憧れのエルメス「ケリー」は、女性の一生に添い遂げるバッグ
エレガントさが魅力の、エルメス(HERMES)の「ケリー(Kelly)」。メゾンのアイコンバッグであり、幅広い世代の女性から支持されている、憧れの象徴でもあります。そんなケリーバッグの特長、大きく分けたふたつのパターン、素材やカラー、サイズラインナップとともに、実際のアイテムを価格もあわせてご紹介します。ケリーバッグが幅広い世代の女性から支持されている理由を紐解いていきましょう。
誕生から20年を経て、「ケリー」と呼ばれるように
エルメスのアイコンバッグの一つとして知られる「ケリー」ですが、1935年に誕生したときは「サックアクロア」という名称でした。「ケリー」と呼ばれるきっかけとなった有名なエピソードは、ご存知の方も多いかもしれませんね。
妊娠中のモナコのグレース公妃が、持っていたバッグでお腹を隠した写真が雑誌の表紙を飾ったことで、そのバッグも一躍脚光を浴びました。そのバッグこそが、サックアクロア(現ケリー)だったのです。大人気の元ハリウッド女優グレース・ケリーが持っていたバッグとして有名になり、1956年、エルメス社はモナコ公国の許可を得て、正式に「ケリー」と名前を改めたのです。
誕生からおよそ20年を経て新たな名前を授かり、アイコンバッグとしての地位を確立しました。
ケリーの魅力は、品の良い上品な佇まい
ケリーの印象といえば、まず「エレガント」という言葉が思い浮かびます。エレガントで上品なデザインのケリーは、きちんと感を演出したい時に活躍してくれるバッグ。素材やコーディネート次第ではカジュアルなコーディネートもOKですが、どちらかというとキレイめのファッションと相性のいいバッグと言えるでしょう。
和装にも合うことから、一生もののよそ行きバッグとして奮発される方も多いのだとか。ケリーの上品で飽きのこないデザインは、年代や流行を問わず、多くの女性に愛されています。
ケリーの特徴やディテールを、詳しくチェック!
世の女性を虜にする、エルメスのケリーバッグ。その魅力はエルメスらしいこだわりが詰まったデザインにも表れています。ケリーらしさを感じるデザイン的特徴や、ディテールなどをチェックしていきたいと思います。
一歩踏み込んだこだわり ― 「内縫い」と「外縫い」
ケリーには、「内縫い」「外縫い」という2種類の縫製があることをご存知ですか?外縫いとは、ステッチが表面に見える製法で、かっちりとした台形フォルムが特徴。内縫いは、外縫いを裏返した状態のもので、縫い目が表に出ず角が丸く柔らかなフォルムです。
ビジネスシーンやちょっとかしこまった席にはきっちりした印象の外縫いを、フェミニンで柔らかな印象にしたいときには内縫いを、とTPOや演出したい雰囲気によって選ぶのがおすすめです。
写真左側が「内縫い」で、右側が「外縫い」。同じカラーで並べてみると、違いが分かりやすいですね。
ショルダーストラップ、底鋲など、機能的なディテールも充実
エレガントなバッグでありながら、底面にはしっかり4つの底鋲が付けられていて、多少重いものを入れても大丈夫なように強度や機能面もしっかり考えられています。そのあたりは、さすがエルメスといった心配り。
ケリーにはショルダーストラップが付属しているので、ショルダータイプにして使うことも可能。ミニやミニミニサイズでは、ショルダータイプで持つスタイルが人気です。
ケリーを象徴する3つのパーツ
一目見て「ケリーだな」という印象を受けるのは、特徴的なパーツが醸し出す、独特の洗練されたデザインによるところが大きいのではないかと思います。そんなケリーらしさを醸し出すのに欠かせない特徴的なパーツといえるのが、“カデナ” “クローシュ” “クロア”の3つです。
バッグとフラップを止める開閉金具付きベルト、「クロア」。その金具部分についている南京錠、「カデナ」。そして、カデナ用の2本の鍵を収納したストラップ付きのキーケースが「クローシュ」です。台形の優美なフォルムにこれらのパーツが加わることで、お馴染みのケリーらしいヴィジュアルが完成するというわけです。
「使いやすさ」を重視した、人それぞれの持ち方スタイル
上記の3つのパーツは、ケリーの特徴でもあると同時にデザイン的な魅力でもあるのですが、「使い勝手」を考えたときには少々不便なこともあるようです。開け閉めの度にベルトを外したり南京錠を外すのは手間がかかる、ということでカデナを付けずに持ったり、開閉金具を止めず持ったりという声をよく聞きます。人それぞれ、使い勝手に応じて「自分流」のケリーの持ち方があるというのは、非常に興味深いですね。
ケリーの素材
トリヨンクレマンス
・エルメスの定番素材のひとつ
・型押しした牛革で、傷がつきにくいので普段使いの方におすすめ
・見た目の印象はマットで柔らかい感じ
・美しく発色することから、カラーバリエーションが豊富
トゴ
・こちらもエルメスの定番素材のひとつ
・自然な皮目の風合いが楽しめる雄の仔レザー
・滑らかなテクスチャーが柔らかく、ケリー内縫いタイプに多い
・経年により皮革の風合いが変わり、自分だけの色合いが楽しめる
ボックスカーフ
・フォーマル素材の代表格
・表面がガラス加工された、光沢のある仔牛のレザー
・ボックスカーフとの組み合わせは、ケリーを最高にエレガントに仕上げる
・和装にもぴったり
ヴォー・エプソン
・張り感があるのでフォーマルにもカジュアルにも使える
・光沢のある、細かい型押しがされた仔牛のレザー
・型崩れしにくい素材なのでケリーの美しい形状が保ちやすい
・軽量で持ちやすい
エキゾチックレザー
・高級ラグジュアリー素材
・写真のアリゲーターは艶やかで、エレガント
・リザードは細かい鱗が光を放ち、ドレッシー
・クイルマークが個性的なオーストリッチは非常に希少
ケリーのカラーバリエーション
エルメスの定番人気色である、ゴールドは明るめのブラウン。次いで人気のエトゥープはグレージュで落ち着いた印象を与え、ブラックやベージュなどのベーシックカラーとともに、合わせやすいカラーとして人気のようです。
小さいサイズのケリーであれば、エルメスカラーのオレンジや、カジュアルカラーとして人気のブルージーン、大人なレッドカラーのルージュカザックなど、差し色になるような明るいカラーも人気のようです。
ファーストケリーには、ブラックが一番人気。フォーマルなイメージが強いケリーですから、ブラックを買うのが無難であり、もしスタイリングの好みが変わっても影響が少ないというのも人気の理由です。
実は幅広い、ケリーのサイズラインナップ
ケリーには一般的に流通している4つのサイズ展開のほかに、非常にレアな4つのサイズがあります。それぞれのサイズの収納力を分かりやすく比較していきましょう。
ケリー25
サイズ:約W25×H17×D10.5cm
一番小さいサイズですが、長財布やスマホ、ハンカチにポーチなど、女性の必須アイテムはしっかり入ります。フォーマルシーンやデートでドレスアップしたスタイリングが映えるサイズ。もちろんカジュアルにミニバッグとしても使えますよ。
ケリー28
サイズ:約W28×H22×D11.5cm
25から幅3cm、高さ5cmUPした28は、A5手帳も収納できるので普段使いできるのに、上品なフォルム。大きすぎず、小さすぎずという絶妙なバランスで、和服に合わせる方にも人気のサイズです。
ケリー32
サイズ:約W32×H23×D12cm
28をワイドにした32はタンブラーなども入るので、長い時間のお出かけが可能に。ケリーの美しいフォルムを保つには、バッグいっぱいに詰めるのはNGなので、いつものアイテムを入れてもゆとりのある32はとても人気の高いサイズです。
ケリー35
サイズ:約W35×H25×D13cm
35はA4書類が難なく入るので、ビジネスにも問題なく使えるサイズです。ビジネス用に購入検討されている方は、サイズも大きいので、比較的軽いヴォー・エプソンの素材をおすすめします。
レアなサイズ
ケリーのレアサイズには、通称ミニミニケリーと呼ばれる15cm幅のアクセサリーポシェットのような小さなものから、2、3泊の旅行でもOKの50サイズとワイドレンジな展開です。ミニサイズや大きめのサイズはあまり市場に出回っておらず、なかなかお目にかかることはありません。
※製造時期や素材によって、同一商品の同サイズであっても大きさの違いなどの個体差があります。あくまで目安とお考えください。
憧れのケリーバッグはエルメス唯一無二の存在
エルメスの象徴「ケリー」。美しくエレガントな佇まいは、エルメスの気品やエスプリを存分に味わうことができる逸品。内縫いや外縫いで見せる顔を変え、その人気からサイズや素材、カラーラインナップを多くそろえているので、きっと自分に合ったケリーを見つけられることでしょう。
また、ケリーには縦長のケリーアドをはじめとしたバッグコレクションとともに、時計や財布、靴、さらにはアクセサリーまでシリーズ展開しています。ケリーに魅了された方にはたまらないラインナップですよ。
世の女性が憧れてやまない「ケリー」は、エルメスの気品をもっとも表すバッグ。いつものカジュアルな組み合わせでも、ケリーを持つだけでクラスアップできます。そして和装洋装問わず、フォーマルシーンにはコーディネートに重厚感を添えてくれます。ケリーはきっと、女性の一生に添い遂げるように作られたバッグ。そんなケリーをあなた色に染めてみてはいかがでしょうか。