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肺癌?
プロローグ
昨年末のCT撮影から、僅か1ヶ月。
俺がなんとなく考えていた人生計画みたいなものは全てどこかに飛んで行った。
家庭、両親、仕事、趣味、老後、それぞれ大それた野望がある訳では無いけど、なんとなくそうなれば良いなぁ、くらいに思ってた諸々の事。俺の人生はいつもたくさんの幸運に助けられていて、振り返るとあまり嫌な事、苦労した事、やり残した事ってのが思い浮かばない。なので、将来の事もなんとなく思ってれば、大抵のことは出来ちゃうんじゃ無いかな、なんて思ってた。
でもこの数週間で、驚くくらい自分の置かれた環境が一変した。外からみたらあまり変わってないのだろうけど、俺の心の持ちようというか世界の見方は大きく反転してしまった。
ただ意外なのは、自分でも不思議なくらいそれを受け止めていること。色々なことを考えると、まるでこうなることが決まっていたみたいな気すらする。(そんな訳ないか)
はじまり
正月明けて最初の週に、総合病院の呼吸器外科を紹介されて、良性と思われた左葉の小さな結節18㎜を予防的に切除する事にした。続いて受けた手術前の精密検査で造影剤CT、造影剤MRI、PET-CTを行った結果、どうやら良性とは言えない事が判明。腫瘍マーカーが反応し、NSEとProGRPの値が高い値を示し、肺門のリンパも腫れているとの事。不幸中の幸いは今のところ脳や多臓器への転移はみあたらず、左肺のリンパまでで留まっていると見えるらしい。もともとの予定では悪い所だけを切ってしまえばそれでおしまい、という話をしていたものの、急遽、外科手術の予定を変更して、気管支内視鏡による生検を行う為に検査入院する事になった。
これまで散々バイク乗り回したり、好きなもの食べて飲んでたのに、幸いにも怪我でも病気でも入院した事は無かった。歯医者すらあまり世話になった事も無いくらい。ただ今回ばかりは臨床のデータを見る限り、小細胞肺癌の疑いが高い。だとすると残念ながら予後にあまり期待は出来ないと考えるべきだろう。
小細胞がんの場合、一部の例外を除いて外科的な手術はしないというのが標準治療らしく、放射線と抗がん剤治療にこのままの流れで突入するのか、ちょっと立ち止まって残りの時間を自分らしく使うのか、大きな選択になりそうだ。まだ中学生と高校生の息子を残してあっち側に行くのはちょい早い気もするが、このあたりは悩み中。
昔から人生を達観してるというか、割り切って見てる人なので、今回の診断結果を聞いた時も、そこまでのショックは無かった。その後、3日位、一気に色んなシナリオを考えたけど、もう3年後の事を考えても仕方ないんだろうし、体力も判断力もあるうちに準備できるという意味で、がんは優しい病気だなとすら思う。人はいつか死ぬものだし、バイクで事故したり、突然人生を終わる事と比べたら色んな対応が出来る事を有効に使いたい。同じ境遇の人は何を重視するんだろうね。
多分これから色々と揺れるんだろうけど、とりあえず今の気持ちです。
今日行った気管支内視鏡は経験者のブログとかを見ると「陸で溺れる」とか書いてあって泣きそうだったけど、鎮静剤のお陰であっという間に終わった。医療の進歩に感謝。
明日は退院して、生検の結果がでるまで2週間程度の待機時間。
とりあえず仕事の整理をして、美味しいものを食べておこう。