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小細胞がん

まだ確定診断前なので、出来れば違っていて欲しいのだが、俺が罹患したのは悪名高き「小細胞がん」というやつと思われる。腫瘍マーカーの値が顕著に出ているので、おそらく間違いなく、稀に大細胞がんの場合にも似たような数値が出ることもあるらしいが、まあそんな都合の良いこともなかろう。

で、この小細胞がんってなによ、ってことになるのだけど、ネットで肺がんを調べるとただでさえ暗くなる事しか書いていないのだけど、どのサイトをみても「小細胞がん」と「非小細胞がん」という分け方をされていて、ステージ毎の治療の選択肢とか、予後の生存率とか、書かれている情報の80%以上は「非小細胞がん」の話しか載ってない。「小細胞がん」については、もはや語る事もあまりなくてすいません、みたいな、もう触れるのも気まずい、みたいな扱いになっている。俺も人並みになんかいい話ないもんかなと、色々と探してみたのだけど、まぁ、じたばたする気もなくなるほどないね。うん。

これまでの人生において、いろんな形の死とか不幸を見てきた訳だけど、生きている間にここまで完膚なきまでに希望を持つ事を許してくれないケースも珍しい気がする。事故で体が不自由になったとか、半年入院したとか、色々な不幸はあるけれど、それらも命は永らえる前提での話であって、どこを探しても数年先の話が無い、ってのはなかなか想像を超える条件設定だよね。あまりにも議論の余地のなさそうな事実の前に、一人の人間としてもはや抗う気にもならず、「そうきましたか。神様さん」みたいな境地にすらなってしまう。

さっき、ここ数日、中国の生成AIとの争いが話題のChat GPT先生に聞いてみた。「治療しなかったらどのくらい動けるの?」
「一般的に、限局型SCLCを治療しなかった場合の平均生存期間は2~4ヶ月程度とされています。ただし、年齢、体力、合併症の有無によって個人差が大きいです」

わお、聞かなければよかった。先週入院前に二郎食べたのに?
あまりにも無慈悲なので、一応、「標準治療をした場合はどのくらい動ける?」と聞いたら、

  • 治療中(1~3ヶ月):副作用があるが、軽い活動や散歩は可能。

  • 治療後(3~12ヶ月):がんが縮小すれば、体力が戻り、日常生活を普通に送れることも。

  • 1年以上:再発しなければ、活動的に過ごせる期間が延びる。ただし、多くの人は再発する。

と、少しは優しい事を言ってくれたが、一方で殆どのケースで再発する、とも書いているので、これまた厳しいご意見。

こんな立場に置かれる事はまったくもって想像すらしていなかったので、何から手を付けるか整理しなければいけない。そんなに早いのならいっそ治療しない、というと、ほんとに何も準備が出来ずに終わってしまうので、治療はするけど、その間に色々と終活をして出来るだけの事を家族にしてあげたい、というのが今の正直な気持ち。

更にこう言ってしまうと語弊しかなく、批判をいただく事を承知で書くと、下手に治る可能性のある病気に比べるとなんとも潔いものかと思う。もし、あれもできる、これもできる、こんな人もいる、みたいなケースだと、きっともっと違う思考回路になるのだろうけど、じたばたしても結果は変わらないといわれると、潔く準備に最善を尽くせるというのも皮肉なものだ。

さすがに家族にこの書き込みを見られると怒られるんだろうな。
個人を特定されないように少々IDを変更してみましたが、これからもぼちぼちと綴っていきたいと思うのでご容赦ください。

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