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How to 日本語化~Adobe AIR篇

はじめに

今回はAdobe AIR製ゲームの日本語化を紹介したいと思います。ゲームエンジンというわけではありませんが、Adobe AIRを利用したゲームはいくつかあります。

例えば、

  • GemCraftシリーズ

  • DungeonUP

  • Fate Tectonics

  • Infectonator: Survivors

  • Post Human W.A.R

  • Sentry Knight Tactics

などが、私が所持しているゲームでAdobe AIRを利用したゲームです。比較的古いゲームが多く、単言語で作成されたものが多いため日本語化は難しい場合があります。

その他のAdobe AIR製ゲーム⇒PCGAMING WIKI参照

サンプルゲーム

Sentry Knight Tactics

Sentry Knight TacticsSteam)というストラテジーRPGをサンプルゲームとします。ざっと見た感じ他のAdobe AIR製ゲームでも流用できると思います。
ただし、作り方にもよりますが単言語の場合、アップデートで最初から全部やり直しになる可能性が非常に高いので注意してください(これは他のゲームエンジンでも同じですが)。

単言語の欠点

単言語の場合、なぜアップデートで全てやり直しになるのか?という疑問があると思います。Java製ゲームにもあることですが、テキストがコード内にそのまま書かれているからです。BASIC言語であれば、

if Exp => LvUpExp then print "レベルが上がった"

こんな感じです(ExpがLvUpExp以上になったらprint文でダブルクォーテーションで囲まれたテキストを表示するという意味)。

つまりテキスト自体がまとまっておらず、コードのあちこちに存在することになります。アップデートでコードが変更されれば同じ場所にはないかもしれませんし、書き方が変われば比べることもできないため見落としてしまいます。そういう意味では最初から全てやり直しに近い状態になります。

もちろん、すべてにおいて単言語がコード内というわけではありませんが、そういう場合が多々としてあるということを理解しておいてください。

解析ツール

最初に、私はWindows環境のため、添付するスクリーンショットはWindowsのものとなりますが、JPEXS Free Flash Decompiler(以下FFDec)自体は各種OSに対応しています。ゲームが対応しれていれば、日本語化もできる可能性があることを付け加えておきます。基本的なやり方も変わらないと思います。

  • JPEXS Free Flash Decompiler 15.1.1github

  • Projecter/PlayerGlobalWebArchive

JPEXS Free Flash Decompiler
(自分の環境に合わせてDL。WindowsはZip版をDL)
Projecter/PlayerGlobal
Projecterは各OSに合わせて、PlayerGlobalはOSに関わらずDL。

インストール

インストールするドライブはどこでも構いませんので、適当にフォルダ(例:DドライブにFFDecフォルダ)を作成し、ffdec_15.1.1.zipファイルの中身を作成したフォルダへコピーしてください。

次にWebArchiveからダウンロードした「flashplayer_32_sa.exe、flashplayer_32_sa_debug.exe、playerglobal32_0.swc」をそのままコピーします。

フォルダの状態(Windowsの場合)
MacやUnixの場合はexeファイルではないと思いますので注意してください。

準備が整ったらFFDecを実行します。Windowsの場合「ffdec.exe」を実行してください。

FFDecの起動画面

日本語にも対応していますので、メニューにある「Settings」をクリックし、Change languageボタンをクリックします。ダイアログが表示されるので、その中から「日本語」を選択しOKボタンをクリックします。自動的に再起動し、日本語表示になります。

次に設定をクリックし「詳細設定」をクリックしてダイアログを開きます。その中から「パス」をクリックして1~3までのパスを設定します。

設定「パス」の一部。Windowsの場合(パスは環境による)

右の「フォルダ」アイコンをクリックして上図を参照してファイルを選択してください(有効化するためにダイアログ下部にある、OKボタンを押してください)。

これで準備は完了です。

サンプルゲームのフォルダ構成

(環境による)\common\Sentry Knight Tacticsフォルダ

上図がフォルダ構成となっています(太字はフォルダ)。
Adoeb AIR製ゲームというのはAdobe AIRフォルダと*.swfというファイルの有無で判断できます。絶対ではありませんが、実行ファイルが小さく、*.swfのサイズが大きければほぼ間違いありません。
このゲームは珍しくassetsフォルダがあり、その中に一部データが含まれています。ここで注目すべきはfontsフォルダです。中にはダメージと回復用の画像データ(数字のみ)とフォントそのものが入っています。
画像フォントは数字だけなので特に置き換える必要はありません。フォントそのものはいったん日本語の特徴あるフォントに置き換えてゲームを実行し置き換わっているかを確認するといいでしょう。この方法は他のゲームでも同じことなので覚えておくといいでしょう。

gfxはグラフィックスという意味で使用されます。中には各キャラの画像もありますが、「QUEST ACCEPTED、QUEST COMPLETE」などをはじめ、UIに使用されるテキストが画像として存在します。幸いpngファイルなのでGIMPなどでも編集できますし、特に気にならないのであればそのままでもいいかもしれません。ただ、こういうものは最後に処理する形でいいと思います(もしかしたら使用されていないかもしれませんので確認できないものは触らないほうがいいです)。

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