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クィンシー前日譚 第45章

【リン・ロゥエン】

ルルイエに来てから今日で5日目。日々、座学と魔術訓練を重ねている。教師役は同じダイバーのメンバーで代わる代わる受け持ってくれている。ダナさんは呑んでいないととても博識でしっかりした人だった。彼女を見ると本当にお酒に溺れてはいけないと心から思う。

そして、とうとうその日が来た。

***

シルヴィ「やぁ、みんな揃ってるようだね」

彼女の後ろには恥ずかしそうに隠れながら様子を伺う少女。リンだ。

クィンシー「シルヴィさん!リンさんは無事に回復されたんですね!」

シルヴィ「ああ、クィンシー君、大丈夫だよ。もう二度と暴走する事は無いし体調も元気そのものだよ。ただね、、、」

シルヴィが言い淀む。

シルヴィ「、、、ちょっとパワーの制御が難しいみたいなんだよ。自覚が無いから治しようが無くてね。、、、、ミリアム君、すまないね。この部屋に来るまでの間、扉が3つほどひしゃげてしまったよ」

ミリアム「、、、え?ウソでしょ、、、ルルイエの扉はそうやすやすと壊れるものじゃ無いし、そもそも傷すら付けるのも難しいはずなのに、、、」

シルヴィの後ろから申し訳無さそうな顔をしたリンが前に出てきた。

リン「あの、、、ボク、、、ごめんなさい!」

ミリアム「まあ、悪気は無いわけだし、自分で制御が効かないのならばしょうがないけど、、、なんとか抑える努力をしてもらえると助かるわ。よろしくね、リン」

リン「はいっ!ありがとうございます!」

すごい元気だ。良かった、あの時助ける事が出来て。

リン「、、、あの、クィンシーさんですよね?シルヴィさんから聞きました。ボクを助けてくれたんだって。ええと、、、なんてお礼を言えばいいのか、、、」

クィンシー「お礼なんていいんですよ。私は私がやりたい事をやっただけなんですから。それに私だけじゃなくて、シルヴィさんや他にも大勢の人が手伝ってくれたおかげです。

元気になったリンさんの姿を見ることが何よりのお礼です」

リン「あの、、、今までボクは沢山の人に迷惑をかけてきてしまいました。大切な人も失ってしまいました、、、これから、ここで少しでも罪滅ぼしをさせて下さい!」

シルヴィが私を見て言った。

シルヴィ「彼女のためにも、今までの経緯は全て教えたよ。まあ、ここにいるメンバーの殆どが何かしらの重い運命を抱えているからね。似た者同士ってことさ」

シルヴィが周りを見渡す。

シルヴィ「うん、新しいメンバーもだいぶこじらせているコばかりのようだね。楽しくなりそうだ♪では、さらに追加のメンバーを紹介するよ」

すると、リンの後ろからローブをすっぽり被った小柄な人影が現れた。ローブの裾から見えるボサボサの長い髪、、、見覚えのある赤と白の衣服、、、

???「、、、防疫修道会より派遣されました、、、」

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