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【Book Recommend 5】Never Let Me Go


こんにちは、Allexです。


私の読んだ本の中でもおすすめの洋書を紹介するBook Recommendのカテゴリー


今回から7冊にわたって
私の好きな作家、
Kazuo Ishiguro(カズオ・イシグロ)
の本を紹介していきます📚


カズオ・イシグロを知ったのは2005年大学生の時。
当時英語の勉強に愛読していたEnglish Journalの雑誌で「日本の長崎県出身、イギリス人作家」として紹介され、
その後たまたま新聞にもその時の最新作「Never Let Me Go」についてのインタビューが載っていたことから興味を持ちました。


インタビューで語っていた作品の内容に興味を持ったのと、英語の勉強の為に洋書を読んでみようと思ったことから最初に手にしたのがこの本です。


Never Let Me Go
by Kazuo Ishiguro


読み終えた後に映画化もされており
好きな俳優のAndrew Garfieldと
女優のKeira Knightleyが出ていたので
映画の方も観ました。

日本語版では「わたしを離さないで」というタイトルで翻訳本が出ています。


新聞のインタビュー記事は
20年ほど前のものでうろ覚え
もちろん全文を暗記しているわけではなく
私の記憶の脚色もあるかもしれないので
「ふーん」ぐらいの気持ちで読んでください笑

「クローンとして生まれヘールシャムで育てられた子供達の将来はすでに決められており、その命の目的はドナー(臓器提供)となることである
そしてその子供達は不気味なほどその運命を受け入れている
という極めて賛否両論分かれるテーマであるが」

「家畜のような残虐性のあり方を問うことが目的ではなく、決められた運命に抗わず受け入れているのも決して不気味ではない。
人間はある種の狭い世界で「世界はこういうものだ」と教えられるとそういうものだと思い込んでしまい、抜け出そうと考えることはない
だから子供達は反発せずに受け入れていたのだ」

「私が書きたかったのは
そうした「世界はこういうものだ」という世界の中でさえ、最後まで自分の考えを持って生きる姿や、ほんの少しの希望を持って生きる彼らの姿だった」



…というような感じの内容だったと思います。


このカズオ・イシグロの考えを読んでいなければ
Never Let Me Goは私も「なんだこの暗い話は」で終わっていたかもしれません。

この本を読んだ後、他の作品も読んでいきましたが
カズオ・イシグロのとても静かな語り口と書き方、何ページにもわたる丁寧な描写がすごく好きで
Never Let Me Goも決してハッピーエンドではない「残酷な話」ではあるかもしれないけれど
ただ残酷なのではなく
カズオ・イシグロの考えや想いがありそれを作品として書いてみようとしたのがわかると
この本も私のお気に入りの本の一冊となったのです。



あれだけKathyとTommyの2人の仲をワガママで振り回したり、常に勝気で強気だったRuthが最後のドナー提供後に亡くなる時の描写は
ボロボロ涙をこぼして号泣しました。。
他のどの場面よりも切なさを感じたシーン。
それも、カズオ・イシグロのどこまでも静かで落ち着いた描写のせいだったのかもしれません。


少し暗いけれど、カズオ・イシグロの世界観に触れてみたい方にはおすすめです✨

切なくて悲しい物語だけど
この本以来、私はずっと彼のファンです😊

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