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四国で八戸せんべい汁に込めた思い

ミュージカル「おれたちは天使じゃない」各地大好評で巡演を続けている。

四国5ヶ所、高知、松山、多度津、徳島、香川の公演が終了した。10月に四国の八幡浜と、四万十、それから11月頭に、東北へ移動、昨日の高松で、中日を迎えた。
なかなかコンビニ食以外で食べる時間のないカンパニーに、時々楽屋で温かいものを作っている。東北の八戸でカーテンコールのプレゼントにいただいたせんべい汁を、どこかで食べようと、高松で準備していたその朝、八戸の大事な恩人が天国に行ってしまった。演劇というものを知らなかった私に、その情熱を教えてくれた人の一人だった。何も知らなかった私を、遠くからいつも応援してくれていた。八戸へ行けばいつも明け方まで飲んでいた。そんな元気な人だった。イッツフォーリーズの代表作、50年上演し続けているミュージカル「おれたちは天使じゃない」をまだ八戸で見たことがないと、是非やりたいと声をあげてくれた人だった。30年、私が制作として成長できるよう、いつも声をかけてくれた。私だけではない。演劇界で、この人に声をかけられて、頑張ってきた人は何人いるだろう。尊敬する鵜山仁さんも、まだ駆け出しのころ、八戸でこの事務局長のお世話になったと現地で聞いた。いろんな想い出を残して、あの人は、穏やかに旅立った。
四国の高松の楽屋で、せんべい汁を作りながら、いろんなこと思い出していた。この「おれ天(おれたちは天使じゃない)」は病院で見てもらえなかったが、登場人物の光子の「天国に帰るのね〜」という言葉と重なり、涙が出てきた。きっと、この声が届いていること願っている。
どうかどうか、穏やかに、そしてこれからの演劇界の発展を、天国で見守って下さい。
演劇という力を信じて、これからの演劇を支える人たちを真摯に応援してくれた大切な人。
私たちは、忘れず、八戸の、そして東北の、全国の、演劇運動の発展を、精進して頑張らなければならないと心に思う1日だった。
合掌

八戸市民劇場   本木隆志 73歳 2024年11月25日逝去

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