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メンバーは現役CAや機長!音楽でお客様との絆を結ぶ「HNDオーケストラ」10年の軌跡

軽快にフルートやサックスを奏でるのは、普段は空港・機内でおもてなしをするグランドスタッフとCAたち。トランペットを吹き鳴らすのはベテラン整備士、ドラムやベースはなんと機長! 実は、彼らはANAグループ社員有志による「ANA Team HND Orchestra」(通称・ハネオケ)のメンバーたち。それぞれの業務をこなしながら演奏活動を続け、今年10周年を迎えました。今年は葉加瀬太郎さんやTUBEとのコラボ演奏も実現するなど、活躍の幅を広げています。リーダーの崔さんは「活動の優先順位は、まずお客様のため、次に会社のため、最後に自分たちが楽しむため。この順番が重要なんです」と語ります。常にお客様の笑顔のために。そしてその笑顔に自分たちも支え続けられてきたという10年間を振り返ります。

2019年ANAグループ入社式で演奏
2021年TUBEとコラボ演奏。羽田空港第2ターミナル国際線出発ロビー

震災復興イベントでかけてもらった、忘れられない言葉

きっかけは2011年、東日本大震災で多くのイベントが自粛になる中「何か自分たちにできることはないか」と発足しました。20代~60代まで、多種多様な職種のメンバーが集まり、イベントなどで年間15、6回の演奏をしています。

崔さんには、忘れられない出来事があります。それは、2012年、南三陸町での復興イベントで演奏を披露したときのこと。いつものように演奏を終えると、ある観客の女性が近づいてきました。その女性は、当時のフルート担当の手をぎゅっと握り、涙を浮かべてこう言いました。
「私たちのためにありがとう。これからも活動を続けてくださいね」。
「『復興のお手伝い』で参加したつもりだったのに、自分たちの方が温かい気持ちにしてもらえました。決して上手とは言えない演奏だったと思いますが、一生懸命な思いが伝わったのかもしれません」と崔さんは振り返ります。演奏でお客様を笑顔にでき、その笑顔で会社も、自分たちも嬉しくなれる。メンバーの中には、ハネオケでの演奏活動が働くモチベーションだという人も増え、初めは7人だったメンバーは、111人にまで増加しました。

2012年、南三陸町の中学校にて演奏した様子

「せめてハネオケだけでも・・・」クラファンでライブ演奏会に挑戦

しかし、2020年、新型コロナウイルス感染拡大により、活動は一時停止に。それどころか、相次ぐ減便で、仕事すら満足に出来ない日々が続きました。
「このまま何もできないままでいいのか」

働きたくても働けない焦りやいらだちからか、メンバーからはそんな声さえ聞こえてきました。せめてハネオケだけでも、できることをしたい――。そんな思いで、ライブ配信による演奏会を企画しましたが、社員有志の活動なので、配信用の機材を買う資金がありません。そこで、クラウドファンディングで資金を募ることに。
「集まらないんじゃないか」という崔さんの不安をよそに、開始当日に目標額を達成。数十万円の寄付が集まりました。

ライブ配信当日。「Another Sky」でお客様と心がひとつに

そして、10月19日の配信ライブ当日。お昼時にもかかわらず、3000人近くが視聴してくれました。機内音楽でおなじみの「Another Sky」の演奏が始まると、盛り上がりもピークに。コメント欄には
「待っていました!」
「やっぱりAnother Sky!!」
と、メッセージが次々に寄せられました。それを見て、崔さんは胸が熱くなったといいます。
「コロナ禍以降、飛行機に乗らない日々が半年以上続いていたので、お客様とANAとの距離が空いてしまってもおかしくないと思っていたんです。でも、私たちの演奏を聴いてくれただけでなく、温かいコメントまでいただけた。本当に嬉しかったです」。
また当たり前に飛行機が飛ぶ日常を望んでいるのは、きっとお客様も同じ。「Another Sky」を通じて、画面越しに心がつながった瞬間でした。

テレワーク演奏

お客様と“再会”したい!ハネオケの新たな挑戦

ハネオケには、次なる目標があります。それは、今度は直にお客様に感謝を伝える機会を自ら作ること。コロナ禍では外食も難しかった中、生演奏とおいしい料理によるおもてなしで喜んでもらいたいと、来年1月にディナーショーを企画しています。11月からクラウドファンディングで参加者を募りはじめ、満席の回も出ている人気ぶりだそう。
崔さんは言います。「ANAを選んで、飛行機に乗ってもらう。それが、当たり前ではなく、とてもありがたいことだと痛感した2年間でした。直に皆さんに会えたら、とにかく感謝を伝えたいですね」。
これからも、ハネオケの奏でる音色は、みなさんをきっと笑顔にしてくれるはず。これからの挑戦にも目が離せませんね。

ハネオケのリーダー 崔さん。バイオリンを担当

▼クラウドファンディングのページはこちら(2021/12/31まで、残り僅か)

▼ANAグループココロのつばさ
 ANAグループの社員が制作したコンテンツがたくさん。ぜひご覧ください

https://www.ana.co.jp/group/kokoro-no-tsubasa/