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Ep寥廓たる地の参銃士 第0章

【イントロ】


あれから私はクィンシーを継いだあとの記憶のほとんどを失った。そのうえでノルンの計画に協力し、計画自体は失敗したものの結果的には全て丸くおさまった。
私は今、ルルイエのホールでコーヒーを飲んで寛いでいる。

ノルン「あ、クィンシー。兄さんを知らないかい?」

クィンシー「あ、先ほどフラウさんと一緒に亜紗花さんのところに行くって言っていましたよ」

ノルン「え!私を除け者にして!追いかけなきゃ!」

今はみんなルルイエで、平和な日々を過ごしている。途中、ハエレシスという組織の襲撃もあったが、彼とみんなの力で解決した。

ロゼット「クィンシー様。亜紗花様とフラウ様がお菓子を作ったとのことで、皆様に配っています。お一つどうぞ」

クィンシー「あ、ロゼットさん。ありがとうございます。あとで御礼を言っておきますね」

ロゼットはペコリと頭を下げ、他のみんなのところに持って行くと言って足早に行ってしまう。

クィンシー「あ、ロゼットさん」

ロゼットが立ち止まって振り向く。

クィンシー「、、、いえ、何でもありません。急に呼び止めてしまってごめんなさい」

ロゼットはもう一度頭を下げて行ってしまった。

この空虚感。はじめに比べてだいぶ慣れてきたのだが、きっと私が復活した際に忘れてしまったものなのだろう。

『ロゼットさん、、、』

とても大切な想いだった気がする。いつか思い出す時は来るのだろうか、、、

***

ソーカ「あ、クィンシー。そろそろ捜索の時間だよ。ゲートまで行こ」

クィンシー「あ、はい。分かりました」

今日も捜索だ。物思いにふけるのは一旦やめて、集中しよう。

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