特約は何も追加しませんでした。
土地と住宅のローン本数
注文住宅の場合は建売購入とは異なり、土地をまだ持っていない場合は土地の購入を別にする必要があります。
この際のローンの組み方は以下2パターンに分かれます
土地と住宅を合わせて1本のローンを組む
土地と住宅を分けて2本のローンを組む
1本で組むと諸費用が浮きますが、建物のプランがその時点で固まって無いと使用するのは困難かと思います。
2本で組むと諸費用は倍かかりますが、土地購入してから1年以内程度に建物の引き渡しが行われば問題無いので、建物のプランを練る時間が生まれます。
我が家は2本で組みました。ペアローンなのでさらに諸費用はかかりましたね…
手付け金、着工金、中間金、残金
前の項目の図であったように工事の代金については、分けて支払わなければいけない施工会社も多いです。
それぞれ工事代金の10~30%ほど支払うので、手持ち現金で対応するのは難しいケースもあると思います。
その際に必要なのがつなぎ融資、または分割融資の対応です。
つなぎ融資と分割融資
つなぎ融資
住宅の引き渡し前に必要な資金を一時的に立て替えるためのローンが、つなぎ融資。住宅のローンとは別に組まれ、住宅ローンの融資実行(お金の受け取り)まではつなぎ融資の金利支払いを行い、受け取り時に完済するのが一般的
分割融資
つなぎ融資とは異なり、工事代金において着工金や引き渡し時の残金払いを分けてする場合に、住宅ローンの総額から分けて融資してくれるもの。つなぎ融資とは異なりローンを追加で組む必要は無い。
というものになります。
我が家の場合は分割融資で、支払われた金額分は住宅ローンで定まった金利が発生するという形式でした。分割融資とつなぎ融資の中間みたいな形ですかね?
この辺りは会社やローンの内容によって様々だと思いますので、事前に確認した方が良さそうです。
また、ネットローンでの有名どころはマンションや建売購入に特化したものが多く、そもそも分割融資に対応してないものがほとんどなので、注意が必要です。
どのローン組んだの?
三井住友の変動金利で分割融資を利用しました。
親族のつてでメインで利用してる三井住友を従業員割引的な優遇金利で利用出来ましたので、最安の金利では無かったですが利便性を考え決定しました。
つてが無かったとしたら、複数の銀行で仮審査をして金利が良いところを選ぶと思います。
ひとまず、みずほやりそなといった実店舗ある系銀行は注文住宅に対応可能です。
次は間取りとかこんな設備にしたとかの私的な話をしようかなと思います。
なかなか家づくりに辿り着かない…
息子のおもちゃ代になる予感です