【無料オンライントークショー】「本を深読みすること」秋満吉彦 × 鹿島茂
NHK Eテレ『100分de名著』の名プロデューサー秋満吉彦さんとALL REVIEWS主催の鹿島茂さんの読書対談。秋満さんはこの日の課題本『この1冊、ここまで読むか』について、ご自身のメモをボードに貼り付けてくるなど用意万端。
読み解く力が高いお二人、読書についての話が転がっていきます。オンラインのトークショー(無料公開中)の一部をご紹介。興味を持たれた方はぜひご視聴ください。
※対談は2021年3月29日に行われました。
『この1冊、ここまで読むか』をここまで読み込んだ秋満さん
秋満さんは本日取り上げる『この1冊、ここまで読むか』をじっくり読み込み、鹿島さんに聞きたいポイント3つをメモにまとめて対談に臨みました。流石、テレビのプロデューサー、段取りが素晴らしい!!
『この1冊、ここまで読むか!』はALLREVIEWS友の会で鹿島さんが月1回行っている対談のうち6本を本にまとめたもの。秋満さんはこの本のポイントを上記の3点にまとめ話を進めていきます。
1)の本の内容を超えた発展的読みとしてあげられたのは『論語』の出口治明さんとの対談。普通、「論語」を読むといえば、淡々と論語を読んでいくイメージですが、この対談では、鹿島さんがフランスのサン=シモン主義、出口さんが諸子百家を持ち出すという教養の広がりをみせます。思わぬところに話が行きつくところが読書対談の魅力です。論語を終生の愛読書とした渋沢栄一についても話が飛んでいきます。(noteは友の会会員が自発的にまとめたものです。以下同様)
2)の執筆背景を深める読みのとしてあげられたのは『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』の内田樹さんとの対談。内田さんのマルクス主義がアメリカに入った背景の議論が秀逸。リンカーンとマルクスが同時代ということはなかなか気づかない。
3)のジャンル横断的な読みは『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』。対談相手は楠木建さん。DVDを郵送で貸し出すことから始めたNETFLIXの成長の物語をまるで映画のように語る楠木さん鹿島さん。『この1冊、ここまで読むか』のトップに収められているのがこの対談。本にぐっと引き寄せられます。
さすが100分de名著の名プロデューサー、しっかりと読み込んでいます。
サラリーマンへの指南書『行く先はいつも名著が教えてくれる』
話は秋満さんの著書『行き先はいつも名著が教えてくれる』に移ります。秋満さんが折々に読んだ本をまとめたもの。例えば、秋満さんは『茶の本』を読むとき、自分の職業人生と重ね合わせて、まるで答え合わせをしているような気がするといいます。鹿島さんは、中間管理職の難しさを書いた部分が面白かったといいます。
ご紹介したのは対談の一部です。ご興味を持たれたらぜひ、対談をご覧ください。最後に秋満さんより今後の100分de名著の予定が紹介されます!
ちなみに4月の100分de名著は渋沢栄一の『論語と算盤』。
鹿島さんは多くの「渋沢栄一本」を手掛けています。こちらも書店で見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。鹿島さんのオススメは別冊太陽。平凡社が持っている写真は素晴らしい。
【記事を書いた人:くるくる】
【「ALL REVIEWS 友の会」とは】
書評アーカイブサイトALL REVIEWSのファンクラブ。「進みながら強くなる」を合言葉に、右肩下がりの出版業界を「書評を切り口にしてどう盛り上げていけるか」を考えて行動したり(しなかったり)する、ゆるい集まりです。
入会すると、日本を代表する書評家、鹿島茂さんと豊崎由美さんのお二人がパーソナリティーをつとめる、書評YouTube番組を視聴できます。
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友の会会員の立案企画として「書評家と行く書店ツアー」、フランスのコミック<バンド・デシネ>をテーマとしたレアなトークイベントや、関西エリアでの出張イベント等が、続々と実現しています。2020年以降はオンライン配信イベントにより力をいれています。
さらに、Twitter文学賞の志を継承した「みんなのつぶやき文学賞」では、友の会会員有志が運営にボランティアとして協力。若手書評家と一緒に賞を作り上げていく過程を楽しみました。
2021年2月には、鹿島茂さんとの対談6本をまとめた『この1冊、ここまで読むか!超深掘り読書のススメ』が祥伝社より刊行されています。
本が読まれない時代を嘆くだけではダメだと思う方、ぜひご参加ください。
ALL REVIEWS友のTwitter:https://twitter.com/a_r_tomonokai
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