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「ANAそらぱす教室」を特別支援学校小学部の子供たちに実施しました!

皆さん、こんにちは。ANACX推進室CX戦略部の吉牟田です。
皆さん「そらぱす教室」ってご存じでしょうか?
 
 「ANAそらぱす教室」は、飛行機を利用する際の不安を払拭する目的で、障がいのある生徒さんが通う特別支援学校を対象とした出張型の搭乗支援授業です。ANAでは2018年からこの活動をスタートさせ、これまで北は北海道から、南は福岡まで、全国合わせて12回、「ANAそらぱす教室」を行ってきました。今回、2022年12月7日(水)に、神奈川県横須賀市にある筑波大学附属久里浜特別支援学校(小学部)で、13回目の「ANAそらぱす教室」を開催してきました。


ANA CX推進室CX戦略部 吉牟田 希里子さん

 きっかけは久里浜特別支援学校の先生から「今後、子どもたちが飛行機での旅行を楽しめるようになるためにも、是非実施してもらえないか」とご相談をいただいたことです。今回ははじめて小学部で開催することになりました。
 
 当日は、知的障がいや発達障がいのある小学1年〜6年までのお子様35名をはじめ、先生、保護者の方約70名が参加されました。
 見慣れないセットやスタッフに最初は興奮しているお子様もいらっしゃいましたが、先生のご挨拶、講義、ビデオと授業が進むにつれて、徐々に集中していく様子が見られました。
 「保安検査○×クイズ」は、手を挙げるのが難しいお子様も一緒に参加ができるようにという先生の想いから、手元に回答ボードを用意し、答えを指差ししてもらう工夫をした結果、とても盛り上がりました。

「保安検査○×クイズ」の様子

 機内に持ち込めないものを確認したあとは、いよいよ保安検査の疑似体験です。各学年の代表の方には、ひとりずつ保安検査機器を通過してもらい、エラー音が鳴ったお子様には保安検査係員が「ポケットになにか入っていますか?」と話しかけ、接触検査を受けます。非日常の空間や、はじめてのことが苦手な障がい特性を、疑似体験を通してサポートし、検査の不安を軽減していきます。なかなか進めない子には「〇〇くん、がんばれー!」と会場から声援が起きました。それぞれのがんばりと、仲間の応援もあって、全員が無事検査をクリアすることができました。

搭乗前の保安検査を疑似体験

 自由時間では、見学していたお子様たちも全員検査ゲートを通る体験をしました。さっきは恐る恐る見ていた子が、「やってみたい!」と自分の気持ちを表現し、検査に挑戦する様子に勇気をもらったり、保安検査のあと自らシートベルト着用体験ゾーンに向かうなど、それぞれのスタイルで理解している姿に驚かされました。
 シートベルト着用体験ゾーンでは、ひとりずつ座席に座る、シートベルトを締める、外すを練習しました。飛行機のベルトはお子様にとっては難しい形状で、特に外す行為がなかなかうまくいきません。スタッフや先生と一緒にバックルを上げ、ベルトを抜く練習を繰り返し、最後は「できた!」と喜びを伝えてくれました。
 
 終了後、校長先生からは「普段は活動場所にいることが難しい子が、1時間以上も一緒に過ごすことができたことに驚いている。飛行機には電車やバスと違った興味が湧くようだ」との感想をいただきました。※当日の様子を、学校のホームページ「校長にっき」に掲載していただきました。
 障がいのあるお子様たちに空の旅を経験してもらうためには、周りの大人の意識がとても重要だと考えているため、そらぱす教室では保護者のご見学を提案しています。今回参加された保護者の方からは「飛行機でパニックになったらどうすればいいんでしょうか」「座席はどこがいいのでしょうか」とさまざまな質問が寄せられました。障がいを理由に空の旅を諦めてしまっていた親御さんと搭乗のイメージを持って具体的なお話ができるようになる時に、とてもやりがいを感じます。お子様の様子を共に見守りながら、先生方やご家族の不安もお伺いし、ANAで旅に出てみようと思っていただけるきっかけ作りができれば、と思っています。

 障がいのあるお子様やご家族にとって、空の旅はハードルが高いけれど、とても魅力があるのだということを改めて知る機会となりました。今後も「ANAそらぱす教室」は、ご利用者のお困りごとに寄り添い、体験を通じて、名前に込めた想いである「”そら”の旅への”ぱす”ぽーと」を手渡していけるような取り組みであり続けたいと思っています。
 ANAグループはこれからも「すべての人に優しい空」の実現にむけ、ユニバーサルな取り組みを通じて、誰もが暮らしやすい社会づくりに貢献していきます。