飲食店の意味だったり意義だったり。

全ての飲食店は三ツ星になる必要はない、目標にする必要もない、当たり前だが。

全ての料理はインスタ映えする必要はない、それを目的にする必要もない、当たり前だが。

来る人のシチュエーションで店があって、料理やお酒があって、来てくれた人が帰るときに少しだけ、その人のためになっていればいい。

▼シチュエーションいろいろ

・ひとり。冬の時期、残業した後に帰り道には『おでんと熱燗』がいい、帰り道、赤提灯が灯る割烹着が少しきつそうでパーマをあてた女将さんがいる小料理屋へ。おでんはやはり出汁がシミシミ大根かな。熱燗は辛口純米あたりをカウンターで。しみる~【よく今日は頑張ったな、わたし】 頑張った彼女のためになっている。

・ふたり。仕事が人間関係でうまくいかない、不器用な真っ直ぐ生きる事に意味がある~と思っている地方出身長男坊。仕事も人間関係もソツなくこなす東京都出身次男坊、地方出身者長男坊の後輩社員。地方出身者長男坊先輩の誘いで仕事場近くの大衆居酒屋へ。そんな日は『鶏のから揚げとハイボール』がいい。先輩がいろいろ女々しい仕事の愚痴で始まり中盤位からは鶏のから揚げでお腹も満たされハイボールで酔い、愚痴を言ってすっきりしたため後輩が好きな元のおもろい先輩に戻って笑いあう。 愚痴を聞いていた後輩のためなっている。(鶏のから揚げとハイボールのお陰で愚痴は短くてすんだ)

・ひとり。休日の朝、都市近郊の山へ登山。意外と1,300メートルの山もきつい。上り下りで4時間半、日頃の運動不足もたたり下山中に足の踏ん張りもきかずに2回尻餅をつく。程よい疲れでまだまだ日は高く、最寄り駅にもどり小腹へる。こんな時は地方駅にある町中華で『焼き餃子と瓶ビール』が程よく疲れた体にはしみる。天井からぶら下がるテレビからプロ野球のデーゲームが流れている、パイプ椅子を引いた音を懐かしく思いながら餃子と瓶ビールを注文。テーブルの上に瓶ビールとビアタングラス越しで天井からのテレビ、充実している休日感が彼を包む。 山登りを頑張った彼のためになっている。

全ての店が凝った料理でなく昔ながらの素朴な料理でいい。すべての店の接客が良くなくていい、ぶっきらぼうな笑顔から出されるサービスのメンマが美味しかったりする。すべての店の料理が色とりどり鮮やかでなくていい。すべてが一緒じゃなくていい。すべての店が流行りを追う必要はない。そんな無味無臭な店にしなくていい。

やりたい店、やりたい料理をやればいい。それを楽しんでくれる人を大事に日々精進すればいい。その方が町の色は色とりどり鮮やかになる。

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立花 啓 kei tachibana
お店の再開に向けて。災害に強い飲食店を目指して日々思考工夫して頑張りたいと思います。応援よろしくお願いいたします。