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田中正造伝記33

井戸塀政治家という言葉が
あります。
文字どおり政治活動に資産を
つぎ込み、死の間際に財産や
その人物の後継者(世襲ではない)
を作れなかった政治家を指します。
その意味では
田中正造は「しくじり政治家」
と言っていいかもしれません。
現代の日本社会においても
「政治家はカネに汚い」と嫌悪感を
持つ人が殆どですが、
完全には同意できません。
もちろん金儲けのために政治を利用するのは論外ですが、
政治をうまく回すためには
相応のコストが必要という事は
理解しておかないと、
今の閉塞した社会に風穴を開ける
ような奇特な政治家は
生まれる事はないでしょう。

話がそれました。
明治の中期になると、
殖産興業が進み、これまで生糸しかなかった外貨獲得手段が、銅の生産で
増えて行きました。
そして、その銅の産出地こそが、
日本初の公害の発生源であり、
田中が政治生命を賭けて闘った
「足尾銅山」

だったのです。

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