2023年12月期通期決算説明会でいただいたご質問への回答をご紹介
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公式サイトのIRページと合わせてご覧いただけますと幸いです。
今回は、先日2024年2月14日に発表いたしました2023年12月期通期決算に関しまして、同日に開催した決算説明会における投資家の皆様からのご質問に対する当社代表中村の回答をまとめてご紹介いたします。
※回答内容はご質問をいただいた時期により多少変化する可能性がございます。今回の回答につきましては2024年2月14日時点での当社方針とご理解ください。
2023年12月期通期決算説明資料はこちらからダウンロードしていただけます。
https://www.aainc.co.jp/ir/irmaterial/
Q:1月末に再度下方修正を出されましたが、なぜ3Q決算発表時に修正いただけなかったのでしょうか?
A:下方修正の主因となった海外事業(旧:海外SaaS)が3Qは回復基調を見せていたため、3Q決算発表時点では読み切れなかったというのが正直なところではございますが、 2023年におきましては下方修正を繰り返す結果となりましたことを本当に申し訳なく思っております。
Q:国内は好調に見えますが、2024年の国内合計売上の成長率が、前年実績の+12%に対して+7.1%と下がる理由は何でしょうか?
A:ソリューションの事業環境は、広告効率が多少落ちている傾向があり、「やや向かい風」と捉えていることは、先ほど(プレゼンテーション内で)ご説明させていただいた通りでございます。プロダクト事業(旧:国内SaaS)とクロスバウンド事業(旧:中国進出支援)は2024年も増収の計画であるのに対し、ソリューション事業においては2023年下期に発生した解約影響もありますため、それを織り込みつつ、事業環境に沿った対策・戦略を立てて事業を推進していきたいと考えております。2024年は「低単価×アカウント数UP」に戦略を切り替えることで、2025年以降、安定感のある成長を目指せるような事業体質に変化させたいと思っております。
広告に対する効果実感が薄くなっている企業様については、プロダクト事業のサービスを導入いただくことで広告費を抑えながら効率的なマーケティング施策が可能であり、それが弊社の強みと捉えておりますが、ソリューション事業については高い業績見通しを立てられないことから、国内事業トータルの2024年売上予想といたしましては前期比+7.1%の34億円の計画とさせていただいております。
Q:海外事業がここまで大きく業績を崩した一番の原因は何だと捉えていらっしゃいますか?
A:2022年に海外事業が大きく成長した理由は、コロナ禍でのゲームの巣ごもり消費によるゲーム業界の売上増の恩恵をダイレクトに受けたためではあるのですが、「我々の実力が高い」と感じてしまっていた面があったように思います。その後、ゲーム業界の売上が減少しマーケット環境が変わったことで、海外事業は2023年1Qで売上大幅減となったわけですが、2023年については1年を通してマーケットの読みが甘かったことは多いに反省しております。また、経営管理・受注状況の把握などが弱かったという反省もございます。
今後は順風だろうと逆風だろうが、しっかり売上を積んでいけるような事業性質にしていきたいと思っておりますので、2024年はその基盤作りに邁進する1年と考えております。
Q:海外事業は顧客数についても非開示とのことですが、12月末時点の顧客数はどのくらいなのでしょうか?
A:具体的な社数は非開示とさせていただくことをお許し願いたいと思いますが、 顧客基盤が崩れてしまったため再構築しなければいけない状況と考えております。 一方で、2022年12月に当時の最大顧客が解約となった後の、上位顧客3社については契約が継続できておりまして、2024年については、それらの既存顧客の売上見込みをベースにどう積んでいけるか、再起に向けて注力していきたいと思っております。
Q:海外における多数の解約についてですが、4Qだけに起きることに思えません。解約理由で多いものは何なのでしょう?根本的な改善ができなければ、今後も続くように感じております。
A:予算減という理由が多いですが、2023年については我々がマーケット環境の変化に上手く対応できず振り回されてしまった中で、お客様の満足度を下げてしまう要因があったと感じております。今後はマーケット変化や顧客ニーズを敏感に感じ取り、 しっかりとお客様と向き合っていくことで解約防止につなげてまいりたいと考えております。
Q:ガバナンス強化とは具体的にどのようなことでしょうか?
A:2023年は4Qにおいて、海外事業で多くの解約発生および新規獲得苦戦に伴う業績不振が連結の売上高や営業利益に悪影響を与える形になりましたが、それに加えまして、特別損失を9,200万円計上いたしました。その理由としては、2022年12月期に発生した特定顧客の売掛債権について数ヶ月間協議していたのですが、支払い合意に至らず、売掛債権の回収見通しが立たない状況となったためでございます。本件については、引き続き回収に努めていく所存ではございますが、そもそも債権化させない仕組みづくりが必要だと考えております。 そのため、今後は、(海外事業を展開する)クレディッツの親会社であるアライドアーキテクツが受注管理体制・債権管理体制などをWチェックする形で、ガバナンスを強化していきたいと考えております。
Q:海外事業のゲーム制作の管理・運用支援は本当に出来るのでしょうか?
A:主力の広告制作が引き続きメインにはなると考えているのですが、 ゲーム制作の管理・運用支援については、お客様と長くつながっていけるという意味で解約防止につながる施策と考えております。 しかしながら、2023年4Qにおいて、それが本格化する前に多くの解約が発生してしまったため、主力の広告制作の顧客基盤から再構築という状況ではありますが、ゲーム制作の管理・運用支援についても 2024年は一定の売上寄与を目指したいと考えております。
Q:中国進出支援(新名称:クロスバウンド)の処理水問題の影響は、2024年についてはどのくらいありそうですか?
A:2024年も上期は影響が残ると考えております。最も悪影響を受けた2023年3Q、また4Qにおいても影響を受けたわけですが、中国向けの日本商品の越境プロモーションを控える傾向はまだ続いており、2024年上期についても越境ECにおける事業環境は向かい風が続くことを想定しております。一方で、インバウンドについては引き続き需要が旺盛であるため、2024年はインバウンド支援中心に業績を作っていきたいと考えております。
Q:前回、中間決算の説明会で「3回目の下方修正はない」と中村社長が言っていましたが、1月30日に3回目の下方修正になりました。24年度のガイダンスは低いですが、本当にガイダンスを達成できるのですか?
A:2023年の業績不振・度重なる下方修正につきましては、心から申し訳なく思っており、深く反省しております。 2024年の業績予想につきましては、その反省を踏まえての開示と捉えていただければと思います。
Q:株価が大きく低迷していますが、株価対策についてどうするのか教えてください。
A:足元の業績動向、株価につきまして、 株主の皆様にはご心配をおかけしており、大変申し訳なく思っております。 業績の向上が急務であると感じておりますが、 株価動向・時価総額に対する意識は私自身、高く持っておりますので、 まずはしっかりと業績を回復させ、皆様に成長ストーリーをお伝えすることによって、株価を上げていけるよう努めていきたいと考えております。引き続きご支援の程よろしくお願い致します。
Q:株主優待や配当など、株主還元策は検討いただいていますか?
A:本日ご説明させていただいた通り、 海外事業を再成長路線に戻すことが大変重要であると考えおります。国内事業が増収増益を続けていることに加え、海外事業をしっかりとしたものに変えていくことが急務であると捉えておりまして、2024年にそれを成し遂げることによって、将来の株主還元につながっていくものと考えております。株主還元策については、適切なタイミングを検討していきたいと思っております。
いただいたご質問への回答は以上です。
この度は、株主・投資家の皆様のご期待を大きく裏切る形となり、誠に申し訳ございません。
厳しい状況が続いており、株主・投資家の皆様には多大なるご心配をおかけしておりますが、この難局を、より強固な企業へと生まれ変わるための大きな転機と捉え、前向きに取り組んで参ります。そして、事業の立て直しに全力を尽くし、一日も早く皆様のご信頼を取り戻せるよう努力いたします。
株主・投資家の皆様におかれましては、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。