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屋久島の旅

2泊3日の旅の記録。

6:25発のJALで羽田から鹿児島へ。始発の空港は行列で、手荷物を預ける間もなく出発。鹿児島空港に8時頃到着。なかなか広くて立派。空港出口すぐにある発券機で高速船ターミナル行のバスのチケットを購入。混んでいたが、親切なカップルに席を空けてもらい、友人と二人の席に座る。

空港から街への道は緑と森に囲まれている。南国を感じるヤシの木。市街は路面電車が走っている。バスで約1時間で港へ。宮之浦行きの高速船トッピーは12時発なのでしばらく時間がある。トランクをロッカーに預けて散策。

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快晴。桜島が綺麗に見える。港近くのドルフィンポートでお酒の試飲をしたり、フォトスポットで写真を撮ったり。昼食に食堂で貝汁定食をいただく。うまい。地ビール薩摩ゴールドを片手に出航!

13:50宮之浦港着。2分ほど歩くと屋久島環境文化村センター。縄文杉と白谷雲水峡について受付の方に聞いてみる。『もののけ姫』の舞台になった白谷雲水峡と屋久島のシンボル、樹齢7200年とも言われている縄文杉の二つが見たいが、ふつうは縄文杉と白谷雲水峡は別々の日に行くらしい。どちらか片方でも往復6~10時間はかかるらしい・・・しかしながら予約した宿のガイドさんは両方行けるサイトに書いてある。どうやらそんなことができるガイドさんが島に数人いるらしいが、果たして山素人の私たちに可能なのか。

のろのろ歩いて民宿あらきへ。うーん入口が不明。電話してみると人の好さそうなおじちゃんが出てくる。屋久島に来たって感じがする。ちょっと噛み合わない会話をしつつ、なんとかチェックイン。荷物を置いて明日のお弁当を予約するために八百八へ。閉まってます。予約は夕方以降らしい。チーン。

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とりあえず散歩。近所の益救(やく)神社で明日の無事を祈る。どうやら927年の文献『延喜式』に既に登場していたらしい由緒ある神社。

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橋を渡って凡我塔 ひらみ屋へ。地元の子供たちが買い物をしている。可愛いパンがいっぱい。ドーナツと紫芋あんぱんを購入。海を見ながら高台でドーナツをほおばる。旅って感じ。

夕方、開店と同時に潮騒で、お刺身と飛び魚の唐揚げをいただく。

お刺身はプリプリ、飛び魚はパリパリで最高。早朝出発でなければ日本酒を頼んでいただろう。帰りにお弁当を予約。明日4時45分に店舗受け取りというわけで、明日に備えて早めに就寝。


翌朝4時前に起床。支度を整えて、お弁当屋さんへ。

あれ、お店が暗い。閉まってる・・・?店舗の前に数人いるけど、いや彼らは登山口へのバスを待っている人たちだった。お店の前がバス停だから。いやいやいや。取りに来ますって言ったじゃない。お店に電話。家屋の扉があき、おじちゃんが出てくる。あ、そういうシステム。焦ったわ。でも電話つながらなかったらどうしていたんだろう。不安。

とりあえず部屋に戻り、リュックにお弁当を詰める。そろそろ5時。外は真っ暗。一体どんなガイドさんなのか名前しかわからない。自販機で飲み物を買う。と、車がやってきた。暗いけど白髪、細身の老人に見える。うーん、大丈夫かな。乗り込む。開口一番「温泉に行く用意はしてきた?」え?どういうことだ。なんか間違った?「登山の後に温泉に行くからね。宿の主人に聞いてない?」いやあ説明一言もなかったよね。「着替えとスリッパを持ってきなさい」あ、ほんとにー。というわけで宿に引き返す。出鼻をくじかれるとはこのことだね。急いで着替えを詰めて戻る。宿の主人登場。温泉のこと説明しておいてよ~と思ったら、「料金をもらってなかったねえ」今ですか。なるほど。というわけで精算。暗闇で精算。1万1千円。あらためて出発。本当に大丈夫だろうか。不安。

車は夜の道を抜け、山をぐいぐい登っていく。白谷雲水峡の登山口まで案内してもらう。あの~不安なんですけど。正直に吐露する。そもそも登山に慣れていないですし、ルートは普通の人とは違うコースなんですよね?12時間くらいって本当ですか?「そおよ。大丈夫よ」ほんまかいな。

「ヘッドライトは持ってるね?」いやあ無いっすね。と、ガサゴソ。貸してくれました。まだ早朝で暗いからこれが必要らしい。これを夜まで使うことになったらどうしよう・・・聞くと昨日もガイドしていたらしい。となると、すごい人なのでは?毎日12時間歩いてるってこと?

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登山口は真っ暗。滝の流れる音がする。入口の山小屋で1000円支払って入山証をもらう。このお金は屋久島の自然保全に使われるらしい。

地図を見ながら本日のコースを教えてもらう。指し示しているところがスタート地点。ここから下に下って三本杉などを見る。黄色い点線の部分に、『もののけ姫』の森(苔むす森)、アシタカ少年が立った太鼓岩、モロが立った辻の岩屋を抜け、トロッコ道に出る。そのままトロッコ道を進み、終点の大株歩道入り口、そして、ウィルソン株、大王杉を過ぎて縄文杉までたどり着くというルート。そこまで行って引き返す。ガイドさんはトロッコ道の途中から元のルートへ戻って車を取りに行く。私たちはそのままトロッコ道を進み、荒川登山口がゴール。バスに乗って終点まで。そこでガイドさんと合流して車で温泉へGO!という流れ。

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うん、なんとなくわかった!見たいところが全部見れる贅沢コース!

さていろいろお話を聞きました。

屋久杉は花粉があるのか?→福岡から移住した人は花粉症が治ったらしい。人工杉と違うのか?

屋久島内もエリアによって管轄が違う。国の持ち物と世界遺産の管理地区(ユネスコのもの?)。ややこしいらしい。

屋久島は島自体が盆栽のような作り。土がないので、川が濁らず白い。白谷雲水峡という名前の由来は水が白いから。水質はやわらかく美味しい。

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ヒメシャラ(百日紅の仲間)ツルツルで触るとひんやりする。幹が赤いので目立つ。さわると手のひらに赤い皮の欠片が付きました。

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天気が良かったので太鼓岩からの眺めも最高でした。かなりきつい勾配の山道を登った先にあり、ここから屋久島の山々が見渡せます。川の向こうに縄文杉があります。太鼓岩というのは、岩のある部分をたたくと太鼓のようにいい音がするから。しかし、巨大な一枚岩を一歩踏み外すと谷底なので怖くて仕方がなかった。ここは『もののけ姫』でアシタカがモロと対峙したときに立っていた岩。

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こちらはモロが立っていた岩。人が岩の下に立てるくらいの大きさ。

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これを見て、宮崎監督はイノシシの頭部を思いついたらしい。

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ちなみにこの真ん中の苔に覆われた何かをゾウみたいと言っていたらしい。

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さらにコダマの誕生は、水滴の写真に顔を書いたのがきっかけだとか。

宮崎監督は関係ないですが、この木をキリンビールの麒麟だと思う人は酒のみらしい。わたしはもちろんそう見えました。強そう。

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もののけの森は、他の登山者がいなくて、貸し切り状態でした。

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こういう道を進みます。そんな中で登山靴の底が剥がれました。古い登山靴だったので仕方がないですが、どうやらよくあることらしい。ガイドさんに縛ってもらって進みます。

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山道からトロッコ道に合流します。トロッコは現在でも連休明けなどには稼働していて、終点のお手洗から汚物などを運ぶのなどに利用されています。

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線路に敷かれた板のおかげで非常に歩きやすいです。この板は、令和天皇が皇太子の頃に訪れるということで急遽設置されたそう。結局、九州の豪雨のため予定が変更になりヤクスギランドしか行かなかったらしい。

トロッコ道の途中ではヤクシカには会えなかったけれど、ヤクサルは見かけました。

ウィルソン杉までの道は再び山道を進みます。ウィルソン杉は巨大なウィルソン博士が見つけた切り株です。昔は木こりたちがお弁当を食べた休憩所だったそうです。確かに広いので10人くらい輪になって座れそう。下から見上げると有名なハートマーク。

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ウィルソン杉から縄文杉までの道のりはさらに上下の段が激しいです。縄文杉は林業の人たちの間ではもともと知られていたらしい。けど、大きすぎて運びづらいし、わざわざ持ち出す木材ではないということでほっておかれたみたい。

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縄文杉が公に発見されるまで大王杉が最古だったようです。確かに、縄文杉よりも近くに寄れるので、大王杉の方が圧倒される感じがありました。

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元・林業のガイドさんに教えてもらったのだけど杉の木は幹の外側が強くて固い。中心に行くほど柔いそうです。庭の古い杉を処分したいときは表面周りの幹に円状に傷をつければ簡単に腐ってしまうらしい。また、年輪の広さで年代をはかるのでだいたい大きさから1000年以上の杉(=屋久杉)かどうかわかるらしい。

七本杉のように複数の杉が集まったものや、三代杉のように新しい世代の杉が古い世代の杉の倒木の上に育っていったものを見かけました。杉には力強さと不思議な生命力を感じます。ケルト人が樅ノ木を信仰したように、古代の人々が杉に神聖な力を感じていたとしても無理はないと思いました。

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最後はガイドさんと別れて荒川登山口までトロッコ道をずんずん進みます。こういう橋がいっぱいあります。すぐ下は流れのはやい川。手すりがないので怖い!

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水のシャワーのような枠をくぐり、トンネルを抜けるとゴール!18時ぎりぎりのバスに間に合いました。

登山靴は限界でしたが、最後までがんばってくれました。

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登山後、木こりが体を癒した楠川温泉に入浴。肌がスベスベになりました。18時半以降はほぼ貸し切り状態。

夕飯の後、ガイドさんと奥さんと一緒に地元のスナックをご一緒させていただきました。みんな歌がうまくてびっくり。

とにかく晴れて、見たいものがすべて見れて最高でした。

益救神社の御利益のおかげでしょう。

翌朝、益救神社にお礼参りに行きました。


<おまけ>屋久島グルメ

屋久島グルメ①「潮騒」刺身御膳+飛び魚の唐揚げ

刺身はプリプリ!飛び魚はパリパリ!完璧な味。満腹。

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屋久島グルメ②「大将」ヤクシカのなにか

ガイドさんのお名前を出したらサービスで出していただきました。とろける美味しさが抜群。今回の旅で一番感動しました。

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屋久島グルメ③「屋久島観光センター」飛魚ラーメン

スープがとにかく絶品。屋久鯖とあごの出汁が美味しくてもう一度食べたい。鯖のセンジを入れた後の変化も絶妙。

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屋久島グルメ④「凡我塔 ひらみ屋」紫芋あんぱん

素朴で優しい味。今回は食べられなかったけどロールケーキも有名みたい。

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帰りはフェリーで揺られ、屋久島に別れを告げました。楽しかった!


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