#4 ソロキャンプとジーンズ
このお話は私たち近畿大学山縣ゼミ生がアパレルブランド「オールユアーズ」をテーマに書き上げた「オールユアーズの物語」である。オールユアーズと様々な価値観を持つ一人ひとりの物語を紡ぎ出す。
今回は「ハイキックジーンズ」を着てプライベートを満喫している大学生の日常を描いた物語である。
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私は田中聡(たなか さとし)。
年は21。
大阪の大学に通っていて、今は奈良の実家で暮らしている。
趣味はソロキャンプだ。
学校や、友達、家族、コミュニティが嫌な訳では無いが1人で過ごす時間が欲しかった。
何も考えずに好きな音楽を聴いて、焚き火を眺めながら飲む酒、いつでもテントに帰って寝ていいし、行儀悪くご飯を食べたって許される、そんな贅沢な時間を味わえるのがソロキャンプである。
今日はキャンプ場に行こうと思う。
家で昼ご飯を食べ終え、キャンプの時の格好に着替えた。
上はマウンテンパーカー、下はジーンズだ。
マウンテンパーカーは、風が強い中1着あるだけでホントに心強い。
山での快適さが変わってくる。
ズボンは虫に刺されない、丈夫な長ズボンを履けば良いだけなのだが、
自分がヴィンテージジーンズのような見た目が好きだからいつもジーンズ着ている。
もちろん結構歩くから、動きやすく履き心地が良いものを選んでいる。
焚き火台、タープ、テント、ポール類、ナイフ、アルミホイル、ウォーターボトル、まな板・包丁、クッカー、ランタン、メスティン・シングルバーナー、ランタン、チェア、寝袋、エアマット
をバックパックに詰め、出発した。
14:00
キャンプ場に到着すると、まずはチェックインを済ませた。それが終わった後、設営場所を探していると、良い感じの場所が見つかったので設営を始めた。
ポールを差し込んだり、紐を引っ張る作業は何度も立ち上がり、しゃがむことを必要とするの動きが多い。
動きやすいズボンのおかげであまり疲れず、また手馴れた作業のおかげもあって1時間ほどで出来た。
どの向きで、どのポールを、どこに入れていけばいいのか、初期の時は全然わからなかったが、今では手馴れたもので比較的早くなった。
設営が完了したので、
暗くなってからだと手元が見えにくいなど、色々と不便なのでそのまま寝袋の準備も終わらした。
軽く散歩がてら薪を探していく。
薪はよく乾燥しているものが望ましい。
すぐ見つかる時もあれば、探すのに結構時間がかかる時もある。
今日は設営した付近には良いのがなかったので少し離れた場所まで、探しに行った。
乾燥してる木が沢山おちている場所にたどり着いた。
歩きやすい靴と伸びが良いジーンズだったのであまり疲れずに済んだ。
見分け方としては、枝を折ってみてパキッと割れるものが乾燥してる証拠だ。
ある程度集まったので、テントに戻っていく。
16:00
夕食の準備を始めていきたい。
飯盒で米をたき、
スーパーで買ってきた、食材を食べやすいように切っていく。
一通り下準備を終えたので、これから食材をひたすらに焼いていきたい。
ただ、今日はただ焼くだけじゃなく、岩塩プレートで焼いていく。
岩塩プレートとは文字通り岩塩をプレート状に切り出したもので
網やフライパンなどが無くても、この岩塩プレートを直接火にかけ、その上で食材を直接焼くことで調理が可能だ。
ただ、肉汁で表面が汚れてしまうので、野菜から焼いてく。
まずはそのまま食べ、その後は醤油で楽しむ。
小さい頃は野菜が嫌いだったのに、今では野菜を好んで食べているのは何となく自分が変わっていることを感じさせる。
次に、メインの肉を焼いていく。
肉の焼ける香り
ただ、それだけなのに
食欲はさらにそそられる。
焼き加減が頃合になったので 、口へ肉を運ぶ。
美味いっ
ただ、焼く
その一手順だけでここまで美味いものができる牛さんに感謝したい。
しかし、今回は岩塩プレートがさらに肉の旨味を引き立てている。
塩気が絶妙で網焼きとは違った素晴らしさがあり、ご飯を掻き立てる箸が止まらない。
一通り食べ終えたところで、締めの焼き芋をアルミホイルから開く。
ホックホクで黄金色に光っている部分を齧る。
全身にさつまいもの甘みと暖かさが体全体に染み渡った。
これだから、キャンプでの飯は止められない。
19:00
ランタンをつけ、
好きな音楽を掛けながら、ゆっくりする。
この世で1番自由な時間だなと感じつつその時間を楽しんだ。
21:00
22時になると消灯時間になるので、軽く散歩をした。
足下が暗く、木が引っかかたりしたが、丈夫なジーンズのおかげで傷がつかずに済んだ。
見晴らしの良い場所に到着し、空を見上げるとそこには満点の星空があった。
市街地では見れない星々も山の澄んだ空気だとハッキリ見える。
この時間だけは景色を独り占めして自分だけの世界に居るようで、とても気持ちが良い。
22:00
夜空を満喫した後、テントに戻りランタンを消し、
眠たくなったので寝た。
8:00
起床
テントからでると、気温が変化する。
冷えた空気が気持ち良い。
空気を感じて、体が整い起きた感じがする。
小腹が空いたので、コンビニで買ったインスタントのしじみ汁に熱湯を注ぐ。
2分経ったので、飲む。
しじみに感謝。
しじみの旨味が体にエネルギーを送ってくれる。
今日1日頑張る気合が入った。
9:00
片付けを始めていく。
テントを貼った場所の整地、ゴミの後始末などはキャンプ場ごとにルールが決まっているので、それに従っていく。
来た時以上に綺麗にするのがキャンパーとしてのルールだ。
一通り片付けが終わったので、帰宅する。
三限から授業だが、なんとか頑張れそうだ。
世の中にはごちゃごちゃ考えないことが多すぎる。
お腹が空いたから食べる
眠たいから寝よう、
日が出てきたからなんか活動しよう
キャンプはそんな原始的で単純なことしか考えなくていし単純な欲望を叶えさせてくれる。
だから、これからも私はキャンプをしたい。
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