2024年よかった音楽
今年去年出たアルバムから20枚選んでいます。
20. Mark Templeton - Two Verses
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Andrew Peklerが参加しているだけあって『Sounds From Phantom Islands』や『Tristes Tropiques』に似た雰囲気がありますね(むしろこの人の元々の作風がそこら辺の作品に近いのかもしれませんが)。
胡乱な感じで良いです。
19. Masaka Masaka - Barely Making Much
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テクノ、ジャングル、グライム等横断的なエレクトロニックミュージック。
HAKUNA KULALAから出てるのにアフリカっぽい感じ(?)がしないのは印象的でした。
18. Shinichi Atobe - Discipline
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この人のテクノはちょうどいい塩梅でメロディが豊かでいいですね。
今作もDDSから。
17. Giovanni di Domenico, Pak Yan Lau and John Also Bennett - Tidal Perspectives
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タイトル通り、潮の満ち引きのような緩やかな流れの音楽が3人のインプロヴィゼーションによって形作られています。
JABことJohn Also BennettのレーベルEditions Basilicから。
16. Medici Daughter - 113
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今作で初めて知った人です。
Actressっぽい(?)音のテクスチャーもあるグリッチテクノ。かっこいい。
15. Loren Connors & David Grubbs - Evening Air
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David Grubbsのピアノが『FRKWYS Vol. 16: In a Word』でのDaniel Lentzのピアノを彷彿とさせるような響きと間の取り方で良かったです。
Loren Connorsのギターも幽玄な雰囲気があり流石。
あと全く関係ないですが、今年高校の同窓会で十余年ぶりに再会した級友たちから結婚したとか子供出来たとかしこたま聞いた帰りに二次会に行かずレコード店に行ってこれのLP買いました。
14. Ariel Kalma, Jeremiah Chiu & Marta Sofia Honer - The Closest Thing to Silence
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第四世界的な管楽器とシンセサイザーのレイヤーの重なりが美しく没入感のある音楽になっています。
International Anthemから。
13. Priori - This but More
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今の時代のダブテクノという感じがします。
リズムパターンや音色にはバリエーションがありつつも全体的な雰囲気は靄がかったような音で包まれており上手くまとまっています。
12. Lifted - Trellis
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PANやFuture Timesから出していたグループでしたが、今作はPeak Oilから。
ジャズっぽいようなアンビエントっぽいような、相変わらずよく分からない音楽性ですが好きです。
11. Hesaitix - Noctian Airgap
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10年代にPANからリリースしていたM.E.S.H.の別名義らしいです。
今作ではヒップホップなビートの曲もありつつ、全体的にダークな雰囲気でかっこいいです。
なんとなくSpace Afrikaの『Honest Labour』を思い出したりもしました。
10. Gábor Lázár - Reflex
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Shelter PressやThe Death Of RaveやPlanet Mu等からリリースしていたアーティストのrasterからの作品。
伸縮するような音のテクスチャーは変わらず、しかし今作ではジュークのような性急さや複雑なリズムパターンがあり面白いです。
まだ名前の付いていないダンスミュージック。
9. Lia Kohl - Normal Sounds
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claire rousayのような長回しのフィールド・レコーディングやストリングスで空気感というか雰囲気的なものが上手く表現されている作品ですが、今作では特におもちゃやアイスクリームトラックの音(?)のようなある種やかましいようなメロディの音が入っているにも関わらず、それがアンビエント的な曲と調和しているところが面白かったです。
Moon Glyphから。
8. Black Decelerant - Reflections Vol. 2: Black Decelerant
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ContourとOmari Jazzによるユニットによる、RVNG Intl.のReflectionsシリーズの第2弾としてリリースされた作品。
減速の名の通り時間がゆっくり流れていくようなアンビエントです。
Blank Glossの『Melt』と近いものを感じます。
そういえばRVNG Intl.のFRKWYSシリーズってもう終わったんでしょうか(面白い作品が多かったので残念)。
7. upsammy - Strange Meridians
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過去作と比べてビートがほぼ無くなった挑戦的な作品。
賛否分かれそうですが、個人的にはこの人の作品の魅力は音のテクスチャーの面白さにあると思っていたのでより「聴かせる」ことに特化した今作はかなり好みでした。
6. Mount Kimbie - The Sunset Violent
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メンバーが二人増えてポスト・パンクあるいはニューウェーブのようなロックバンドになったMount Kimbieの最新作。
特に意外というわけでもないですが、『Dumb Guitar』とか『Fishbrain』とかロックっぽい曲でも普通にすごく良いものを作るなあと感心しきりです。
あとAndrea Balency-Béarnのボーカルが超クールで良いですね。
King Kruleもそのうち入るんじゃないか。
5. Félicia Atkinson - Space As An Instrument
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ピアノ、声、シンセサイザー、環境音等いろいろな音が入ってますが全部良い音に聴こえますね。
それだけ音に対する意識が行き届いているというか、研ぎ澄まされたアンビエントだと思います。
4. Skee Mask - Resort
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何か新しいことをしているわけではないと思いますが、とにかくかっこいいテクノですね。
アルバムだとアンビエントな曲も結構入ってます。
3. Adrianne Lenker - Bright Future
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この人の歌声には特別なものがあるなと思います。
感情が伝わってくる歌い方もそうだし、声の響きがヴァイオリンに似ているようにも感じました(特に『Evol』でそう感じました)。
Big Thiefの作品では特に『U.F.O.F』と『Two Hands』が好きでしたが、これもそれらに匹敵するアルバムだと思います。
2. James Hoff - Shadows Lifted from Invisible Hands
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Bandcampの紹介文によると耳鳴りの音や頭の中にこびりついたポップソングをもとに作られたそうですが、それにしてもこの作品からは彼自身がどういう方向性の音楽を作りたかったのかが極端に掴みづらく(ジャンルでいえば広義のアンビエントとかネオ・クラシカルにあたるのではないかと思うが、それだけでは捉えきれない奇妙さがあるように感じる。穏やかな音楽とみせかけて不純物的な音や展開の割合が多く、しかしバランスが崩れている印象は受けないというか。)、その意味で新しさを感じました。
こういう「わからないけど好き」な音楽と出会えたときの喜びはちょっと特別ですね。
1. Jlin - Akoma
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Jlinの過去作はエレクトロニックの音楽としては面白いけどジュークとしてはノりづらい印象があったのですが、今作は軽快さと音のバラエティの豊かさ両方があり、非常に良かったです。
DJ Paypalの『Sold Out』と並んで一番好きなジュークのアルバムになったと思います。
その他
2024年に出たアルバムじゃないけど去年聴いた中で特に良かった音楽を挙げていきます。
Tujiko Noriko - From Tokyo To Naigara
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このアルバムは何故か聴いてなかったのですが、Keplarから再発されたのをきっかけに聴きました。
めちゃくちゃかっこいいトラック、雰囲気のある歌声、シュールだけど悲しげな詞と非常に良かったです。トリップホップの大名盤と言いたい。
特に『Zipper』『Mugen Kyuukou』『Kiminotameni』が好きです。
初星学園
要するに学園アイドルマスターの楽曲です。
アイマスについてはあんまり知らなかったんですがいくつかとても良かった曲があったので。
・Fighting My Way
MVも相まってアイマスってこういうのもあんねやと驚きました。
癖のある歌声だけどバキバキのトラックと合ってると思います。かっこいい。
・Luna say maybe
力強くまっすぐな歌声とオーケストラによるビルドアップで開始1分以内にサビまでブチ上げる膂力溢れる曲。
・光景
長谷川白紙のアルバムの方はしっくり来なかったんですが、こちらはすごく良かった。祝祭っぽい曲です。
あとArthur Verocaiのオーケストラが参加しているそうです。えらいことですよ、これは。
・Feel Jewel Dream
まあDE DE MOUSEが好きなだけといえばそうとも言えるんですが、そういうわけで少なくともDE DE MOUSEが好きな人は聴いた方がいいです。良い曲ですよ。
BLANKEY JET CITY - Metal Moon
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去年ブランキーの楽曲がサブスク解禁されたのをきっかけに大学生の頃以来にいろいろ聴いていて、その中でも特によく聴いたのがこのアルバムです。
正直なところ以前はほとんど印象に残ってなかった(というか聴いたことがなかった可能性が高い)のですが、改めて聴くとEP故に曲数が少ない割には良い曲が多い。
ブランキーきっての名曲『綺麗な首飾り』はもちろん、珍しく半分以上がインストの『おまえが欲しい』、ミドルテンポに寓話的な詞が乗った『Orange』も好きですが、やはり最後に控える『鉄の月』が素晴らしい。
この曲の詞にはブランキーによく言われる「映画的な」美しさがあり、そして『悪いひとたち』や『★★★★★★★』にもみられる、「人を殺すことが悪かどうかは時代や国、状況によって変わるが、それでも人を殺した者は罪の意識からは逃れられない」というような浅井健一の詞の世界観があります(本人の思想がどうであるかはわかりませんが)。
スタジオアルバムの中では一番好きなアルバムになったと思います(ライブアルバムも含めるとやはり『LIVE!!!』か。音の圧がすごいので。)。
あとは同じく去年サブスク解禁された少女終末旅行と蟲師のサウンドトラックもとても良かったです(前から聴いていたので詳細は省きます)。
まとめ
もう自分がどういう音楽が好きなのかわからなくなってきたなと思ってたんですが、こうやってみるとジャンルが偏っているというか、意外とわかりやすいかもしれない。いや、しかしそうでもないかもしれない。
今年は2020年代前半で良かったアルバムとかも書きたいなと思ってるんですが、果たして今年中にできるかどうか。