見出し画像

ANAグループ4~9月決算 旅客需要回復で195億円の黒字~3年ぶり上期黒字に~

ANAホールディングスは10月31日、4月から9月までの上半期のANAグループ全体の決算を発表し、旅行需要の回復などで最終的な利益が195億円の黒字となることを明らかにしました。

上半期が黒字となるのはコロナ禍前の2019年度以来、3年ぶりとなります。

ANAホールディングスは10月31日、都内で記者会見を開き4月から9月までの上半期の決算を発表しました。

それによりますとグループ全体の売上高は新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた旅客需要が回復したことなどから7907億円となり前の年に比べ83.4%増えました。

これにより上半期の最終的な利益は195億円となり、988億円の赤字だった前の年に比べて大幅に改善されました。

ANAホールディングス 上席執行役員グループCFO 中堀公博

このうちANAブランドによる国際線事業は各国の入国制限の緩和で北米とアジアを結ぶ接続需要を取り込むことができたことに加え、日本発のビジネス需要も回復基調にあることなどから旅客数が去年に比べ5.1倍に増えました。

また国内線事業は夏休み期間のレジャー需要が増えたことやビジネス需要も徐々に回復していることなどから旅客数が去年に比べ2.1倍に増えました。

さらにこうした航空事業の回復基調が堅調なことなどから、2022年度通期の最終的な利益の業績予想を210億円の黒字から上方修正し400億円の黒字とすることを明らかにしました。

一方、コロナ禍で旅客需要が低迷した影響で、2年間で累積赤字が5500億円に及んだことや、有利子負債が2019年度末のおよそ8000億円から2021年度末にはおよそ1兆7000億円と大幅にふえていること、原油価格の高騰、円安など依然不安定な要素があります。また社会インフラとして航空ネットワークを維持していくための投資も増やす必要があります。このためANAホールディングスでは今後、航空事業以外の収益も拡大を図るなどして財務基盤の回復を図ることにしています。

ANAホールディングス 代表取締役社長 芝田浩二

ANAホールディングス芝田浩二社長
「上期の3年ぶりの黒字決算、通期の業績見通しの上方修正,ともに素直に申し上げて嬉しいです。日本国政府をはじめたくさんのステークホルダーの方々のご理解、ご支援のおかげだと思っております。来年2023年から25年の3年間でコロナ禍前の状態に戻し、2026年度から成長軌道へ回帰していきます。一方、コロナ禍で財政基盤は大きく毀損しました。さらに地政学リスクや原油市況の高騰、為替の円安進行、感染症の拡大など、刻々と変化する経営間雇用にも機敏かつ柔軟対応してまいります」